夢は拳でつかめ
第二十七訓 夢は拳でつかめ
静かな空が真上にあるのに
大きなリングに沢山な歓声。
司会のおっちゃんは選手を紹介する。
スピーカーから響き渡る声。
はっきり言って少しうるさい。
司「青コーナー、戦う歌姫!ダイナマイトお通ぅぅぅ!!」
お通が登場し、ボクサーグローブでギターを弾く。
歓声は先程よりも大きくなった。
もちろん、お通が登場した事で、一番煩くなったのは新八率いる親衛隊。
熱い応援がお通の耳にも入った・・・と思う。
銀「・・・変な方向にいっちゃってるよ。」
隣でお通を見て呟く銀時。
だが私の耳には届かない。
『・・・面白い・・・。あの女の顔たまんない!
行けェお通ちゃん!!其処でダイナマイトアタックだァ!!』
銀時は熱くなって応援する私を横目で見て呆れている。
銀「がSなの忘れてた」
視線をまたリングに移す。
お通が繰り広げる技、仕掛けられた技等を見て
ため息を一つ。
銀「人間、そーゆー事言い出したら危ねーんだよ。」
馴染みだったラーメン屋も
"今度カレーもメニューに出してみる"って言った直後潰れたと言う銀時。
銀「不幸になりそーな顔してるもんな〜。」
『お通は…確かに前から不幸やな〜』
銀「・・・いつから関西の人間になった?お前」
頭を掴んでぐらぐらと揺らす。
ちょ、気持ち悪いって。
銀「その点神楽は終生ちゃらんぽらんの相が出てるよ。良かったな」
『お前もな。
あ、でも銀時の場合は+αで貧乏というものが一生付いてくるよ』
おいおい、それはないだろう、っていう銀時の姿一瞬ビクついた気がした。
そんな銀時を他所に神楽の方を見てみる。
・・・アレ?神楽がいないんだけど。
「えー夢とはいかなるものか」
聞き覚えのある声がスピーカーより流れてくる。
咄嗟にリングの上を見た。
『・・・ゲ。』
神「感動したぞォォ!!」
神楽はリングの上に飛び入り参加し、マイクを叩き付けていた。
何やってんのォ神楽ァ!!
ちょ、恥ずかしいからやめなさい!
司「何者だァァ!?このチャイナ娘どこの団体だァァ!?」
司会の言うことを聞かず暴れる神楽。
『・・・オイオイ・・・・・・神楽ちゃんやるね〜』
もう、神楽の事についてはツッコまないでおこう・・・。
神「えー私の名はアントニオ神楽・・・」
何処かで聞いたことあるフレーズだな〜アントニオ○木ってか?
”1、2、3、ダーッ!!”?
いち、にーぃ、さんだーす?
『ケンタッキーの?』
銀「それはカーネル○ンダー」
『ポケモンの・・・』
銀「ソレはサンダー」
新「(・・・・・・が壊れてる」
Sに動きそうな一心を頑張って堪えてる状況であの言葉は大きかったか・・・。
新「なんだよそのナレーション、意味不明だよ」
雑用はナレーションにケチつけんな
新「誰が雑用だァ!!」
銀「…ヤバイよ俺しらない。俺しらないよ」
新「アンタのしつけが悪いからあんなんなるんでしょーが」
銀時と新八は誰にも気付かれないように会場から抜けようとしている。
それにすぐに気づいて後ろから追いかけた。
銀「子供の性格は三歳までに決まるらしーよ」
『あの子は良いコだった・・・・・・』
新「何神楽ちゃんを殺してんですかァ!!」
はぁ、とため息をついき
三人が観客席の隣の前を通りかかった時だ。
聞き覚えのある声が聞こえた。
「春菜ァァ!何の為に主婦やめたんだァ!!」
刺激が欲しかったんじゃないの!?と大声を出している。
声のする方を見てみると、見覚えの顔。
両手をメガホンにして観戦していた沖田総悟だった。
「……」
「……」
「……」
四人は何も言わずただただお互いの顔を見合っていた。
***
沖「いやー奇遇ですねィ」
”大江戸女傑選手権大会”と書かれた旗がぶら下がった鳥居に
寄りかかった沖田総悟はその前の石垣の階段に座る四人に話し掛けた。
妹であるは指を交差させて暇を弄んでいる。
沖「今日はと一緒でオフなんでやることもねーし。
と大好きな格闘技を見に行こうかな〜っと思ってたんですけどねィ」
四人に言っているようだが、多分私に言ってるな、これ。
「本人がいねーんで一人で見に来たんでさァ」
最後に付け足したこの言葉は明らかに私に言ってるよ。
え、怒ってんの?私が悪いの?
そりゃちょっとばかり作戦が食い違っちゃったけれど・・・
『・・・丁度すれ違いだったって・・・事だよね〜?』
少し控えめでそうにぃに問いかけると何とも奇妙な笑顔で笑い返された。
沖「俺ァとくに女子格闘技が好きでしてねィ。
女どもが醜い表情でつかみ合ってるトコなんて爆笑もんでさァ」
『だよね、うんうん。分かる。分かるよそうにぃ』
新「兄弟揃ってなんちゅーサディスティックな楽しみ方してんの!?」
頷きあっていると新八が突っ込んできた。
え、寂しいの?寂しかったの?
沖「それより旦那方、暇ならちょいとつき合いませんか?」
もっと面白ェ物が見れるトコがあると言うそうにぃ。
返事を聞かずに、階段を降り始めた。
一段一段ゆっくりと降りる姿はいかにも私達を誘っていて
銀「面白い見せ物?」
『・・・・・・。』
銀時は興味本意でついて行った。
私はそうにぃが何処へ連れて行こうとしているのかなんとなく分かった。
だからこそ、少し気が引けたのだけど。
沖田を先頭に五人は路地裏を通り、階段を下り、
到底住みやすいとは言えない場所を歩く。
道端にはホームレスのおっちゃんやら怪しい売人。
神楽は売人の売り物を好奇心で見て回るが新八に引っ張られている。
銀「オイオイどこだよココ?
悪の組織のアジトじゃねェのか?」
もう予想が確信に変わっていた。
そうにぃは銀時を此処に連れていく為に私を・・・。
沖「アジトじゃねェよ、旦那。なァ。」
『・・・・・・此処は裏世界の住人達の社交場』
沖「表の連中は決して目にする事ができねェ見せ物が行われてんでさァ。
其処で今日はと一緒に見物に行こうと思ってねィ」
ある建物の階段の上り、光りの差し込む場所に出る。
其処へ出た瞬間、歓声に包み込まれた。
銀「こいつァ…」
銀時の目に入る異様な光景。
其処は大きな闘技場。
『煉獄関・・・』
私は一番後ろで口を開く。
沖「ここで行われているのは」
私に続いてそうにぃが話し出した。
闘技場では男と鬼の面を被った男がにらみ合っている。
二人は走り出し、刀を交え
沖「正真正銘の」
そうにぃの説明が耳に入ってくると同時に歓声といろんな音。
目の前には男は血を噴水の如く噴出して倒れている姿。
沖「殺し合いでさァ」
闘技場では司会の人間が勝者を発表している。
その光景を目の当たりにして口があんぐりと開いたままの神楽と新八。
沖「侍は稼ぎ口を探すのも容易じゃねェ。
命知らずの浪人どもが金欲しさに斬り合いを演じるわけでさァ」
銀「趣味の良い見せ物だなオイ・・・」
怒ったような目でそうにぃを見る銀時。
気持ちも分かるよ。
分かるけど・・・
銀「・・・その様子じゃも知ってたんだな」
同じように怒った目が私の目を捉えた。
『・・・・・・まあね。情報は随分前から知ってる。』
神「寝れなくなったらどーするつもりだコノヤロー!」
そうにぃの胸倉に掴みかかった神楽。
神楽も銀時とは違った意味で怒っている。
新「明らかに違法じゃないですか。
沖田さんアンタそれでも役人ですか?」
怪訝な目でそうにぃと私を見る新八。
仕方ないじゃないか。
何も知らないくせに。
『・・・・・・役人だから手が出せない』
「!?」
呟く程の小さな声で私は言葉を発した。
その言葉を聴いて驚く銀時と新八。
沖「残念ながら人間の欲ってのは権力の大きさに比例するもんでさァ」
驚く二人に説明を付け足すそうにぃ。
銀「幕府も絡んでるっていうのかよ」
沖「組織ってのは面倒でいけねェ。自由なアンタがうらやましーや。」
銀時の目を見るそうにぃ。
銀時はそうにぃの言いたい事が分かったのかやる気の無い声で言う。
銀「俺ァてめーらのために働くなんざ御免だぜ。」
沖「おかしーなアンタは俺達と同種だと思ってやしたぜ。
こういうモンは虫唾が走るほど嫌いなタチだと・・・。」
いつもじゃ見られない、真剣な顔をしてそうにぃは言う。
私達沖田兄妹は昔からこいう不正が許せなかった。
人を殺して金を稼ごうなんて、もっと許せなかった。
沖「だから力になってくれそうな旦那に頼もうと、
理由は言わずににあの闘技場に連れてくるように頼みやした」
その理由が此処にくるためだなんて知らなかった。
ただそうにぃは銀時に話があると思ってた。
なるほどね。そういう事だったわけね。
『前々からこの件に関して色々調べてたけど・・・
此処まで・・・酷いなんて。そろそろケリつけないといけないかもね』
沖「アレを見て下せェ。」
闘技場を示すそうにぃ。
闘技場でただ一人立っている男を見て、再び口を開いた。
煉獄関最強の闘士鬼道丸・・・。
何人もの挑戦者を金棒で潰してきた無敵の帝王。
沖「まずは奴をさぐりァ何か出てくるかもしれやせんぜ。」
銀「オイ!!」
そうにぃの言葉に、銀時は怒った。
銀「調べ物は情報屋のにやらせりゃいいだろーが。」
『私は此れでも真選組の一番隊副隊長なんでね・・・』
下手に動けないよ。
私だってこういう行動がお上にバレたら・・・真選組が潰されかねない。
『・・・まぁ手伝うけど、大きい行動はしないから。』
沖「心配いりませんよ。
こいつァ俺の個人的な頼みですから。
ここの所在は俺としか知らねーんでさァ。」
沖田は人差し指を立てて口元に寄せる。
沖「だからこのことは近藤さんや土方さんには内密に・・・。」
***
夕方。空が赤く染まり、子供達が家に帰る時間。
男二人が駕篭を運んでいた。
「えっさほいさ」
「えっさほいさ」
駕篭の中から聞こえる声に耳を傾けてみると
騒がしいいつもの三人の声が聞こえた。
新「あの人も真面目なトコあるんスね。
不正が許せないだなんて・・・報酬も期待できるかも。」
その言葉に間髪居れず反応する私。
『あ〜…報酬は期待しない方が……』
姉上に送ってるから・・・。
殆ど残ってないと思うんだけどな。
「俺が送るからお前は貧乏な万事屋にあげろィ」って言われたし。
それにしても・・・
銀時何だかんだ言ってやる気あんじゃん
神「私、アイツ嫌いヨ。
殺し絡みの仕事なんてあまりのらないアル」
かなり嫌そうな顔で言う神楽。
ならついてこなきゃいいのに・・・。
銀「のらねーならこの仕事おりた方が身の為だぜ。
それに・・・狭いから・・・。」
・・・一人用の駕篭の中には三人がギュウギュウ詰で乗っていた。
駕篭の後側に新八、前方に神楽。
そんでもって真ん中に銀時だ。
ちなみに私は上に乗っている。
銀時が胡座を掻いた上に神楽が乗っかっていて、新八は正座で。
私は上は上でも・・・・・・駕篭の上
神「私達四人で一人ヨ。
銀ちゃん左手、頭、新八左足、私白血球ネ」
銀時の問いに神楽が答える。
でもね、それちょっと違うと思うんだ。
銀「何だよ白血球って…一生身体揃わねーよ」
銀時も同じ事思ってたみたいだ。
はぁとという銀時のため息が下から聞こえた。
銀「てか大体なんでは駕篭の上?」
『そんなキツイとこに入ってられるか。私はここで十分』
結構バランス感覚いいんだよ、私。
それに此処って景色も見れるし。
風も気持ちがいいし、最高じゃん。
銀「何チンタラ走ってんだ標的見失ったらどーすんだ!!」
銀時が顔を出して前を走る男に話し掛けた。
「うるせーな一人用の駕篭に四人も乗せて早く走れるか」
銀時のその言葉に男も負けずと反抗する男。
ま、確かにそうなんですけどね。
銀「あん?俺達はな四人で一人なんだよ。
俺が体でが脳、神楽が白血球、新八は眼鏡」
新「眼鏡って何だよ!」
微妙だ。
はっきり言って、微妙だ。
どーゆーコメントしたらいいの?
ツッコミできないよ、こんなの。
銀「基本的には銀サンだ。お前らは吸収される形になる」
神「嫌アル!左半分は神楽にしてヨ!」
神楽も神楽だよ・・・
ん?
ため息をついて前を見ると視界に入った光景に集中する。
『しっ!』
ゴスッという音がして、駕篭に何かが刺さる。
ま、もちろん。
駕篭の中に刀を突き刺し中の三人の話を止めたのは私ですが、何か?
銀「ぎゃぁああっ!!
・・・あ…危ねェ…」
銀時の頭から3cm程離れた処に刺さっていた。
それに気づかない私はやはり目の前に集中していた。
新「どーしたんですか?」
私の行動に疑問を感じた新八が私に問う。
『止まった・・・』
鬼道丸が前の駕篭の中から出てきた。
銀時もその事に気づいたのか、顔を出した。
銀「行くぞ後を追うぞ!」
だが、銀時が出ようとした時に一斉に皆が出てきたため・・・
銀「いだだだだ踏んでる!」
銀時の頭を踏み潰すと新八。
そして地面に押し付ける神楽。
銀「オイ踏んでるつってんだよ!
誰だコノヤロー!!ハゲる!絶対ハゲる!」
三人が降りた後、最後に降りた銀時。
そのまま追いかけようとした時に駕篭の男達に呼び止められた。
「オイちょっと待て代金!!」
あ、忘れてた。
あ、金も忘れた。
銀「つけとけ!」
「つけるって何処に!?」
そりゃ知りたいわな、何処に?って。
私がやられたら絶対ぶん殴ってるよ。
銀「お前の思い出に!」
「はぁ!?」
あ、絶対私やられたら斬ってるよ、これ。
絶対怒るよ、これ。
『貴方の懐かしい頭につけといて!
”嗚呼、昔はふんわりストレート…”的な思い出に!』
「これはわざとだコノヤロー!!
丁髷にはこーゆーヘアスタイルなんだよ!」
『・・・それなら、
”ハァ…これじゃぁ丁髷にしないと薄くなった事隠せないなぁ・・・。
悲しいけどこの髪にもサヨナラを…”的な思い出に』
私は逃げ去りながらもしっかりと言った。
後ろから怒ってる声が追いかけてきたけど、無視無視。
鬼が入っていった所に入っていくと、其処は廃寺だった。
「ギャアアアアァァ」
建物の中から悲鳴のような声が聞こえる。
新「ねェ・・・今なんか悲鳴みたいなのが・・・
・・・アレ??」
隣にいたはずのに聞いてみたが、いない。
回りを見渡してもの姿は無い。
銀「・・・お前らはここで待ってろ」
新「銀さん!!」
新八が止めようとしたが、
銀時は一人乗り込んで行った。
未だに悲鳴は聞こえている。
銀時は襖の下の影になっている所まで行くと
中からまた悲鳴のようなものが。
銀時は静かに襖を開けてみる。
銀「!?」
中を見て驚いた。
悲鳴?何処が?
「きゃっ」
「きゃっ」
たくさんの子供達が無邪気に遊んでいた。
銀「こいつァどーゆーことだ?」
銀時は四つん這いになって
右足を前に曲げた状態でその光景に見とれていた。
あの鬼の入ったところに子供?
わけわかんねぇ・・・
銀時は思考回路がぐちゃぐちゃになって
後ろから近づく黒い影に気づかなかった。
「どろぼォォォ!!」
ズドンッ
銀「うぎゃぁぁあああああああ!!」
響き渡る銀時の悲鳴。
そして焦って駆け寄ってきた新八と神楽は銀時のその様子を見て唖然。
銀時はケツを押さえて転げまわっていた。
***
「申し訳ない。これはすまぬことを致した。」
銀時が収まってから、四人は男の家に上がった。
家と言っても、汚い空き家の様な場所だったけれど。
外では子供達が無邪気に遊んでいて、
私達は出されたお茶を啜りながら目の前に座る男を見ている。
銀「バカヤロー人間にある穴は全て急所・・・
・・・アレッ?ヤベッ!ケツ真っ二つに割れてんじゃん!!」
尻を未だに押さえ続けている銀時。
私はその横でずっと様子を観察している。
『大体人間にある穴って・・・毛穴も穴・・・。
・・・アレっ?ヤバイって!銀時ケツ二つ!?ヤベェじゃん!!!』
新「銀さん、落ち着いてください。元からです。
・・・アレ?・・・・・・なんでいんの?ねぇいつからいんの?」
新八は素早くツッコミを入れた後、疑問に気づく。
先程まで私は皆のところにいなかったのだから。
でもあえて答えは言わない。
『君の思い出と言える時からだよ』
ふっ・・・と両手を広げて方の高さまで上げる。
その姿を見て新八は訝しい顔をした。
新「意味わかんねーよ!てか時間帯わかんないからね!
例え0.000001秒前でも思い出になるからね!」
『お〜新八良い事言うね〜』
頑張ったね。
0以下の数字なんて、0.01秒まで十分だって。
うん、頑張った!!
グッジョブと親指を立てて新八に微笑む私。
新「ゴメン…僕疲れた」
肩を撫で下ろしてため息をつく新八。
その横では銀時が未だにケツを摩っていて
前では男が私達を見ていた。
新「和尚さんこの辺りで恐ろしい鬼の仮面をかぶった男を見ませんでしたか?」
新八がよそよそしく男に聞く。
そうだ、私達は鬼を探していたんだった。
「ではあなた方は鬼を退治しに来た桃太郎というわけですかな。」
笑った姿に何故か奇妙さを覚えた。
少し寒気もした。
・・・何で?
銀「三下の鬼なんざ興味ねーよ。
狙いは大将首、立派な宝でももってるなら話は別だがな」
銀時はいっつもそれなんだよな〜・・・と思いながら
私も話の中に入ってみる。
『今時の三下は意外ともってるもんよ。
昨日FF○やったんだけどさ〜お金やらアイテムやらガッポガッポ』
銀「何!?それ最新のじゃん!俺もやってねーのよ?何処で手に入れた!?」
食いついた銀時ににやりと笑ってやった。
『裏ルートで・・・。(笑)
・・・ちなみにピーを押してピーしてピーをピーするとピーってなるんだよお得じゃね?』
の言葉にモザイクがかかった。
ちょ、隠すなよ。
新「アンタ犯罪じゃないスか!!」
銀「オイ聞きそびれた!
もう一回・・・ってこんな事してる場合じゃねェ!で?どーなんだオイ」
怒鳴る新八に興味津々の銀時。
先程まで聞きたかった事を思い出した銀時は男に聞く。
そして四人は一斉に男の方を向いた。
「宝ですか・・・しいて言うならあの子達でしょうか」
声のする方はやっぱり目の前なんだけど、、
でも目の前にはには鬼の仮面を被った男がいて・・・。
「・・・・・・」
一瞬無言だった。
固まった。
時間が止まった。
静まり返った室内に、、誰かの心臓が早まっていく音が聞こえる。
銀「うぉわァァァァァァァ!!」
ガタガタと震え、後ずさりする銀時。
その横で私は静かにお茶を啜っていた。
道「焦り過ぎでしょう。
女性陣はなんともないようですが。」
『だって・・・知ってたから。』
にっこり笑ってもう一度お茶を啜る。
ん、結構美味いね、これ。
「どーゆーつもりですか?闘技場から私をつけてきたでしょう」
目の瞳孔が少し開いた。
怪しい者でもないですが・・・というかそっちの方が怪しいんだけどね。
『わ〜知ってたのに何も知らないフリしてやがった〜
憎いねアンタも・・・・・・ん?カンチョウも知ってて態と?』
新「え!?え!?ホントにじゃ、和尚さんが!?」
「私が煉獄関の闘士鬼道丸こと・・・道信と申します。」
銀新「・・・・・・」
『………やっぱり…な』
万事屋メンバーの声が消えた。
私の声だけが閑散とした空気の中伝う。
神楽は今、何やってんだろう?
ふと神楽を探してみたけれど、視界に入らなかった。
***
銀「オイオイいいのかよ」
神楽は子供たちとお手玉し
は子供たちと追いかけっこをし
新八と銀時は道信と話をしている。
銀「どこの馬の骨ともしれん奴に茶なんか出して・・・
鬼退治に来た桃太郎かもしれねーぜ。」
道「あなたもいいのですか?血生臭い鬼と茶なんぞ飲んで」
道信の言葉に答える銀時の声が聞こえた。
子供達を追いかけながら、銀時達の会話に耳を傾ける。
銀「こんなたくさんの子供たちに囲まれてる奴が鬼だなんて思えねーよ。」
『ふ…あはは…』
は子供たちと遊びながらいきなり笑い出した。
思わず噴出してしまった私をおかしな人を見るような目で見る子供達。
「お姉ちゃん…どーかした?」
『んにゃ・・・ただ…変わってないな〜ってさ』
「?…何が?」
はその問いに少し笑って
『まだ青いガキにはわかんなくていーの』
と子供の頭をがしがしとかき乱した。
銀「…そんなもんだけでやっていけるほど子を育てるってのはヤワじゃねーよ」
銀時の言葉が心を擽る。
本当に変わってないと思う。
銀時は、昔から何か凄いものを持ってた。
銀時のところへ眼鏡を取られた新八と取った子供が走ってきた。
「先生コレ!どう似合う?ねェきいてる?」
新八が返せクソガキと叫んでいたが、子供の耳には届いていない。
子供は道信が俯いたままだったので心配になっていた。
「オイお前!先生いじめたら許さねーぞ」
銀時に向かって怒る。
新八は眼鏡を取り返してかけていた。
銀「そいつァすまなかった。コイツァ詫びだ」
子供を預けて立ち上がる銀時。
そして自分の名前と万事屋の住所電話番号の記された名刺を
懐から取り出すとその子の額に貼り付けた。
銀「オイ帰るぞ」
遠くの方で未だに遊んでいる神楽を呼んで帰りかける。
新八もその後について出て行った。
その後ろ姿を見届けて、道信さんに声をかける。
『何かあったらウチにおいで…サービスすっから…じゃ』
最後になった私は走って銀時の元へ戻ると、
そのまま銀時達に寄って行くところがあると言って別れた。
一人暗い路地裏に入っていく。
いかにも表の人間は来ないような場所だ。
『そうに〜〜』
兄の名前を呼びながらどんどん奥に入っていく。
ちょっと先の方に少し広くなった場所がある。
沖「おっ…じゃねェかィ何してんでェ?」
沖田は倒れた男達の束の上に胡座を掻いていた。
『ちょいとお兄様の状況把握に・・・』
沖「ふ〜ん」
にやっと笑ってみせると、つまらなさそうにそうにぃは言った。
どうやら何も情報が手に入ってないらしい。
自分の思い通りにならないとき、そういう時にそうにぃはこういう態度になる。
『それだけの人数倒したのに、敵さんも尻尾出さないんだ』
沖「ザコをやったところで何も出てこねーや
・・・しかしちっと暴れすぎたかな」
周りを見渡して言うそうにぃ。
ちょっと気づくの遅いんじゃないですかね
『ちっとじゃないと思いますけど』
そう言って沖田の前に座った。
何かを感じる。そう思った時黒い影が遠くの方に見えた。
気づくのが遅かったみたいだ。
「オフの日まで仕事とは御苦労だな」
沖「『げっ』」
こういう時兄妹ってハモるんだよな。
嫌な顔もばっちり揃ってしまった。
土「お前らがそんなに働き者だとは知らなかったよ…」
コンクリートの前に寄りかかり
煙草をくわえた土方十四郎登場
NEXT
〜後書き〜
遅れてスンマセン
遅いのにギャグがない…管理人テスト期間なもので…スンマセン
まぁ気軽に待っていてくださいな