自分が怖いと思った方が負けだ
第三十訓 自分が怖いと思った方が負けだ
『・・・高杉晋助っ!?』
高「よぉ、久しぶりだな。」
あ、また会っちゃったよ
何?この展開?
『は?ちょっ、待てよ。』
高「何で其処、キムタク風に言ったんだ?
ホラ、言ってみろ。」
ぎゅっと俺の顎を掴む高杉
『すいません、カッコつけました。』
だから離してください
あんた握力強すぎだから、顎割れそうだから!!
俺ケツ顎だけにはなりたくないですからっ!!
高「へぇ・・・お前・・・。」
『な、何だよ!?』
高杉が俺の顔を凝視し
そしてその目線をどんどん降ろしていく
気色悪いな
なんか見られてるのって気分悪ぃ
高「思ってたより意外とあるな。」
『は?』
その瞬間、ぞっと寒気がした
視線を下にすると
高杉の手が・・・
オンザマイバストォォオオ!!!
『何してんだァお前ぇぇぇええ!!』
高「何って胸触ってるんだよ。」
『当たり前みたいに言うなぁぁああ!!』
なんだ、コイツ!!
やっぱり何だ?
コイツはエロ杉なのか?
エロ杉決定なのか?
高「お前、名前は?」
『だから、のび太つって・・・。』
その瞬間
俺の前に刀を向けた
顔の前センチ程前に刀の先がある
高「名前はって聞いてんだろ?」
『あ〜え〜っと・・・あはは〜・・・・・・です』
高「ぁあ?聞こえねーよ。
俺ァお前に会う為に真選組に乗り込んでやったってぇのに。」
やっぱり放火したのはアンタでしたか
あ〜エラい事してくれちゃいましたね
あ、なるほど
『火事に気が行ってるうちに俺に会おうってか?』
高「ま、んな所だろ。名前言えよ。」
『・・・・・・ま、指名手配中の超重要人物が
俺みたいな奴に会う為に真選組に乗り込んできたんだ
教えてやるよ。』
高「お前なんか、スッゲェ態度でかくね?」
『いや〜気のせいじゃね?』
高「で?」
『へ?』
高「名前。」
『あ・・・。』
忘れてたのかよ・・・
コイツ、本当にバカだな
『・・・・・・。』
高「へぇ・・・・・・ねぇ。」
『ま、忘れる程度に覚えててよ。』
逆に覚えてられると厄介だから
高「ククッ・・・一生忘れねー様に覚えとく・・・。」
コイツ・・・楽しんでるな
俺の反応見て楽しんでやがるな
『で、何?
名前聞くだけで来たの?』
高「あ〜、そうそう。
この前はありがとよ。」
『このまうぇ?』
高「お前俺をバカにしてるのか?」
『いいえ、ホント、すんません。
滑舌悪いんです、俺。ホント。』
痛い痛い。。。
ちょっと顎割れてきてなーい?
再び強くつかまれた顎を抑えて
少し目が潤む
『この前って・・・あ、手当ての事?
いいって、そんなぁ
いっちょ裸体を写真撮らせてくれたら。』
高「お前一度死んでみねーか?」
『すんまっせぇぇええん!!
ちょっと腐った心が動いちゃったんですぅ!!』
高「・・・・・・ククッ・・・。
お前、やっぱ面白ェな。」
『へ?』
高「お前俺達と一緒に来ないか?」
・・・マジでかッ!?
来ちゃったよ!!
来ちゃったよベタフレーズ!!
よく夢小説に出てくるよ、このフレーズ!!
『悪いけど・・・。』
断ろうとした瞬間
炎が傍まで回った
『熱っ!?』
高「ちっ・・・やり過ぎたか・・・。」
その時
二人の男が来た
「、そっち大丈夫かィ!?」
「ったく、酷ぇな此処も。」
『!!総悟っ、土方さん!!』
高「ほぉ、お出ましか。」
土「お前は・・・高杉晋助!!」
沖「何で此処に・・・あ、お前が火を放ったのか。」
高「ああ。そうだ。」
土「・・・何のために?」
高「ちょっと探し物をな。
ま、もう済んだし、俺ァ帰るかな。」
そう言って屋根に飛び乗った高杉
『オイッ!!』
土「待て高杉!!」
沖「待ちやがれェ!!」
二人は高杉を追って行ってしまった
残された俺は、一人消火活動を行う事になってしまった
『はぁ・・・
ゴリラの糞がぁぁあああ!!』
仕方ない・・・
ゴリラのせいにしても何も始まらない(ホントにな)
何処から出したのか、め組のはっぴの袖に腕を通し
紐を結んだ
『さ、始めるぞォ!!』
走ってホースを取りに、戻る
すると、消火活動に手間取っていた隊士達が沢山いた
『大丈夫かぁ?』
「副隊長!!」
「なかなか火が消えなくて・・・。」
『うしっ!!
じゃ、俺の補佐頼むよ。
ホラ此処持って。逝くぞォォオオ!!』
「副隊長、漢字違います。。。」
『発射ァアアア!!』
俺の持った太いホースから水が大量に飛び出す
火は序所に消えていき、上から水蒸気が上がっている
俺は大量の汗を掻きながらも重たいホースを高く上げ
全体的に水をかける
「副隊長大変です!!」
『ん?どうした?』
「中に足を骨折した隊士が取り残されています!!」
『何!?』
足を骨折って・・・
一番隊の隊士じゃねぇか!!
俺は咄嗟に自分に水を被せた
「なっ、何やってるんですか!?」
『何って・・・
火の中に入るんだよ。』
「なっ、無謀です!!
め組に任せた方が・・・。」
『まだ来てないんだよ。
それじゃ間に合わないって。』
俺はそのまま火の中に入って行った
外からの俺を止める声がだんだん小さくなっていく
『熱ぃ・・・。』
中は凄く熱い空気が漂っていた
こりゃ呼吸すんのも困難だな
喉が熱い
多分、アイツがいるのは医務室だ
俺は燃えて何処が何処なのか分からない状態で医務室を探す
『原田ぁ!!』
奴の名前を呼んでみた
返事はあるか?
「・・・ふ・・・た・・・ぃちょ・・・。」
『原田!?』
声がした
意外と近い
俺は周りを見渡す
だが、何処にもいない
『何処だ!?』
ふと下を見る
其処には、瓦礫に埋もれてはさまれていた隊士がいた
『今助けるからな!!』
「ふ、たいちょ・・・俺、は・・・らだじゃ・・・ない・・・です。
・・・ゴホッゴホッ」
『悪い!!でも、もう喋るな。喉が焼ける。』
どうするか?
結構瓦礫は重いぞ?
そうだ!!
こんな時こそこての原理だ!!
「・・・てこの原理・・・ですよ・・・。」
こんな時こそボケないでください。と言う声は弱弱しく、とても小さかった
俺は適度に太い棒を、瓦礫に引っ掛け
そして大きめの瓦礫を支点にして思いっきり力を入れた
『ぅぐっ・・・。』
重い
そして熱ぃ・・・
なかなか動かない
「もう、いいです。一人で逃げてください。
俺のために副隊長まで・・・。」
『ばーか、死ぬ時は皆一緒だろが。
でも、俺は死なないけどな。俺ァ最後まで生きるんだ
一緒にな。』
にっと汗を掻きながら笑う
俺は全体重を掻けて力を入れた
その時、少し動いた気がした
『動いた!!』
だがそれからなかなか動かない
やはり、女一人の力じゃダメなのか?
「何やってんだよ、。」
『え・・・!?』
目の前にいたのは・・・
『銀時っ!?』
銀「よぉ、大丈夫かぁ?」
なんで!?
何で!?何で此処に!?
銀「それがよぉ、さっき沖田君から電話があってよぉ
”今屯所が燃えてて、俺は今戻れないんでさァ”って。」
俺の持っていた棒に手をかけ、
そして力を入れた
少しずつ、動いていく
銀「俺ァどーでもいいって思ったんだけどよぉ
が一人で消火活動してるって聞いたから手伝いに来てみたら・・・。」
凄い・・・
どんどん浮いていく
やはり、人間二人ってのは凄いや
しかも銀時は普通の男の人よりも力が強いから・・・
銀「は隊士助けに中に入ったって言うじゃねーか
なかなか戻ってこねーから、今度は銀さんがを助けにきたってワケよ。
うぐぐっ!!」
力一杯押し上げた
すると、
『浮いた!!』
完全に上がりきった時、急いで隊士を抜いた
足が瓦礫から離れると同時に、大きな音をたてて瓦礫は落ちた
『熱ぅ・・・。』
銀「銀さんはお助けヒーローだろ?」
『・・・はは。
サンキュ。
ゲホッ』
ヤバイ・・・
喉が・・・
銀「お前、この布口に当てておけ。」
『コレ・・・?』
しめった布・・・
銀時なりに考えてきたみたいだ
銀時も同じように口にあてて、それを結び
頭にくくりつけると
隊士を担ぎ上げた
銀「ホラ、行くぞ。」
『おう。』
先ほどよりは熱さが減ってきた炎の中を小走りで走る
消火活動は序所に進んでるみたいだ
だが
まだまだ熱い
足も上手く動かなくなってきた
銀「・・・、お前怒るなよ。」
『は?
!!』
次の瞬間、俺は殴られ、気を失った
次に目覚めた時は
『アレ?』
万事屋の布団の上
そして周りには・・・
沖「やっと気がつきやしたねィ、土方さん。」
土「ったく・・・迷惑かけてんじゃねーよ。」
真選組のいつもの三名がいた
近藤さんは目に涙を溜めていた
・・・・・・。
近藤さん・・・
そうだよなぁ、いっつもこの人は・・・。
俺が倒れると泣いてるし・・・
アレ?
何で俺・・・?
『俺どーして此処に・・・?』
まさか今までの事全部夢!?
なかなか俺が起きないから迎えに来たとか!?
沖「、お前が火の中から出てきた時な
旦那に担がれてたんでさァ。」
は?
わ、わんもあぷりーず?
『もうちょっと分かりやすい説明無いんですか?』
土「つまり、お前の足がガクガクなのを見て、奴は自分で運ぼうと思ったんだろう。
だが、お前は絶対抵抗すると思ったから、気絶させて担いで火の中から出てきたってワケだ。」
あ〜、な〜る。
よく見たら、俺の体の所々にシップやら包帯やら巻かれていた
近「無茶しやがって・・・。」
ぐしゃぐしゃと恒例行事の様に頭をくしゃっとする
『あはは・・・。』
火事をゴリラのせいにした事は
言わないでおこう。
『アレ?銀時は?』
沖「あぁ、旦那なら・・・。」
「俺がどうかした?」
総悟が説明しようとした時、銀時が部屋に入ってきた
奴はいつもの格好では無く普通の着流しを着、腕を組んでいた
『あ〜、銀時ぃ・・・よくも俺の大切なか弱い頭を・・・。』
起き上がり、腕を回して肩を鳴らした後、手の骨も鳴らす
銀「あ〜・・・いや、その・・・。」
銀時は俺から後ずさりをして離れていく
沖「確かにの頭は少なくツルツルした脳みそで
少しの衝撃を与えたら記憶全て消えちまうくらい、中身は空っぽだよなぁ。」
総悟がボソッと呟いたのを
は聞き落とさなかった
『オイ其処ォ!!聞こえてるぞォ!!
ソレは何だ?脳みそがか弱いって事かァ!?』
沖「え〜、まぁ。」
『死ね総悟ォ!!』
刀を近藤の腰から抜き、振り回す
近「まあまあ。暴れるなよ。
総悟は放っておいて万事屋の奴を始末してくれ。」
土「近藤さんっ!?キャラ変わってない!?」
近「だってぇ、コイツがいなければお妙さんも振り向いてくれるかなぁ〜って・・・。」
土「コイツ関係ねぇ!!
あの女はただ単にアンタが嫌いなだけだァ!!」
近「トシまでそう言う!?」
俺はそんな近藤さんと土方さんを放って銀時を追いかけた
銀「えっ、ちょっ、何で俺だけぇ!?」
『俺を殴ったから。
暴行はいかんよぉ、暴行は。』
銀時は俺から必死に逃げ、
ついには万事屋を飛び出してしまった
止めてぇ、と銀時は逃げる
待てぇ、と俺は追いかける
俺は、銀時に後ろから飛びつき、首に腕を回す
銀「ぐぇっ・・・苦しっ・・・。」
俺は腕に入れた力を強めた
『はっはっは〜、参ったかぁ。』
これでもかと、ギリギリまで占め続ける
銀「フッ・・・まだまだだっつーの。」
そう?
『じゃ、これならどうだぁ!!』
俺はもっと強く締めた
銀「ぐっ・・・お前手加減っつー言葉知らねーの?」
『オイオイ、何誤魔化してんの?』
右腕を離して刀に手を添える
銀「すいません。意地張っちゃいました。」
はっ、俺知らないね
俺には関係ないね
腕に入れた力を緩ませない
このままじゃ本当に窒息しちゃうんじゃないの?
銀時から苦しそうな唸り声が漏れる
『なぁ、銀時・・・。』
銀「あ?」
苦しいだろうに
銀時はいつもの様に応答した
俺は顔を銀時の首元に沈める
銀時のふさふさとした襟足が頬にあたってくすぐったい
そして呟くように小さく・・・
『あんがとな・・・。』
銀時の表情はよく見えなかったけど
一瞬少し驚いた様に声を漏らし
銀「どーってことねーよ。」
あはははっ
銀時はやっぱ良い奴だ
俺の気持ちは表情に出ていた
銀「何にやついてるんだよ。」
何で其処から俺の顔が見れるかな?
そんなに、銀時は俺の事良く分かってんの?
見ないでも、笑ってるって分かるの?
銀「頭、悪かったな。」
『ホントだよ。』
もう一度腕に力を入れて、離れた
『ぶぁーか。』
真横に立ち
顔を上げて言ってやった
その時、俺は笑っていたけど
銀時も笑っていた
銀「お前もな・・・・・・バカ。」
無茶すんなよ。
ごしごしっとの頭を掻き乱した
その時、俺は密かに思った
銀時とはもっと前から知り合いだったら良かったのに
銀時は、もう一人の兄貴の様に感じられた
〜後書き〜
え〜、今回めっちゃ短いです。
そしてギャグないです。いや〜なんか、ダメダメですね。
許してください。
あ〜、もっと文才が欲しい。