だから俺を見ててくれ


「シェリア、良かったら一緒に‥‥」



焦っていたのかもしれない。
告白されているのをたまたま聞いてしまったから。

揺らいだ心のままに、最後かもしれないと
自分の気持ちを押し付けるような真似をしてしまったのだろう。

みんなで帰って来ようと約束した。
これから俺はラントに残り、みんなを守っていく。
そのためにも絶対に帰ると。


だけど、やはり不安だったんだろう。
俺はシェリアを困らせてしまったんだ。



「やりたい事があるの」



戸惑いながら紡がれた言葉に
俺もどうしたらいいのか分からなくなった。

曖昧に話を流された様な気もする。
だが、今はまだそれで良かったんだ。
焦ってしまった俺が悪いのだから。


もう寝ると去っていった彼女を見つめ、思った。


いつから俺はシェリアの事を
ただの幼馴染みから大切な人と
感じる様になったんだろう。


俺が守ってやりたい。
そう思うようになったのは‥‥
一体いつからだろうか。


鈍い俺は、自分の気持ちに気付くのが遅かった。
いや、俺はまだまだ子供だ。
守りたいのに守りきれない。
大切なものを守るためにも
もっと強くならないとな。



なぁシェリア
いつか
俺が大切なものを守れるくらい
強い男になったら
俺のちゃんとした告白を聞いてくれないか。



心の中で聞いたって
誰も答えてくれないけれど

俺は自分の中で
強くなると
守ってみせると心に決めた。



だから俺を見ててくれ