俺達はいつも一緒だから
『あぁ・・・ダメっ!』
銀「いーじゃん。いーじゃん。後ちょっとだ。」
『で、でも・・・怖いよ。』
まさかね・・・。新八は小さく呟いた。
ある日の夜、新八が万事屋に忘れ物を取りに来た時だった。
自身の雇い主と、その彼女であるさんの声だ。
万事屋には神楽ちゃんという14そこらの子が居候をしている。
そのはずなのに、聞こえてくるのは怪しい声。
銀さん・・・神楽ちゃんがいる所で!?
『やっぱりダメだよォ・・・やめっ・・・。』
これじゃ神楽ちゃんを起こしちゃうじゃないかっ!!
銀「コレならいいだろ?」
『あ・・・それなら・・・いいかも・・・。』
さん・・・。
止めなくちゃ。二人を。でも、邪魔する事になるし・・・。
そっと畳部屋の襖を開けてみた。暗くてよく見えない。
アレ?いない?
いると思ってた二人が其処にはいなかった。
まさか・・・ソファで!?
そんな・・・
だが、今はさっき通ってきたし。
其処には誰もいなかった。
後は・・・台所か・・・風呂場・・・っ!?
ちょっ・・・ソレって。。。
まず、二人を信じて台所に行ってみる。
そっとドアを開けると、床に座っている二人。
こんなところで・・・。
新「ダメだよ、銀さんっ!さ『あ〜ダメ!ソレ私のォ!!』
新「・・・え?」
口が開く。目の前の光景に頭がついていけなかった。
銀「へんっ。早いモノ勝ちだもんな。アレ?新八何でいるの?」
『あ、こんばんは。新八君。』
目の前にいるのは銀さんとさん。
その二人の傍には、散乱したお菓子やくず・・・。
新「何やってんスか、アンタら。」
『何って・・・。』
銀「糖分摂取だろ。」
銀さんはともかく、さんまで・・・。
新「はぁ・・・。別の意味の等分摂取だと思いましたよ・・・。」
『なっ・・・なわけないよ!!こんなテンパと!』
あ、言わなきゃ良かった。
月の光の薄明かりよって照らされたさんの顔がだんだん紅くなっていく。
銀「お〜い、お前何言っちゃってんの?」
新「あ、ゴメンなさい。」
だって、そんな声を夜中に出されても・・・。
銀「あ〜そーゆー事なら安心しろ。
がお前らの分ちゃんと残しておいてくれたから。ほら。俺は食べたかったんだけどな。」
安心しろって・・・。銀さん分かってない。
怖いとか、ダメだとか、ソレは僕らのお菓子の事だったんだ・・・。
確かに、神楽ちゃんの食べ物の恨みは怖いね。
新「はぁ・・・。もういいです。
僕忘れ物取りに来ただけなんで、これで失礼しますね。」
『え?もう帰っちゃうの?』
新「はい。」
玄関に向かう新八。は新八の後を追いかけ、玄関で見送った。
『じゃーね。』
新「さようなら。」
新八が去っていった後、少しの沈黙が流れる。
『・・・・・・。』
銀「・・・・・・。」
くっそ。新八のせいで気まずい雰囲気になっちまったじゃねぇか!!
が一言も話してくれないし。
銀さん困っちゃうよ!!
あ〜なんかネタねぇかな。
う〜ん・・・。
あ、なんでもいいや。コレで行こう。
銀「あのよォ。」
『ねぇ銀さん。』
同時に話す二人。
『あ、ゴメン。先に言って。』
銀「あ〜・・・。先で良いよ。」
『どーでもいい事だから。』
初々しいったらありゃしない。
二人の光景は第三者から見てられなかった。
銀「俺だってなぁ・・・。
俺が言いたかったのは、そろそろ寝ないか?って。」
『あ、うん。私も言おうと思ってた。夜中だしね。』
結局タイミングを逃せば当たり前の事も気まずいネタになってしまう。
しまったと後悔する銀時。
『じゃ、寝よっか。』
布団ちゃんと敷いてあるし。と言う。
銀「え?何?初の共同作業!?」
『ばっか。違うよ!!別々で寝るの!!』
焦る。その姿はとても愛しいモノだった。
には悪いけど、の笑う姿だけじゃなく困る姿怒る姿、色々な姿を見るのが好きだった。
そして何のためらいもなく普段の様に寝る。
俺はその寝顔をじっと見ていた。
だけど、いつの間にか俺も瞼を閉じ、の隣でぐっすりと寝ていた。
夢を見た。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
必死にもがいた。夢だとも知らないで。
必死に喚いた。目を覚ませばいいというだけなのに。
銀「!どうした?!!」
目を開ければ驚いてる銀さんの顔。
何故か、凄く安心した。
銀さんの顔を見ただけで、心が落ち着いた。
銀「凄い魘されてたぞ。どうした?怖い夢でも見たか?」
そんな怖い夢で魘されても驚かないでしょ。
まったく、銀さんはお人よしなんだから。
でも実際。私は本当に怖い夢を見た。
皆が血だらけで倒れているの。神楽ちゃんも新八君も・・・銀さんも。
私は恐怖に耐えられなかった。
逃げ出したくなったけど、足が動かなくて・・・。
足を見ると、地面から生える手に握られていて・・・。
凄く怖かった。
『ん〜・・・。そんなに怖い夢でもないんだけどね。』
嘘を並べてみる。
『私ね、お風呂に入ろうとしたの。そしたらマヨネーズでね。」
銀「・・・トラウマ決定だなソレ。」
私を抱き寄せ頭を撫でる銀さん。
落ち着く。
銀「それがチョコレートだったらちょっとした天国なのにな。」
冗談を言う銀さん。
きっと、嘘ついてる事分かってるんだろうな。
私に微笑む整った顔。
ずっと撫で続ける引き締まった腕。
愛しいなと思う。
私が辛い時、悲しい時、苦しい時。どんな時にも銀さんがこうやって微笑んでくれたっけ。頭を撫でてくれたっけ。
『銀さん・・・』
「ん?どうした?」
俯く顔を上に向け、目を合わせる。
『そういえばさ、一度も面と向かって言った事無かったよね。』
銀さんは何が何だか分からない様だ。
それでも真剣な顔で目を見つめてくれる。
『銀さんが私に好きって言って、それで私もって言ったんだよね。』
ここまで言ったら銀さんも分かった様だ。
一瞬目を見開いて、そして優しい顔に戻った。
『好きだよ、銀さん。』
顔が熱くなる。顔だけじゃなく体中が熱くなる。
よく考え直してみれば、今まで一度も言った事が無かった言葉。
口から出す事に恥ずかしく覚えて言えなかった言葉。
それを今、一番愛しい人に告げた。
今更だけれど、でも、言えてよかった。
銀「・・・・・・今更だっつーの。」
頭を掻いて、照れくさそうに言う銀さん。
可愛い。私は、銀さんのこーゆー仕草も好きだった。
きゅっと銀さんの首に腕を回して抱きつく。
銀さんはそんな私を優しく抱き返してくれた。
銀「夢の事だけどな。」
銀さんが口を開く。私はその発せられる言葉に耳を傾けた。
銀「次どんな怖い夢見ても、銀さんが助けに行ってやるから。」
『・・・・・・・・・。あははっ。無理だよ。同じ夢なんて見れないもん』
私が笑うと銀さんが笑うなよっと頭を軽く叩いた。
そして、その叩いた大きな手で私の手を握った。
銀「こうして手を握っていれば、俺達はいつも一緒だから」
ああ。ホント。ズルい。
どうしていつも、心が動かされてしまうんだろう。
『・・・バカ』
銀「バカで結構。」
にっと笑う銀さん。
同じ夢を見るのは無理だって分かってる。
でも、銀さんなら、やりかねないと思ってしまう私がいる。
銀さんがずっと手を繋いでいてくれるのなら
安心して眠れる。
おやすみ
私の大好きな人。
END
〜後書き〜
梨緒へ。あんなに待たせておいてぐだぐだ感溢れる文でごめんなさい!!
1111HITのキリ夢のクセに、もう10000行ってんじゃねぇかって感じだよね・・・υ
何でこんな短ぇんだよっ!!何で話飛ぶんだよっ!!
とか思うかもしれないけど、こんなんで良かったら貰ってやってください。
俺には長文は無理です(コラ
3ヶ月間待ってくれてありがとう!!
そしてこんな駄文でゴメンなさい。
そして、これからもよろしくお願いします!