脇だけ洗っときゃいいんだよ 脇だけ



第十五訓 脇だけ洗っときゃいいんだよ 脇だけ









土「あーあつい」


今は真夏の中
お偉いお姫様を探すのを我ら真選組は命じられた



土方さん暑い暑いと良い、
自動販売機のお茶を買う



土「なんでオレたちの制服ってこんなカッチリしてんだ?」


世の中の連中はどんどん薄着になってきてるってのに、と文句を言う土方コノヤロー


『あっのさァ〜暑い暑い言わんでくれん?
うざくてたまらん・・・こっちだって暑いっつーの!!』


と言うは超薄着

女モンの制服な上
冬服は長袖にスカートだが
夏服はノースリーブの下にシャツ一枚でスカート



『こっちは呼ばれたから来てやってんのにさぁ。』

土「おめェは涼しそうじゃねーかァ!!」

『わかってないなぁ多串君・・・
夏は薄着でも蒸し暑いんだよ。だぁからオメーは多串なんだよ』


焼けるしなァ、それにこの制服は私が決めたワケじゃないし。



土「俺は多串じゃねェ!!!
このクソ暑いのに人探したァよ」


 
 
『もうどーにでもしてくれって感じ?』


土「あぁ・・・。」


「そんなに暑いなら夏服つくってあげますぜ、土方さん。」


奴の声が聞こえたと思ったら
空から刀が振りかぶってきた



土「うおおおおおお!!」

『ぎゃああああああ!!』




私を殺す気かァァア!!
兄貴ぃぃぃいい!!




沖「あぶねーな、動かないでくだせェケガしやすぜ。
、大丈夫か?すまねェな土方なんかと一緒にいるとあぶねェぜ。」

『今の明らかにそうにぃのせいで死にそうだったんですけど。』




土「あぶねーのはテメーそのものだろーが、何しやがんだテメー!!」

すると土方さんとそうにぃはいつの間にか一方的な口論が始まった


制服ノースリーブにしてやろーと思ったのに、
明らかに腕ごともってく気だっただろ、とグダグダグダグダ




すると、そうにぃは
あ、そうそう。と思いついたように話し始めた


沖「実は今、俺とが提案した夏服を売り込み中でしてね。」

『あぁそういやぁ・・・。
土方さんもどーですか?ロッカーになれますぜィ(キラーン』


その夏服というのは、
普段の制服の腕がロッカーの様にギザギザと破れている服だった



土「誰が着るかァ明らかに悪ふざけが生み出した産物じゃねーか!!
も一緒に考えてんじゃねェ!!口調まで真似しやがって」


とことんムカつく奴だ、とあきれ果てていた






「おーうどうだ、調査の方は?」


『あ、近藤さん。』



後ろから近藤さんがやってきた
何しに来たんだこの人は。

一体その格好で何がしたいんだ?



土「・・・・・・・・・。」


沖田兄弟が生み出したロッカーな服を着ているゴリラ


『ププッ・・・・・・ゴリラがロッカー・・・。』

近「何笑ってんの?」


くくくくくっ
必死に腹で笑いを堪える


そして、『いえ何にも』っと急に顔を変え、さらっと言い切った


いきなり笑うのを止めた



土「・・・・・・・・・。


お姫さんが何を持って家でなんざしたんだか・・・。
人間立場が変わりゃ悩みも変わるってもんだ。」

  

土方さんにはお姫様の気持ちなんて分からないだろう

近藤さんも分かっていないようだ



お姫様の家出の理由が

1.最近お父さんの視線がいやらしい
2.お父さんが臭いとか


お前はそう思ってんのか

お前は将来そうなるつもりなのか?





まァ大抵は想像つくけどね
お姫様と同じ年頃の娘だから・・・

今思えば私はまだ16だったな・・・
なんでこんなおっさん臭いとこにいるんだろう





『近藤さん、私単独行動で行くから。』

近「え?」


近藤の返事を聞かないまま行ってしまった


だが、歩き始めて十字路に差し掛かった時
そうにぃの発言によって影から皆の会話を聞くことにした



沖「江戸の街全てを正攻法で探すなんぜ無理があるぜィ
ここは一つパーティでもひらいて姫さんをおびき出しやしょう!

ん〜いい考えだ」


自分で納得するそうにぃ

最近そうにぃの頭に不安を感じてきているのは気のせいだろうか?



土「なにが”ん〜いい考えだ”だ
そんな日本昔話みてーな罠にひっかかるのはお前だけだ」


沖「もかかりますぜィ。
多分万事屋の旦那もSの奴はみんな
それに大丈夫でさァ土方さん パーティはパーティでも
バーベキューパーティです」

土「何が大丈夫なんだ?お前が大丈夫か?」



私もそう思いますよ、土方さん。

もういいや、私もう行こう。







まずは、お姫様の行きそうなところ、
行きたそうなところ・・・っと


色々と当たってみる



「さァはったはった!丁か半か?」


声をした方を向くと、面の悪いおっちゃんが逆さにした器の中にサイコロを入れてふっていた


『なんだ?賭けか・・・。』


「半!!」
「俺も半」

神「丁!!」
そ「じゃあ私も丁で」



すると、見覚えのある顔を見つけた。


『アレ神楽じゃん!!隣にいるのは・・・姫様!?』


 

面の悪いおっちゃんは器を開け「ピンゾロの丁!!」と叫んだ


周りは、また負けた、とか、家帰れないとか言っていた




そして、当たって喜んでいた神楽の所へ向かう


『神楽!!』

神「!?!!」



呼ぶと、神楽は駆け寄ってきた


神「こんなとこで何してるネ!!」

『それはこっちの台詞。私仕事中』

そ「貴方は・・・真選組の方ですか?」

『そよ姫。そうですけど・・・
姫の気持ちはちゃんとわかってます。』



私も一応年頃の女の子ですから、とニッと笑うと言葉を続ける


『だから・・・今日だけ見逃します。一緒に遊びましょうw』


姫は吃驚した様だった

だが、すぐに戻り、笑顔でこう答えた


そ「はいw」

神「そよちゃん、コチラいうアル。いい奴ネ!!」


『さてとw何から行きますか?そよちゃんw』


(”そよちゃん”・・・
私の事を普通の友達として接してくれるのですね)
そ「どこでもw」


神「駄菓子屋行くネ!!」

『お!?いいねェw』


私達はたくさん遊びまくった
パチンコ行ったり
河童釣ったり
面子したり
プリクラ撮ったり・・・


そ「スゴイですね〜
女王サンやサンは私より若いのに色んなこと知ってるんですね」

「『まーね』」


神「あとは一杯ひっかけて”らぶほてる”になだれこむのが今時の”やんぐ”ヨ
まァ全部銀ちゃんにきいた話だけど」


『あはは〜神楽ちゃん、そんなのそよちゃんに教えちゃダメだよ〜あはは〜。』


銀時の奴・・・神楽になんちゅーもんを吹き込んでんだよ・・・
帰ったら締めてやる(黒笑)


神「そんな事言ったって、もそうなんでしょ?」

『違うわァ!!
どうしてそーゆー発想を・・・。』

神「銀ちゃんがもそうだって。」



殺すぞ銀時ッ!!



そ「女王さんはいいですね、自由で。」


私城からほとんど出たことがないから
友達もいないし外のことも何にもわからない



姫様の望みは自由に生きたいという事だった



そ「いつのまにか城から逃げ出していました。」

『・・・・・・。』


そ「でも最初から一日だけって決めていた
私がいなくなったら色んな人に迷惑がかかるもの・・・。」


「その通りですよ。さァ帰りましょう」


目の前には奇妙な程礼儀正しい土方さんが立っていた





ゲッ・・・

土方だ・・・

帰ったら覚えてろって顔してる



そよ姫はスッと立ち上がる

『!?』



だが、それを神楽が止めた

土「何してんだテメー」


神楽はニタッと笑い口に加えていた団子の串を吹き付ける

土「!!」


流石の瞬発力で、土方さんは串を払いのける


が、土方が神楽の飛ばした団子の串に気を取られてるうちに二人は逃げた



土「オイッ待てっ!!
何してたんだよ!!確保!!」


一斉に隊士達が神楽たちを追いかける




神「ぬァアアア!!どくアルぅぅ!!」

「!!」


すると神楽はパトカーのボンネットを踏み台にし宙にあがった



「姫をかかえて屋根に飛び上がりやがったぞ!!」

「何者だアイツぅ!!」




その光景を少し離れた所から見ていた近藤さんとそうにぃ



近「・・・ありゃ万事屋のトコのチャイナ娘じゃないのか?」

沖「さァ」

そっけない返事の裏では、そうにぃがバズーカを構えていた



近「待てっ姫に当たったらどーするつもりだァ!!」

沖「俺は昔スナイパーというアダ名で呼ばれていた


らいいのにな〜」

近「オイぃぃぃぃ!!ただの願望じゃねーか!!」

沖「夢を掴んだ奴より夢を追ってる奴の方が時に力を発揮するもんでさァ」


近藤さん、そうにぃにツッコまない方が身のためですよ



土「チャイナ娘、出て来い!!
そのお方はこの国の大切なお人だ。
これ以上俺達の邪魔をするならお前もしょっぴくぞ」


土方さんは、屋根の上に隠れた神楽達に向かって叫ぶ



『チッ。』


少し離れた所から助走して思いっきり土を蹴る

は何も使わずに屋根の上に飛び乗った



「「「!?」」」

すげぇ!!何も使わず飛びやがった」


誰かがそう言ったのが聞こえた

今はそーゆー場合?



『そよちゃん。』

目の前で座っているそよ姫に話しかける

無理やりつれていくのは気が引けた



そ「さん・・・女王さん。もういいです私帰ります。」

神「なんで?自由になりたくないアルか?」

そ「自由にはなりたいけど・・・これ以上女王さんやさんに迷惑は・・・。」


かけたくないって?


神「迷惑違うヨ。約束したアル」


今日一日友達だって


『友達助けるのに理由はいらない。それが江戸っ子の心意気なんだよ』

神「まだまだ一杯楽しいこと教えてあげるヨ」





そ「そう。私達友達です。でもだからこそ迷惑かけたくないんです。
さんは私をすぐ連れてこられたのに私のこと思って・・・多分怒られてしまう。
ホントにありがとうございました。たった一日だったけれど普通の女の子になれたみたいでとても楽しかった。


それじゃ行きましょう、さん。」



神楽に背を向け歩き出すそよ姫

そんなそよ姫に神楽は叫んだ



神「待つネ!ズルイヨ!自分から約束しといて勝手に破るアルか!」


神楽の言葉に、
そよ姫はそっと振り返った


そ「そーです私ズルイんです。
だから最後にもういっこズルさせてください。


一日なんて言ったけど
ずっと友達でいてね。」




そういうそよ姫の目には
涙が溜まっていた


私の先を歩くそよ姫

私はそよ姫の後を急いでついていった





下では姫をどうやって下ろすか悩んでいる

何せものすごい高さだ

それをは一ジャンプで上ったのだった






『そよちゃん、いえ、そよ姫。
しっかりと捕まってください。』


ニッコリと笑って抱き寄せる

私はそよ姫をその名のとおりお姫様抱っこした




今度は軽く助走を付け、


飛び降りた





「「!!!?」」




きれいに着地w

隊士たちは呆気にとられていた



そよ姫は「ありがとう」とだけいって去っていった



だが、私から離れていく様に
くちぱくで”また、いつか遊びましょう。”と言っていた



もちろん、今度は向かえに行きますよ。

そよちゃん






数日後、銀時と新八はニュースを見てた

ニュースにはそよ姫が映っていた



”今空前のブームをおこす酢昆布の陰には
将軍様の妹君、そよ姫が深く関わっています”




新「酢昆布好きのお姫様ですって」

銀「バカ、ありゃ庶民派のイメージ出して親近感もたれよーとしてんだって。」



見ろ、本物の酢昆布娘を。と寝てる神楽を指差す


銀「寝顔からビンボ臭さが流れ出てるだろこれが本物って奴だよ」



”かぶき町の女王と姫と王子様”


神楽の傘の柄に貼ってあるプリクラには
左から神楽、そよちゃん、私が写っていた







『ただいまァ』


私はあの事件から一度も万事屋に帰っていなかった

なんやかんやで忙しく

土方さんには怒られるわで、真選組に泊まっていたのだ



銀「おっ!おかえりィ」

『ぎ〜ん〜と〜き〜(黒笑)』

銀「え?何?」








「うぎゃぁぁぁああああああああああ」




その夜銀時の悲鳴が鳴り響いたとか




〜後書き〜


十五話終わりです!!これからもがんばるぞォ!!