走ってやらァ
俺は今走ってる。何でこんな事しねぇといけねーんだ。
「待ちなァ!今日こそお前を監獄にぶち込んでやるぜィ!!」
バズーカ持った奴を先頭に真選組が俺を追い掛ける。
数十人の足音がすぐ後ろに向かってくるのが分かった。
『晋ちゃんガンバ!!ヤバイよ。追い掛けてくるぅ!』
「うるせぇ黙れ。」
頭の後ろから聞こえる声に耳を傾けるのも面倒だった。
刀を抜いて戦うのもいいが今は足手まといが背中にくっついてやがる。
『晋ちゃん。今私達って凄い状況だよね。』
と言いながらルパンの主題歌を口ずさむ。
元はと言えばこうなった元凶はコイツにあるってのにコイツはこの現状を楽しんでやがる。
「見つけたぜィ。」
後ろから声が聞こえた。チッ。もう追い付いたか。
『晋ちゃんダッシュ』
「お前うるせぇ。」
静かにしてねーと落とすぞとに一喝してから速度を上げる。
後少しだ。後少しで車にたどり着く。
つか何でコイツは罪悪感とか感じねーんだ。ったく。
今度はアンパンマンのマーチを歌ってやがるし。
つか何で俺はコイツを背負ってんだ?14其処らの餓鬼を背負って逃げる事ァね
ーじゃねぇか。
チッ。早くまた子と連絡を取らねぇとこっちの体力が持たねぇ…。
「やっと撒いたか?」
辺りを見渡してからを下ろす。
『は〜楽しかった。』
こんな馬鹿。何で仲間にしたんだ…。
コイツはただ足が早いだけの奴なのに。
前また子にも甘すぎるとか言われた様な気がするな。
『あ、晋ちゃん。大事な事言うの忘れてた。』
「あ?なんだよ。」
『あのね。車の事なんだけど』
が言いかけた時だった。
「今度は逃がさねーぜィ」
バズーカを構えた沖田が俺達の目の前に立つ。
「チッ。」
の腕を引っ張って再び走り出す。
そして逃げながらに問う。
「さっき何言おうとしたんだよ。」
『あ、その事なんだけどね・・・
・・・車、晋ちゃんが助けに来る前にバズーカで吹っ飛んじゃった。』
隠れ家まで走るか。
くっそう。俺はまたコイツのために走るのかよ。
焼け糞でを担ぎ上げた。
は小さな悲鳴を漏らすと大人しくなった。
はぁ。疲れる。
なんでコイツなんかのために。
『晋ちゃんガンバ!!』
笑顔で俺に笑いかける。
くっそう。可愛いじゃねぇか。
俺も武市みてぇにロリコンになっちまったな。
「しっかりと掴まっとけ。」
俺は今日ものために走る