決闘で大切なのは男の魂である
俺は今悪戦苦闘している。
ただし、心の中でだ。
というのはどのようにしてこの困難を乗り切るかの戦法だ。
第三十二訓 決闘で大切なのは男の魂である
『土方すゎ〜んたっけてぇ!!』
前回の話の続きで俺はカマとうぜぇゴリラが考えた”ポッキーラブラブゲーム”とやらをやらなければならなくなった。
土「お前自分でやってやろうじゃねぇの!つって意気込んでたじゃねぇか。あの勇ましさは何処へ消えた。」
『死神を当てちまったのさ。死神を。』
土「カッコつけてんじゃねぇ!!
なんだよさっきからその態度の変わり様は!」
『っしゃぁ!かかって来い!!』
土「無視してんじゃねぇ!つか、お前ホントムカつくっ!お前ホントムカつくっ!!」
近藤さんに位置に付けと言われたものの、
未だ土方さんと総悟のいる安全地帯に非難している。
沖「ホラ。早くちゅーして来い。」
『コレもともとちゅーするゲームじゃないからねっ!υ』
なんでよりによってカマなんだよ。
どうせならゴリラを抜いた男性人と・・・。
とブツブツ心の中で語ってみるが、ソレも儚い夢のまた夢・・・。
あ、俺今カッコいいこと言った!
銀「言ってねぇ。」
『え?何で心読んでんの?』
銀「お前昔っからだけど、心の中の声全部声に出てるから」
『ぎゃぉす!!そんな!
じゃ、今の君の恥ずかしコメンツが全て皆様の素晴らしいお耳の中にインプットされておらっしゃいましておろおろおろ!?』
銀「意味分かんねーよっ!!
つか、恥ずかしい言葉言ってたのかよυ」
新「さんが口に出してたのは”とブツブツ心の中で語ってみるが、ソレも儚い夢のまた夢・・・。
あ、俺今カッコいいこと言った!”ですよ。」
ソレって結構アホらしくないか?
いきなり”とブツブツ心の中で〜”なんていきなり口に出したら変人じゃないかっ!!
銀「お前はもともと変人だろうが。
つか、何でお前がこっちなんだっつーの。普通アッチだろ。」
と女性人を指す銀時。だが新8は一人首を傾げた。
新「え?何でさんは女性人なんです?」
あ、そっか。新八には言ってなかったのかもυ
銀「ばっかオメェ知らねーの?は女なんだぜ。」
新「え!?やっぱそうだったんですか!?」
え?ちょっ。やっぱって。
え?何?どゆこと?
すると新八は俺に近付き耳打ちした。
新「ホラ、寝言でしょっちゅう銀さんとか沖田さんとか好きだァ!とか叫んでましたけど・・・。」
『マジでかっ!?』
我ながらなんて恥ずかしい言葉を発していたんだ!
つかなんだ?俺が女じゃなかったらホモに見られてたかもしれねーじゃねぇかっ!
つか、俺ってどんだけ恥ずかしい奴なんだ!
何寝言で告ってんだ俺っ!
新「あ、安心してください。僕しか知りませんから。」
そっか、それなら良かった。と安心していると、
近藤さんが向かってきた。
近「、ホラ準備はできているんだ。早く来なさい。」
『ゴリラが俺に命令すんの?』
近「一応上司なんですけどυ」
『こんな上司嫌だ。』
と言いながらも俺は指定席に座った。
かま野郎VSなべ野郎
俺の戦いが始まる。
今目の前にはお髭チクチクモンダミン♪のカマ。
俺には逃げ場が無い。
ああ、誰か助けてくれ!
沖「オーイ!ちゅーだぞ、ちゅー!」
『うっせぇ黙れ馬鹿上司とぅー!!(two)』
土「なんか無駄に発音良いんですけど。」
銀「まさか練習したな。」
あ、バレたか。
とかどーでもいい!
近「はい。このポッキー口に加えて。」
『何で俺がっ!』
近「普通こーゆーのは男が最初に加えんの」
初めて知ったよ。
俺は嫌々ながらもできるだけ端を加えた。
反対側をカマが加える。
うげっ・・・。結構近いんですけどっ!鼻の穴の中のお鼻畑が見えるんですけど!!
色んな形の鼻(糞)が咲いてるんですけどっ!
近「よぉい、スタート!!」
合図と同時に凄い勢いで向かってくる。
怖ぇ。怖ぇよたっけてぇ!!
咄嗟に俺は足を出した。
そして向かってくるカマを蹴りつける
おぉっ!周りからの歓声と
土「何やってんだお前ェ!!」
という土方さんの声が聞こえた。
だがしぶとくやってくるカマ野郎。
『しつけーんだよ!死ねゴルァ!!』
手で体重を支え、両足で顔面を蹴り付けていく。
総悟が満面の笑みを浮かべているのが見える。
ほんと、Sだよな、アイツ。
俺死に物狂いだもんさ。
この調子で相手が口を離せ俺は勝てる!!
だが、俺は攻撃に夢中になり、口元に入れた力が緩んだ
『ゲ・・・。』
ポッキーが・・・ポッキーが俺の口から逃げたァ!!
近「カンカンカンッ!!勝者翠ィ!!」
あ、コイツ翠って言うんだ。
立ち上がって倒れている下を見下ろす。
銀「怖ぇ・・・。」
アイツ、今スッゲェSの顔してやがる。
俺はゆっくり総悟のところを向かうと、笑った。
総悟も笑い返す。お互いSの笑いを浮べて。
『旦那ァ俺ァ負けちまったよ。でも、精一杯頑張ったぜ。』
沖「よぉし、よく頑張った。お前は少し休め。」
『俺ァ疲れた。少し横にならせて貰うぜ。』
土「そりゃそんだけ蹴ってたらな。
相手はポッキー口に加えながらもう気絶してる。」
『なんて奴なんだ。最後まで隙を見せなかった!
俺はアンタを尊敬するよ。あばよ。あっちでは幸せな家庭を作ってくれ。』
土「お前何勝手に殺してんだァ!!」
結局はポッキーの戦いが終わるともう興味がねぇと言い出した。
『というわけで、帰るわ。』
近「ちょっと!君に居てもらえないと困るんだって!!」
『ゴリラに困られたってね〜。』
神「私が居ないと嫌ね。」
『よぉしちょっくらやったるか。』
せこいぜゴリラ。
神楽を使うだなんて。
愛しのマイハニーを使うだなんて!!
そんなの俺には不利じゃないかっ!!
くっそう。
近「嫌別に使ったワケじゃないんだけど・・・ま、いっか。」
『俺はもう此処にいたくない。神楽は俺と居たい。
じゃ、今から二人でどっか遠いところに行こうか』
近「良くねェ!!全然良くねぇよォオイィィ!!」
『チッ。糞ゴリラが。俺はゴーコンとか興味ねーんだ。じゃーな。』
俺が合コンして何の意味がある?
合コン・・・それは合同コンパの略で、異性の相手を探すために行うモノ。
俺が男として参加したって、何の利益がねーんだ。
『じゃ、そーゆー事で!』
俺は夜の繁華街を歩き、屯所へと向かった。
夜の繁華街にはカップルやホストホステスが歩いており、
俺はポツーんと一人身って言うのがちょっと気が引けたが、ま〜良しとしよう。うん。
俺は道のど真ん中を胸を張って歩いた。
誰かに監視されている事を知らず
少し離れた木の上からを見ている男。
肉眼でを見ている事からかなりのやり手だろう。
男は口角を曲げると呟いた。
・・・・・・。
ついに
見つけた。
***
『おっはよ〜ごぜぇま〜す!!』
沖「今日も朝から煩ぇ。」
耳を押さえて嫌がる総悟。
昨日皆よりも先に帰った俺。皆もすぐに帰り、万事屋軍団に後は任せた様だ。
あの二人、あれからどうなったんだろうなぁ。
そういえば最近総悟は静かになった。
俺は凄く元気だ。
・・・おかしいくらい。
近「オイ、いるかぁ?」
『へい、いますよ。』
廊下に突っ立ったままの俺達の所へ、近藤さんがやってきた。
土方さんも一緒らしい。
近「今日は幕府のお偉いさんと会うんだ。」
土「お前も呼ばれている。来い。」
という事だ。
誰だろな・・・。関係じゃないといいんだけどさ。
近「あ〜そうそう、悪いが今日は女装してくれ。」
『はいぃ!?な、何で!?』
近「それがな・・・接待なんだよ、今日は。」
『・・・それって、、お偉いさんが俺を呼んだんじゃなくて、
女が必要だから近藤さんが俺を呼んだって事ッスか?』
近「・・・バレた?」
『分かりやすいな。』
でも、久しぶりだよな、女の格好。
最後にしたのはアレだ。
え〜っと・・・丸子氏神社での薬の密売の潜入操作の時以来だ。
ちゃんと着れるかな?着物苦手なんだよね、俺。
一応頑張って着る。
何かと腹の辺とか胸の辺とか苦しい。
誰だよ今、お前胸あんの?つった奴!
一応俺だって少しは胸あるからなっ!!
しかし、、久しぶりに着てみるとやっぱり違和感があるなぁ
いっつも着流しばっかで緩いの着てたから苦しい。
てか何で俺が接待なんぞ・・・
アレだろ?男の相手をするんだろ?
んで、ケツとか触るんだろ、男は!
で、女がいやんとか言うんだろ!?男はそーゆープレイが好きなんだろ!?
悪いね、俺はそーゆー妄想で頭ん中いっぱいだっ!!
『ま、流石に幕府のお偉いさんじゃ、大丈夫だろうな。』
いや、待て。
幕府のお偉いさんだからこそ、職権乱用って奴で遊びまくるのかもしれないっ!!
お持ち帰り〜とかもあったりしてぇ!?
ヤバイ!!乙女の貞操を護らねば!!
沖「お〜い、準備できたかィ?」
『いやぁああ!!総悟の覗きィ!!』
沖「覗いてねーよ。大胆に開けてんだよ、こっちは。」
『じゃ、総悟のスケベェ!!』
沖「よし、お前今日から地獄へ行き来しろ。」
『それは何度も生き死の境を浮遊しろと言ってんのかぁっ!?』
沖「あ、にしては上出来な思考でィ。」
『じゃ、100点の回答は何だよ。』
沖「死ね。」
『単刀直入過ぎじゃねυ』
総悟はやっぱりいつもと変わんねーな。うん。
前言撤回。コイツはただのドSだ。
***
は〜・・・。俺は何でこんなところにいて、こんな恰好をして男なんぞに酒を酌んでんだよ。
「へぇ〜ちゃんって言うんだ〜。かわいいね〜」
俺が向かってみればお偉いさんがすっかり出来上がった頃だった。
ちょっと遅刻しちまったみてぇだな。
『でございます。』と正座をし、手を畳みについてお辞儀をした途端、
俺の手を取って顔を上げろと言ったオッサン。
正直言っていいですか?
俺、オッサンに手握られんの嫌いなんですけどっ!!
顔を上げたらオッサンが言ったのが最初の言葉だ。
ついでに近藤さんの方を向いてみると、まぁまぁと俺を宥めようとしていた。
真選組三人は飲んでねーのかな?と思ったが、そうでも無かった。
沖「ホラ、俺にも酒酌めぇ。」
18歳の総悟だけはお偉いさんと酔っていた。
土方さんよりも近藤さんよりも酒に強い総悟はお偉いさんにエラく気に入られたみたいだ。
俺の元いた世界じゃ18歳は飲酒厳禁だけど、この世界じゃ15歳からは飲んでいいんだよな・・・。
って事は一体いつから飲んでんだろう・・・。
ま、いっか。
俺はまずお偉いさんに近付いて酒を注ごうとしたときだった。
向かってくる無数の刃 と銃弾。
一度にこんなにも・・・。
狙われているのは・・・幕府のお偉いさんと・・・近藤さん!?
『危ない!!』
お偉いさんを押して避けさせる。自然と押し倒す形になったが、すぐに起き上がり念のために装備していた刀で銃弾を避ける。
刃・・・というか、コレはクナイだ。
クナイは近藤さんに向けられていたが、それは近藤さん自身と総悟が刀で弾いていた。
俺は走って追いかける。
勘で行くと100mくらい先の北北西60度。
あの位置からなら此処を狙うのは容易い。
もう一本刀を手にし、両手に刀を握る。
見えた。あそこに男がいる。
足に力をいれ、土を踏みつけると高く飛び、木の上を伝って屋根の上に上った。
刀を振り上げ、男に振り下ろすが、難なく避けられた。
無言の男。俺を一度見ると、口角を曲げた。
目がおぞましい。
死を恐れていない目だった。
そのまま一言も言わず俺から逃げる。
俺は必死に追いかけた。
その時、ある言葉が頭を過ぎった。
”一人の時は深追いするな”
土方さんの言葉だった。だが、今はそれを護っている場合じゃない。
数分後、屋根の上に登る男。登るとそのまま止まった。
俺も足を止める。
俺は息がかなり上がっていたのに、奴は澄ました顔をしていた。
そして、男は初めて言葉を口にする。
「お前がか。」
口角が上がっていた。探していたものを、追いかけていたものを捕まえた時の様に笑っていた。
『誰だ!?』
「ふふ・・・お前の両親の仇だ。」
『何!?』
コイツが・・・家を滅ぼした者!?
この男が・・・。父さん母さんを・・・。
そうか・・・此処まで俺を連れてきたのは
真選組の奴らに邪魔されないようにするためか・・・。
「お前も我らのところに来てもらう。」
一方的に話す男。俺に来いだと?
それは仲間になれと言う事か?
それは、共に幕府を滅ぼせという事か?
『は!?行くわけねーだろうが。』
嘲笑うかの様に言い張った。内心ビクビクしていた。
両親が勝てなかった奴に勝てるのだろうかと。
「ふんっ、そう言えるかな?」
男は懐に手をいれ、何かを取り出した。
そして、見せ付ける山崎退の身分証明書。
『ザキ!?』
「言っておくが、拾った。とかじゃねーぞ。」
それは分かる。
我ら真選組にとって身分証名称は落としてはいけない。
まず山崎なら落とさないだろう。
『クソっ!!』
「コイツは我らで捕獲し、辛うじて生かしている。
分かるよな?お前が断ったら・・・。」
山崎は死ぬ・・・。
俺はどうしたら・・・。
『・・・ッ。』
すると、聞き覚えのある声が後ろでした。
近「オイ、!!」
土「!!」
真選組の三人だった。
沖「・・・誰だソイツ?」
俺をすぐに追いかけてきた様だった。
刀を構える俺を見て目を見開く。
沖「敵か?」
総悟は鼻が利く。
すぐにこの空気を察したようだった。
でも・・・
『・・・悪いけど・・・・・・これでさよならみたいだ。』
土「は?」
何を言ってんだコイツ。って思ってるんだろうな、皆。
でも、俺は本気だ。
ザキを助ける。
俺のせいで仲間を傷つけたくない。
俺は両手に持っていた刀を一つに束ねると、総悟に向けて投げた。
沖「っ!?何だコレ!どういうつもりなんでィ!!」
俺は静かに言う。
『俺だと思って大切にしてくれや。じゃーな。元気で。』
もし、俺がよからぬ事をしてたら・・・否、せざるを得ないだろう。
その時は、絶対ぇ止めてくれよな。
さよなら、皆。
お前らだけは、真面目に生きていてくれよ。
せめて最後に言った冗談だけでもツッコんで欲しかった。
”バーカ。お前なんかと思っても大切にしねーよ”とか言って欲しかった。
今俺の背の向こうには、俺の言動に成す術も無くただ立ちすくむ三人がいた。
NEXT
〜後書き〜
今回短いです。はい。と〜っても短いです。
第一期最終回は次回かそのまた次回だと思います。多分。
すいませんね。ホントは合コンの話をもっと長くして、次回からこの話を作ろうと思ってたんですけど、、なんかネタが思いつかなくて・・・。
次回はシリアスです。最終回くらいはシリアスにしないとな〜と思いましてね。
では、次回もお楽しみに〜(は?
P.S 何回”回”を使ったんだろう?
答え:11回