疲れた時は酸っぱいものを
第十一訓 全国のコギャルども 門限は守れ
豪勢で立派なお屋敷の庭で流れる水の音が聞こえる中
銀時はぼーっとしてビチャビチャとお茶を零した
新「しっかりしてくださいよ。
だからあんま飲むなっていったんスよ
は今真選組だし・・・
まァあとから来るって言ってたけど…」
今日は珍しく依頼があった
人探しらしい
この屋敷を見る限り、良いとこのお嬢さんらしい
依頼者は娘の写真を
綺麗な娘だから、と渡しやがった
よほど親バカなんだな
綺麗な娘って・・・ハムじゃねェか
不味そうなハムが丸焼きされてて、
皿でまるで高級品にしたてあげてる様なモンだろが
俺、二日酔いなのよ・・・。
屋敷を出て、新八がに電話すると言っていた
あぁ、俺はどっちかってェとを探してェよ
チャララ〜♪
携帯の着信音が鳴った
『ん?電話?こんの忙しいときに…』
土「オイ静かにしろ。書類整理に集中できねェだろうが」
目の前で書類整理をしていた土方ことマヨラーが文句を言ってきた
土「普通逆だろ、マヨラーこと土方だろ」
『うっさいわカスが。
ん?新八?もしかしてもう片付いちゃったとか?』
土方さんの視線が痛かったが
それを無視して電話に出た
『もしも〜し?新八?どした?』
”?娘探しの以来だって!!
それで思い当たるところに行くから仕事終わったらココに来て!!”
”住所は……”
『わかった!!もう終わったからすぐ行くよ!!』
電話を切ると
土方さんが間髪入れずに話し掛けてきた
土「おい!まだ終わってないだろ!!どこ行く気だ!!」
『ん?万事屋の仕事wじゃーな多串!』
土「多串じゃねェ!!」
は土方の言葉を無視し出て行った
それにしても…行き辛いな…
我ながら酔うとあんな事言っちゃうんだなァ
もう飲まないどこ!
一応仕事だから
新八に言われた通りの場所に向かう
『ここか』
中に入ってみると
酒やらシャブやら、色々な匂いがした
なんか…怪しい雰囲気
絶対ヤバイとこだな
まずは新八達を・・・
『!?』
目線の先には
銃口を向けられた神楽・・・
クロロフィルムでも嗅がされたんだろう
あっけなく神楽は白い布を口に押さえつけられ…倒れた
新「神楽ちゃん!!」
『神楽!!』
私が叫ぶと
新八も私に気がついた
新「!?」
足に力を入れて走る
『こんのォ!!神楽と新八を離せ!!』
は刀に手を添え
二刀とも抜く
「なんだ!お前もコイツらの仲間か!!
野郎ども!!やっちまえ!!」
オラァア、と襲い掛かってくる敵共
だが私は二つの刀で二人同時に叩っ斬る
私に向かってきた男はカウンターの方まで飛ばされた
やはり黒蝶は強い
切りかかってきた奴らはあっという間に倒された
「くそっ!!打てェ!!」
銃口を向けられ
同時に何発か撃たれる
体を捻り、すんなり避け
やはり全てを避けきるのは難しく、刀を使って受けた
スピードは落とさず、
斬りかかる
「何者だ!コイツ!!チッ仕方ねェ
おい女!!コイツを見ろ!!」
神楽に銃口が向けられた
『神楽!!』
新「神楽ちゃん!!」
神楽に注意が注がれ
後ろに気づかなかった
いきなり自由が利かなくなった
後ろから捕まれたのだ
そして薬であろうものをかがされた
『くっ・・・』
フラフラする・・・
くそ…前が見えない
同じもの3つ見える…
だが神楽に向けられた銃口だけははっきり見えた
『かっ…神楽!!』
神楽に向けてる銃の引き金に入れてる力が強くなった気がした
そしてそのまま弾が放たれた
銃声は店内に響き渡る事なかかった
辺りはやけに煩かったからだ
神楽に向かって放たれた銃弾の音すら
誰も聞こえなかった
そして、
神楽に当たることもなかった
決して弾が出なかったわけではなかった
『っ・・・・・・。』
私の腹からポタッポタッと血が滴る
そして激痛が走った
こんな痛ェの久しぶり・・・。
新「!!!」
そう…撃たれたのは
神楽を庇ったのだ
「流石だな。見えねーのに急所ははずしたか
だが横っ腹に当たった…お前は動けまい!
俺たちの勝ちだ」
もう一発
今度は私自身に銃口が向けられた
やはり腹を撃たれてはすぐに動けない
撃たれッ…
銃口は下に下がった
撃たれたのは足
多分逃げられないようにしたのだろう
「とどめだ。とどめは飛び道具なんかよりも、
自分の手足で差した方が気分がいいだろう」
蹲っている私に近付いてくる敵
私の胸倉を掴む
『ぐっ・・・・・・』
は壁に叩き付けられた
頭から大量の出血
新…ぱ…ち…
に…げろ…
新「!!!」
途切れ途切れの意識の中、
最後に新八の声を聞いて
の意識は途切れた
その頃銀時は
トイレの前で大勢の敵に囲まれていた
銀「オイオイ、みんなで仲良く連れションですか…
便器足んねーよ・・・」
「ちゃっちゃと歩かんかィ!!」
敵の壁の向こう側の声に耳を傾ける
銀「!?」
其処にはフラフラと敵に捕まり歩いている神楽と新八
銀「新八!!神楽!!何…オイ!どーしたんだ!!」
「俺さっきはどうしようかと思ったよ・・・
あの娘・・・めっちゃ強かったなァ」
新八の後ろにいた男が銀時に気がついた
銀「あの娘!?の事か!?
てめーらァァ!!何しやがった!!はどーした!!」
「??あぁあの女の事か…死んだよ」
その男はにやりと笑った
銀「な…に?」
「ガキを庇った所為でな
死んだ奴を連れて行くほど、柔じゃないんでね。」
銀「あのが!?」
「お前 目障りだよ…」
銀「!」
銀時は目の前にいた敵に刀を突きつけられ
大きな音と共に窓を突き破り
下へと落ちていった
銀「…」
***
『く・・・』
は目覚めた
『はっ!新八!神楽!!
くっ』
いきなり立ち上がったもんだから、
全身に激痛が走った
くそ・・・頭と腹がクソ痛ェ
痛ェもんじゃねぇ・・・
足も痛ェし・・・
でも
銀時を探さないと…
どこに行った?
アイツの事だ…絶対生きてる
そんで生きてる私も変だろう
思うように利かない足を動かして
は店を出た
が通る後は鶏のヒナのように
血が辿っていた
この辺に一般人はいない
助かったな・・・。
こんな姿見られちゃどんな思いされるか・・・
頭から、腹から、足から血ぃ出てんだもんなァ
何処行けばいい?
病院に行ってる暇ないし・・・
『まず…ヅラのとこか?』
必死に動かしていた足を止めた
目の前には銀時をおぶるヅラの部下
『オイ!!』
「あ!アンタァ さん!」
『それ銀時だよね?ついでに私もヅラのとこ案内してくんない?』
いいですけど・・・、
「大丈夫ですか?」
『ん?私?やばいかもw』
「いや笑い事じゃないスよ」
『ホント大丈夫だってwホント・・・に・・・』
次の瞬間にはは倒れてた
「さん!」
大量に出血していたからだろう
今まで持っていたのが不思議なくらいだ
二人はヅラのところに連れて行かれた
***
しばらくして、
暖かい布団の上目が覚めた
『新八!神楽!!』
がばっと起き上がる
先程よりはあまり痛くなかった
でも、学習能力ないかも・・・
「気がついたようだな」
『ヅラッ!!』
目の前には私を見下ろすヅラがいた
心配しているような・・・辛い目だった
桂「どうしたんだいったい!二人ともそんな体で
特に!お前は重症だぞ!」
『大丈夫だって!!説明すると長いけど…』
私は事件を全て話した
話すと少しスッキリした感じがしたが
まだムカムカが残ってる
桂「なるほどな…春雨が…
お前はしばらく寝ておけ!」
『はいはい!わかりました!』
私はそう言うと、数秒後に寝た
桂「余程疲れていたんだな・・・
傷が治るまで休んでいろ・・・と言いたいところだが
お前は聞かないだろう」
桂は部屋を出て
隣の部屋に向かった
そう、銀時の寝ている部屋だ
丁度その時、銀時が起きた
なんでここに、と銀時は混乱していたが
しっかりと説明してやった
桂「無理はせぬがいい
左腕は使えぬうえ肋骨も何本かいっているそうだ
むこうはもっと重症だ。
お前がかばったおかげで外傷はそうでもないが
麻薬にやられている」
銀「クソガキめ。やっぱやってやがったか
というかなんでお前に助けられてんだ?俺は
は?知らねーか!?」
生きててくれ…
桂「安心しろ」
銀「!?」
ヅラは俺を安心させる様に、
低く、優しい声をして言った
桂「ならここにいる」
隣の襖を開け、俺に寝ているを見せた
銀「・・・よかった」
心の其処から安心した
桂「話はに聞いた
言っておくが傷はお前より重症だ」
銀「!?」
桂「腹に一発、足に一発と銃弾を受け、頭部打撲出血・・・」
銀「何!?」
桂「話によると・・・チャイナ娘をかばったそうだ」
銀「ああ…そんなこと言ってたな
ところでアイツらは一体なんなんだ?」
桂「宇宙海賊”春雨”銀河系で最大の規模をほこる犯罪シンジケートだ!
貴様がそれほど追いつめられる位だ、よほど強敵らしい
オイきいているのか?」
銀時はヅラの話を鵜呑みにせず
立ち上がって
自分の着流しや木刀を掴み、外を見る
銀「仲間が拉致された ほっとくわけにはいかねェ」
桂「その体で勝てる相手と?」
銀「”人の一生は重き荷を負うて遠き道を往くが如し”
なかなかどーして年寄りの言うこたァバカにできねーな
荷物ってんじゃねーが、
誰でも両手に大事に抱えてるもんだ」
だが、かついでる時には気付かず、
その重さに気づくのは
全部手元からすべり落ちたときだ
銀「もうこんなもん持たねェと何度思ったか知れねェ なのに・・・」
戦争での自分を思い出す
辛い過去を・・・
失った仲間を・・・
銀「またいつの間にか背負い込んでんだ
いっそ捨てちまえば楽になれるだろうが
荷物がいねーと
歩いててもあんま面白くなくなっちまったからよォ」
そして歩き出そうとする銀時
桂「お前には池田屋での借りがあるからな、ゆくぞ」
銀「あ?」
ヅラの発言に足を止める
桂「片腕では荷物などもてまいよ。
今から俺がお前の左腕だ」
『それなら私は脳かな?』
「「!?」」
二人の後ろには意外と元気なが立っていた
『二人だけにかっこつけさせないよ!』
銀「…」
桂「無理をするな!お前は動けるような傷では…」
『目の前で神楽と新八がさらわれた・・・』
の急変した声のトーンに
二人は黙る
『だから私が落とし前つけるんだ』
にこりと笑うと
二人も仕方なしに笑った
銀「わかった…でも
無理すんな!」
にっ
『わかってる!』
春雨に乗り込みだ!
〜後書き〜
はい!今回シリアスです!さん、 神楽かばったァアア!!かっけェ!!
自分を犠牲に守ったでェ!なんかかっこいいから書きたかったんだよね。
今日はゲストはいません(今日やりすぎた…)次回をお楽しみに!!