ベルトコンベアには気を付けろ



ある暑い日の夜

真選組の屯所では怪談で盛り上がっていた



「あれは今日みたいに蚊がたくさん飛んでる暑い夜だったねェ・・・。」


懐中電灯を顔にしたから当てながら
ゆっくり、
人が怖がる様な速度で話すオジサン
アレ、名前なんだっけ?
仲間なのに名前忘れちゃったよ
てかベタだよ、
このオジサンベタすぎるよ!!



私は名前を必死に思い出そうとする中
話を続ける男は
どんどん話を展開させる

私が他の事に集中しようとしても無駄だった




「もう夜中だよ。そんな時間にさァ寺子屋の窓から赤い着物の女がこっち見てんの

”何やってんの、こんな時間に”と聞いたら」


・・・
け・・・結末はどうなるの!?
ハッピーエンドで終わるよね?
終わるんだよね?
そうなんだよね?
そうだと言って!!


「そしたらその女、ニヤッと笑ってさ。」

『ごくっ・・・。』


唾を飲み込む

他の隊士達も皆唾を飲み込んだ


「マヨネーズが足りないんだけどォォ!」



おそろしい顔した怪獣の顔が襖の隙間から覗いていた


「「ぎゃふァァァァァァ!!」」

『ぎゃぁぁああああああ!!!!!』



とく見たらそれは土方さんで・・・
マヨネーズが沢山乗ったや・・・焼きそば?を持っていた


ひ・・・土方すぁん・・・
ちょっ・・・内臓飛び出るトコだったぞ




は実は怖いのが苦手だったりするのだ




まだ心臓がバクバク言ってる・・・

このぉ…土方のヤロー…後で覚えとけよ




「なんてことするんですかっ大切なオチをォォ!!」

土「しるかァマヨネーズが切れたんだよ!
買っとけって言っただろ焼きそば台無しだろーがァ!!」


いやいや、こっちが知るかだよ
マヨネーズの方が問題無いよ



「なんだよそれ、もはや焼きそばじゃねーよ黄色い奴だよ!!」


『黄色い奴・・・・・・。』


確かに
コレ何?
と聞かれても
黄色い奴だよ。としか言えない・・・。




「アレ、局長?」

ゴリラ?

「大変だァ!!局長がマヨネーズで気絶したぞ」


口から泡を噴いて倒れていた

『痙攣?』

電撃ビビビって感じ?





土「どいつもこいつも階段なんぞにはまりやがって。」

くだらねぇと言って、土方さんは部屋を後にした




沖「なぁ、
今からちょっと来なせェ。」

『?』



部屋の外からそうにぃに呼ばれ、
外に出てみると

何がしたかったか分かった


準備満タン

きっちりセッティングされていた呪いの儀式の為の道具達
そして木に止められた土方さんの写真


『あぁ・・・なるほど。』




沖「ホラ、コレ着なせェ。」

そう言って白い服を渡すそうにぃ
そうにぃの格好も同じ様な物だった


頭には何本かのロウソク


『ねぇ、火だるまにならない?』

沖「大丈夫でィ。ホラ。」



私は素直に従い
同じ格好をして釘を掴んだ



私が支度をし終えると
そうにぃが早速言葉を発した




土方〜〜

お前頼むから死んでくれよぉ〜〜

マジで死ねよ〜〜



コレ、呪いと言うか・・・
ただの愚痴?みたいな・・・。


とにかくコレで死んだら凄ェよ。



パンッ

勢いよく襖が開く音がした


ビクッ


あ・・・張本人出てきちゃった。。。




土方の目の前には変な格好した沖田兄妹






土「・・・何してんだてめ〜ら。」


ごもっともな質問で・・・。


「『ジョ…ジョギング?』」



誤魔化しの決死の嘘がハモる

流石兄妹だなァ、と少し納得

でも、少し冷や汗をかいていた



土「ウソつくんじゃねェ!!」

あ、やっぱりバレました?


土「そんな格好で走ったら頭火だるまになるわ!!」



そうですね、確かにそうですね
よくよく考えたらそうだわ








土「儀式だろ?俺を抹殺する儀式をひらいてたんだろ?」

『自意識過剰な人だ』

沖「そんなんじゃノイローゼになりますぜ」

土「もうなってるわァ!!・・・・・・!!」




土方は見た

沖田兄妹の頭上を越えた屋根の上に


人影が





沖「どうしたんだィ土方さん?」

じっと一点を見つめる土方さんに
そうにぃは問う


土「今、あそこに何か見えなかったか・・・?」


沖田兄妹の後ろの屋根にいたんだ
見えるはずがない


見間違えか。と部屋に戻ろうとするが

「ぎゃああああ」

何処からか悲鳴が聞こえ、それを阻止した



『悲鳴!?』






第二十三訓 ベルトコンベアには気を付けろ





土「ひでーなオイこれで何人目だ?」


翌日の朝
私達は倒れた人が全員寝ている場所を見回る


昨日の夜、急いで声の聞こえた場所へ向かうと
隊士が数名倒れていた


それっきりではなく

その夜は連続で何件かその様な事が起き、

今此処では十八人の隊士が寝込んでいる




『男がこんなにもよ〜だらしねェ〜。』


流石にここまでくると薄気味ワリー、と土方さんは隊士を見ながら呟く


土「冗談じゃねーぞ。」


天下の真選組が幽霊なんぞにやられたなんて・・・


土「情けねェ。」




近「トシ…俺は違うぞ。<マヨネーズにやられた!」

「「『余計言えるか!!』」」




三人同時にツッコみ、近藤さんが黙ると
そうにぃが隊士の布団の傍に足を付いて口を開いた

沖「みんなうわ言のように赤い着物を着た女と言ってまさァ。」

稲山さんが話してた階段のアレかな?とそうにぃ


あ、そうだ!!
稲山さんだ!!



『幽霊苦手・・・マジでダメ 
幽霊なんかに会ったその時は・・・多分気絶して昇天するよ。』


沖「は昔からそーゆーのダメだもんなァ。」


土「幽霊なんざいてたまるか。」




土方さん・・・
様子が変だ

もの凄く汗かいてる。
実は・・・怖いの苦手なのかもv


「局長!」


私が土方さんを観察していると
密偵の山崎がやってきた


近「山崎ご苦労!」

山「街で探してきました、拝み屋です。」


拝み屋と紹介された三人組

一人はミイラの様に体中包帯で巻かれていて
一人はチャイナの格好をしている
もう一人は・・・よく分からない格好だった



どうも怪しい


「どうも」



ぎ・・・銀時・・・。
この声、この雰囲気銀時だ。

何してんだアイツ・・・



近藤さんは霊を払ってもらおうと思って呼んだらしいが
私は銀時達にお払いができるとは到底思えなかった


土「オイオイ冗談だろ、こんな胡散臭い連中・・・。」

あ、土方さんもそう思いますか。


「あらっお兄さん背中に・・・。」

銀時はわざとらしく神楽の耳元で何かを言う


「ププッありゃもうダメだな。」

土「なにコイツら、斬ってイイ?斬ってイイ?

二回目の”斬っていい?”は凄く憎しみが篭っていた


『あ〜・・・別に斬ってもいんじゃないですか?必要ないし。』


だが近藤さんは信じきっている様だ

銀時の事を先生と呼び、なんとかならないか相談している


近「怖くて一人で厠にも行けんのですよ。」

『それってすっごく恥ずかしくないですか?』


大人として
真選組の局長としてそれはいいんですか?




そんな近藤さんに、中国人の格好をした神楽が言う

「任せるネ。ゴリラ」

なんとも心強い言葉だったが、
近藤さんは不満らしい


近「今ゴリラって言った?ゴリラって言ったよね。」

どーでもいいじゃん、ゴリラなんて
ゴリラ言うぐらいでそんなに反応してたら
元も公も無いよ、ゴリラ。









しばらくして
万事屋三人組は屯所を見渡して帰ってきた


「相当強力な霊の波動を感じますなゴリラ」

近「あ、今確実にゴリラって言ったよね。」

『黙れ失せろゴリラ。』


近藤さんは手に顔を埋めてしくしくと泣き出した


「こりゃ料金も相当高くなるゴリよ。」

土「なんか口癖みたいになってるぞ。」

沖「して霊はいかようなものゴリか?」

近「うつった!!」



だからさ、もうゴリラとかゴリとかどーでもいいじゃん


『さっさと消えろよゴリラ。
お前がいなかったら元々こんなややこしくねーんだよ。』

土「オイ、お前キャラ変わってんぞ。」



近「で・・・霊はどの様な物なんでしょうか?」
中「えーと・・・工場長。」

神楽が言った瞬間に、神楽の頭に銀時の手が降ってきた


「ベルトコンベアにはさまって死んだ工場長の霊です。」

『ベルトコンベアとか関係無くない?
なんでベルトコンベアにはさまって死んだ奴が此処にいんの?』


私が聞いた事はスルーされ、
近藤さんは、女の霊なんです、と弁解した


「ベルトコンベアにはさまって死んだ工場長に似てるって言われて死んだ女の霊です。」

『長いよ!工場長のくだりいるかァァ!?』


私がこの際正体バラしてやろうか!!と思ったが

銀時がまた口を開いたので留まった


「お前山崎とか言ったか・・・?
お前の体に霊を降ろして除霊するから。」


ザキは気が引けず、拒む

山「除霊ってどーやるんですか?」

お前ごとしばく

山「それって犯罪ぃぃいいい!!


ぐはっ」


ザキの訴えは虚しく
腹に神楽の拳が食い込んだ


ザキ〜さよ〜なら〜ジミ〜


神楽が山崎にボディーブローを入れたのだった



「入りました。霊入りましたよ〜。」

『霊っつーかボディーブローが入ったように見えたんすけど。』


気のせいですよ、と新八が言う

きっとこいつ等私にバレてないと思ってるな




神楽は私が入ったと言い、
間違えて工場長の台詞を言ってしまった

「アレ?なんだっけ?」

「バカ、ベルトコンベアにはさまって死んだ女だよ。」

「ベルトコンベアにはさまれる女なんているわけないだろ!!」


いつの間にか口論が始まっている万事屋集団

そろそろ気付こうよ真選組の諸君




「もういいから普通の女やれや!」

だが、神楽は無理と言う


「普通に生きるっていうのが一番難しいの!」


誰もリアリティなんて求めてねーんだよ!と怒鳴る銀時

それがきっかけとなり
万事屋集団は掴み合い、喧嘩を始めた




すると、神楽の帽子が落ちた




「あ」




じっと万事屋三人を見つめる真選組四名+気絶者一命
ゆっくりと立ち上がり、
呆然と立っている三人に近寄った



***

  

辺りに蝉が飛び交い
泣き声が少し煩いくらいの中

万事屋三人は木に宙吊り




新八は悪気も仕事もなかったと、悲しそうに言う


『そっかそっか〜それは災難だったねェ。真選組に捕まったのが運の尽きだね。』



昔から霊とか見えるから、それを人の役に立てたくて、と嘘を言う銀時


銀「あっ、君の後ろにメチャクチャ怒ってるババアが見えるね。」

そうにぃに向かって銀時は言う

だが、そんなんで負けるようなそうにぃじゃない


沖「マジですかィ?きっと駄菓子屋のババアだ。
アイスの当たりくじ何回も偽造してだましたから怒ってんだどーしよう・・・。」

全然困ってない様子だった

『ヤベェ・・・私も何回もやったんだよね〜
死神が来たわ〜お迎えが来たわ〜。
きっとその駄菓子屋のババアが向かえに来たんだ。』


無表情でジュースを飲みながら言っている沖田兄妹・・・


銀「俺達を解放し水を与えてやれば全部水に流すってよ。」

沖「じゃあコレ鼻から飲んでくだせェ。」



そうにぃは飲んでいたジュースを傾け、
銀時の鼻の穴に流し込んだ

『あ、面白そう。』

私もジュースを流し込む

『そうにぃのはオレンジジュース、私のは銀時の取っておいた苺牛乳。
案外混ぜるとおいしいかもよ〜。』


銀「いだだだだだだ!何コイツら!!スッゲェS!!
でもなんか懐かしい感覚!昔プールで溺れた時の感覚!」




銀時が馬鹿やってる隣では
神楽が少し辛そうにしていた


頭がバーンって爆発しそうなんだと。


銀「オーイいたいけな少女が頭爆発するってよォ!」


この漫画おわるぞ、と銀時が脅すが


沖「次回から”真選組血風帳”スタート!みんな絶対見てくれよな。」

レッツカメラ目線

『キャスト・・・・・・主人公 沖田総悟、ヒロイン 沖田その他諸々。』

新「あ、コレ僕ら殺されますね。」




助けてェ!!と叫ぶ万事屋
それを遠目で見ていた近藤さんと土方さん

近「トシ、そろそろ降ろしてやれよ。
いい加減にしないと総悟とがSに目覚めるぞ。」

土「二人はサディスティック星からやってきた王子と姫だぞ。
・・・・・・もう手遅れだ。とっくに目覚めてる。」






***



流石にかわいそうと思えてきて

万事屋メンバーを放してやる事にした



まず神楽の縄を解く 

気持ち悪い、と下を向いて庭の上に寝転がった





そして次に銀時と新八。


私は刀を抜いて二人の縄を一気に斬る!

そう・・・斬ったのだ




二人は・・・そう・・・
落下


大きな音を立てて落ちていった


『ちゅっどーん。』





倒れている三人を見下ろし
ニヤりと笑う


数分後、元気に戻った三人は立ち上がる


土「本来ならてめーら叩き斬ってやるとこだが
生憎てめーらみてーのに関わってる程俺達も暇じゃねーんだ。」


消えろ。と土方さん
赤い着物の女で大変なんだよね、こっちはさ。



銀「幽霊怖くてもう何も手につかねーってか?」



銀時もでしょうが・・・

昔夜トイレに連れて行ってやった記憶があるぞ




神「トイレ一緒についてってあげようか?」


神楽が土方さんに対して馬鹿にした様に笑う

すると反応したのは土方さんではなく
その横の・・・


「トイレの前までお願いします。」


ゴリラだった
もう近藤さんとか局長とか面倒くさい

もうゴリラでいいじゃん
こんな奴、ゴリラでいいじゃん



近「さっきから我慢してたんだ。」

神「ホラ逝く行くヨ。」



神楽・・・隠してるけど
私にはしっかりと聞こえてたよ
行くよが逝くよになってたよ!!


土方さんが、アンタの人生それでいいのか!!とトイレへと去るゴリラに向かって叫んでいた


『土方さん・・・。』

土「ぁあ?」

『もう遅いよ。』



はぁ・・・とため息を付く私の隣で

土方さんも深いため息をついた





『まさか幽霊騒ぎで如きでここまで乱れちゃうなんて・・・。』

土「相手に実体が無しときちゃあこっちもどう出ればいいのか。」



二人で真剣に悩んでいると
馬鹿にした様な顔した銀時が寄ってきた


銀「幽霊信じてるの?
痛い痛い痛い痛い、痛いよ〜お母さ〜ん。」

ここに頭怪我した人がいるよ〜!と片腕を抑えて痛がるマネをする銀時



痛い痛い痛い痛いよ〜お父さ〜ん
此処に頭汚した人がいるよ〜



土「お前いつか殺してやるからな。」

沖「まさか土方さんも見たんですかィ?」


赤い着物の女・・・。見たんですか、土方さん?


土「人間じゃねェ妙なモンの気配は感じた。」



土方さんがそう言った瞬間・・・。


銀沖「『痛い痛い痛い痛い痛いよ〜お父さーん!』」」


三人の声がハモった


沖「絆創膏もってきてェェ!!」


できるだけ大きな人一人包み込めるくらいの!


『早く処理しないと危ないよ〜。』



土「おめーら打ち合わせでもしたのか!!」



いや〜
こーゆー時って同感したくなるよね〜



土方さんが怒鳴っている間

新八が何かを思い込む様な表情になる


『新八、どうしたの?』


新「・・・確かそんな怪談ありましたね。」

「!」


新八の発言に皆が反応する



新「僕が通ってた寺子屋で一時そんな怪談が流行ったんですよ。」


新「えーとなんだっけな。」




その時

神「こぼすんじゃないヨ」
近「待っててよ 頼むから待っててよ」


『私のトコでもあったな〜・・・
夕暮れ時に授業終った生徒が寺子屋で遊んでいると・・・』


新「も知ってるんだね」

『…うん』


新「もう誰もいないはずの校舎に…」

「『赤い着物きた女がいるんだって』」

新「それで何してんだって聞くとね…」






「ぎゃあああああああああああああ!!!」


近藤さんッ!?

今の近藤さんの悲鳴だよね?



土方さんとそうにぃを見ると

無言で頷いて走りだした







神「ゴリラー
チャックに皮はさめたか!?」



俺達が到着すると
神楽はドアをノックしていた


銀「神楽、どーした!?」

神「チャックに皮がはさまったアル」

「あ!!」



土「どけ!!」




土方さんはドアを蹴り飛ばした






「「……」」


銀「何でそーなるの?」


其処には便器の中に頭から突っ込んで逆立ちしていた近藤の姿があった





近「う…あ…あ。
赤い着物の女が・・・来る・・・。」


うなされている近藤さんのまわりにはも含めて5人


沖「近藤さ〜ん。しっかりしてくだせェ。」

『近藤さ〜ん』



そんなマジでいんの?


てかさ…魘されるなんて…ゴリラだな(意味わかんねーよ)






沖「いい年こいてみっともないですぜ寝言なんざ」


そうそう



銀「…コレはアレだ。
昔泣かした女の幻覚でも見たんだろ」

土「近藤さんは女に泣かされても泣かしたことはねェ」


銀「じゃあアレだ。オメーが昔泣かした女が嫌がらせしにきたんだ」


『あ…ありえる〜』







ゴキゴキ


近「フググ」



銀時と土方が話している間

近藤さんの首を締めて鳴らすそうにぃ…



土「そんなタチの悪い女を相手にした覚えはねェ」


銀「じゃあ、何?」

土「しるか。この屋敷に得体のしれねーもんがいるのは確かだ。」





新「…やっぱり幽霊ですか」

銀「あ〜?」



鼻クソを穿りながら話す銀時


銀「俺ァ幽霊なんて非科学的なモンは断固信じねェ。
ムー大陸はあると信じてるがな。」



銀時は鼻から手を抜き

その手で神楽の頭を撫でる


神「?」



否、”?”じゃないよ!!

汚ないっ!!汚いよ!!
その鼻クソ穿った手で頭触られたんだよォ!!

気付け神楽ァ!!



銀「つき合いきれねーや。帰るぞ」

新「・・・・・・何ですか、コレ?」



銀時は新八と神楽の手を握っていた



 
 
銀「てめーらが怖いだろーと思って気ィつかってやってんだろーが」

神「銀ちゃん手ェ汗ばんでて気持ち悪いアル」




「「「……」」」



「『<にやり>』」



そうにぃと私はにやりと笑いあった



「『あっ!!赤い着物の女!!』」



ガシャン


その瞬間銀時は押入れに飛び込んだ




新「…何やってんスか銀さん?」

銀「・・・ムー大陸の入り口が…。」





沖「旦那、アンタもしかして幽霊が…。

土方さんコイツは・・・アレ?」



隣にいると思っていた土方さんがいなかった



土方は床の間にある壷の中に入っていた



『お前もかィイイイイイ!!?』



沖「何をやってるんですかィ。」

土「・・・マヨネーズ王国の入り口が…。」


「「「『……』」」」




私達は一斉に後ろを向き、歩き出した


銀「待て待て待て!コイツはそうかもしれんが俺は違うぞ」

土「びびってんのはオメーだろ!
俺はお前ただ体内回帰願望があるだけだ!!」




体内回帰願望って何?

どーゆー願望だよ…



神「ムー大陸でもマヨネーズ王国でもどこでもいけよくソが。」



神楽はさげすんだ目をして二人を見据えた




神「ん?」


神楽は銀時と土方さんの向こうを見て固まる

神楽の後、新八、総悟と見て固まる


『・・・?』



私は銀時の方にいたから見えなかった

ゆっくり神楽の方に移動する




銀「驚かせようとしたってムダだぜ。」

同じ手は食うかよ。と言う銀時


「・・・しつけーぞ。」




私はゆっくり振り向く

ソレを見た瞬間固まった





こ・・・こんにちわぁ・・・


『きゃぁあああああああああああああ!!!』



思わず銀時に抱きついた


銀「うおッ!?」


何故か…何故かはわかんないけど銀時に抱きついた





新「ぎゃああああああ!!」

「「オッ…オイ!!」」


銀時と土方の声は三人には聞こえず
そのまま走って逃げていった



『え!?ちょっ…そうにぃい!!待ってェ!!』



くそが…

妹を置き去りにしやがった…





銀「・・・・・・手の込んだ嫌がらせを。」


今だに私は腰が抜けて
銀時の傍から離れなれなかった


そうにぃを追いかけたかったが
目の前に見えるものに釘付けになる



「「ひっかかるかってんだよ」」



土方さんと銀時が同時に振り向く…

「「………」」

ソレを見た瞬間


私と同様、二人とも固まった



『……』


私・・・もう何もいえませんよ…


「「こっ……こんばんは〜」」







「「『ギャアアアア!!』」」







その頃そうにぃ達は・・・


新「ホントにいた!ホントにいた!」

神「銀ちゃああん!!」

沖「奴らのことは忘れろィ…もうダメだ。

・・・・・・ゲッ!!忘れたァ!!
どーしようっ!!後で怒鳴られるかも・・・。」




だが後ろで爆発音が聞こえる

其処から雄たけびを発しながら走ってくる銀時と土方さん




新「しょってる!?女しょってるよ、オイ!!
アレ?
はどーしたんだよォォオオオ!!!」


がいなかった


銀「?知らねーよ…はぐれちまった」







新「うわばばば!!こっち来るなァァ!!」



三人は二人から必死で逃げ
後ろで聞こえる二人の口論が段々遠くなって行く


屯所を走り回って倉庫の様なところに逃げ込んだ


「「ギャアアアアア」」

 

新「・・・今度こそやられた。」


二人の悲鳴を聞いて座り込んで頭を抱えながら呟く新八


沖「しめたぜ。これで副長の座は俺のもんだィ」

新「言ってる場合か!」



沖「しかし…何処行ったんだィ…。」








***









はぁ・・・

一人になっちゃった・・・





『そうに〜ぃ、銀時ぃ、土方さーん、神楽ぁ!!』


適当に名前を呼んでみるが、その応答が無い
ただ、呼んだ名前の中に新八の名前が無かった


「ぎゃああああああああああ!!!」


悲鳴!?

この声は新八!?



あ、新八忘れてた。



逃げて、武装してきたはいいけどどーするよ?




その時、私の周りを蚊が飛び回る


『あぁ・・・うぜェ・・・。』





「「うるせーって言ってんだよ プンプンよォォ!!」」


『ひっ!?』


あ・・・。

池と草の中から出てきたよ・・・。




『銀時…土方さん…』


何か口論が始まったので行くことにした





『オーイ!!銀時ィ!!土方さーん!!』



「「なんだ…か…」」



なんだとは何だよ…



怒ってやりたかったが
やはり周りを飛び交う蚊にイライラする



「「『なんだ、うるせーな!!』」」




・・・・・・


目の前には蚊ではなく・・・


先ほどの妖怪・・・。




で…出とゅぁああああ!!!



「「『……』」」



開いた口が塞がらないとはこうゆう事だろう…



  
土「あんなんありかととと飛んでんじゃねーか!」

銀「じょ…上等じゃねーか。お前は奴をひきつけろ。

俺はあの…アレするから。」


土「おいイイイ!!
アレするからって何だァァ!エスケープか!?」

銀「ちち違うってあの…バズーカで撃つ」

土「バズーカなんてどこにあんだよ」



『任せろ!!』

「「?」」




人間って凄いね

恐怖が限界に達すると

勇気が沸いてくるんだから



土「お前が何できるってんだ!!」


『バズーカで撃つ』

土「だから言ったろ!!バズーカなんてどこに…」





バゥウウウウン



「「……」」



は天人に向けてバズーカを撃った



「「何でもってんの?」」



『準備したから』



ムクッ



「「『ゲェェエ!!起き上がったァ!!』」」



銀「何で生きてるんだよォ!!」


『土方さんが総悟の撃ったバズーカで死なないようにコイツも死なない…か…
よしメモしよう”土方を撃つ時はいつもの倍の火薬”…と…』



土「メモしてる場合かァア!!」

銀「やっぱりさっきの作戦で行こう!!」


土「テメーだけ逃げようたってそうはいかねェ!」


ガッ



銀「オイオイ何してんだテメッ」




土方さんが銀時を掴んだ



そのまま蚊を巻き込んで


ガゴン


決めたァ!!




銀「ごぶェ!!」



”ごぶェ”って?



土「敵前逃亡は士道不覚悟だ。
もっぺん侍道をやりなおすんだな」



だが、銀時はゆらりと起き上がった


土「!!」



アレくらって気絶しないのは銀時ぐらいだろう…

いや…でも土方さんがバズーカで死なないように

皆スゲェよね〜



銀「何しやがんだテメェェェ!!」



銀時は気絶したアレを担ぎ上げ、

土方さん目掛けて投げた



ドゴッ


土「ぶを!!」



銀時って以外と力持ちだよね

そんなでっかいモン投げられるなんてェ〜




銀「俺に侍道を説くなんざ百年早いんだよ」




私は倒れたアレを見る

おかしい・・・



幽霊に実態は無いはず・・・。




銀「…アレ?」

『天人…?』







***





 
蚊「あの〜どうもすいませんでした〜」


蚊の天人の前には隊士達…


蚊「私地球でいういわゆる蚊みたいな天人で
最近会社の上司との間にできた子供を産むためにエネルギーが必要だったんです」




蚊「私強くなりたかったの」




近「スイマセンその顔の影強くするの止めてくれませんか」








その頃私たちは・・・・・・


銀「…ったく幽霊にしろ蚊にしろハタ迷惑だってぇの」

土「ハタ迷惑なのはテメーだ。消えろ」

銀「オメー俺の一撃が全てを解決したことを忘れたか?」

土「何言ってんだテメーの前に俺の一撃で全て決着ついてたんだよ。」

銀「びびりまくってたくせによく言うぜ。」


『テメーら二人ともびびってただろーが…』



土「アレはびっくりしてただけだ。
お前は明らかにびびってたけどな。」

銀「アレはお前企画にのってやっただけだ。
俺はこーゆーの好きだぜこれから毎日やろーか…。」


『はいはい…勝手にやったら?』







神「銀ちゃんそろそろ帰…」

突然襖が開き

中から神楽がやってきた





二人はそれにビビって

床下に潜り込んだ


神「何やってるアルか二人とも」


「「コンタクト落としちゃって」」



『バカだよあんた等…』




〜後書き〜

本当はこの話やめようかな〜って思ってたんですけど
書きました。
長編2で使われた奴を使って書いたので内容がほぼ一緒っス
気にしないでもらえると嬉しいな…無理か