家が焼けたらまず逃げろ



第二十九訓 家が焼けたらまず逃げろ





『ただいま〜
が戻りましたよぉ。』



屯所まで走って戻ると
体が少し暖まった



近「あ〜、おかえり。遅かったな。」

沖「すいやせん。

・・・アレ?土方さんは?」



先に帰ったんだと思ったんだけどな



近「トシならとっくに帰ってきてるよ。
戻ってきた時、万事屋の服借りてたけどな。」


『あ・・・。』

沖「忘れてやした。」




手に持っていた紙袋の中に手を突っ込んで

黒い着流しを取り出す



沖「コレ、土方さんのでしたぜィ。」

やっちまったぜ。と言う総悟


『なぁ、その笑顔のせいで
俺はお前がわざとやった様にしか見えないんだがな。』



沖「気にしすぎですぜ。」




その時にニコっと笑った総悟が

いつにも増して怖かった




近「それにしても、総悟、
二人ともビショビショじゃないか!!

早く着替えて風呂に入って来なさい。」


「『・・・へーい。』」


そして部屋に着替えを取りに歩き始めた時


「『へ・・・へっくしゅんっ!!』」


同時にクシャミした


近「ハハハ!!二人とも似通ってんだな!」

「『ぅ〜・・・。コイツとなんか一緒にしないでください。(せぇ)』」



「・・・・・・。」
『・・・・・・。』


「『真似すんな。』」


「・・・・・・。」
『・・・・・・。』





沖「だから真似すんなって言ってんだろィ!」

『真似してんのはそっちだろォ?
なんだ?友達になりたいのか?友達になりたいのか?』




口喧嘩をしながら
二人は近藤のもとから離れていった



近「プッ・・・。

ま、頑張れよ、お前ら。」



一人残った近藤は

二人の行く先を見据えて

小さく呟いた






沖「だれがお前と友達になりたいと思うかよ。

お前は俺の下僕でィ。」


『下僕だとォ!?
でも前は家畜だとか言ってたぞォ!!
ちなみにえ〜っと・・・第<ピー>訓参照だァ!!』

沖「古ぃんだよっ!分からないんだったら最初から言うな!!
てか、お前家畜の方がいいのか。」


『嫌に決まってんだろォ!?

俺は女王様がいい。』

沖「ケッ・・・。無理だね。」

『んだとォ!!
お前もS星から来たとか言ってるワリには
其処までSじゃねーじゃねぇかぁっ!!

何処が王子だぁ!!
顔だけじゃんっ!』

沖「うっせぇ黙れ
なんなら今から俺の部屋来るかィ?
俺の本当のSMを見してやらぁ」

『ああ、見せてもらおうじゃねーの。』



「お前らどーゆー話してんだァ!!」



『あ・・・。』

沖「土方さんじゃねーですかィ。」



どーしたんですかィ?こんな時間に。と総悟が言う



土「お前らもこんな時間に廊下で騒いでんじゃねーよ

スゲェ煩い。
しかも内容は何だ?


もう少しで連載禁止だろォ!!」



その発言も問題だよ


『別にそんな問題発言してませんよ。

ねぇ?』


沖「え〜っと・・・俺達何言ってたっけな?
思い出せねーや。」


土「誰かこの馬鹿達のために上にスクロールしてもう一度話を教えてやってくれ。」


『土方さん何言ってるんですか?
ついにボケましたか?
良かったな、総悟。
コレで副長の座は手に入ったぞ。』

沖「ありがとーでさァ。」

土「誰がボケたんだ、誰が!!」

「『んだよ、いい加減ボケろよ、そして早く成仏しろよ。』」


土「聞こえてんだよォ!!
何ハモって俺に対して暴言吐いてんだよ

勝手に殺すな。」



『ぇえ〜、死んでなかったんですかぁ?』

土「なぁ、斬ってもいいか?」

『今朝と同じ質問するんですか?
俺ァ同じ様に答えますよ。

斬っちゃだめです。』


土「じゃ、俺も同じように答える
マジでお前ムカつくんですけど。」


『それは光栄ですね。』








『てか、もう行ってもいいですか?
もう風邪引きそうなんですよねぇ・・・。』


沖「あ、忘れてた。
じゃ、、俺先に入ってくるから。」


ふっふっふ

そっちの方が好都合


ぃひひっ(壊


総悟のスベスベボディをカメラに収めて・・・


沖「言っとくけど・・・・・・



覗くなよ。」



・・・・・・

チッ


『誰が覗きますかぁ〜
あ、覗いて欲しいの?実は覗いて欲しいの?』


土「なぁ、今の間は何だ?
一瞬止まったのは何だ?
お前覗く気だったんだな?」


『ケッ・・・そうですよ。思ってましたよ』


土「何威張ってんだよ。」

『威張ってんじゃないです。
・・・・・・・・・です。』

土「つまり、自分でも何が言いたいのか分からないんだな。」


『・・・・・・。
あ、減らず口をたたいただけです。』


土「今思い出すな、今。」


沖「じゃ、俺ァもう行きやすから。」



そう言って総悟も出て行った

『じゃ、俺は着替えよ。

じゃ、土方さん。』



土方さんに別れを告げ

自室へと戻った






『ぅ〜びしょびしょ・・・。
体にベットリ張り付いて気持ち悪っ!!』


早く脱ぎたいってのに

土方さんに捕まるんだもんなぁ



ま、叫んでた俺と総悟が悪いんだけどもっ

俺は脱いでから大変な事に気が付いた



『ゲ・・・。
・・・着替えが無い・・・。』



そう、箪笥の引き出しを出しても

服が無い・・・



あるのは


『女モンの着物・・・ってか浴衣・・・。』



え?
コレを着ろって?

いや〜
でも流石に久しぶりに着るのはなぁ・・・


でも・・・

『くしゅんっ・・・。』


このまま裸でいるのはもっとダメだ

仕方無しに袖に手を通す




その時・・・


〜!!」


いきなり部屋の襖が開いた

襖を開けた者と目が合う



山「隊長がお風呂上がった・・・・・・って・・・。」

『・・・・・・ぎゃぁぁあああ!!』


ザキだ・・・。



咄嗟に体を隠す

だが、もう遅かった



山「ごっ、ゴメンっ!!」


ザキは一言言うと、襖を閉じた



み、見られたッ!!

乙女の体をっ!!



ま、斜め後ろからだったから
全体は見てないと思うけど・・・。


でも、言い方を帰れば・・・

少し見られた!!



俺の体を男に曝け出してしまうなんてぇっ!!




ぅっ寒っ!!

まだ着てないの忘れてた・・・。



浴衣の袖に完全に腕を通し

帯を巻く




ワックスはさっきの雨で流れてしまったらしく

髪はだらんとしていた



『はぁ・・・。』


なんか、これからどうやってザキに会おうか?


はろー、ザキ!
この前は変なもの見せてごめんねぇ


。。。

って・・・。

コレじゃ、自分の体は変だと自分で言ってるだけじゃないか



下を見ながら風呂場へと向かうべく

襖を開ける


山「あ、。」

『ぎゃぁぁああああ!!!』

山「えっ?ちょっ・・・!!」




いきなり目の前にいて

思わず悲鳴を上げ、後ろに倒れかけた



山「だ、大丈夫?」

『だ、大丈夫・・・。』



今の姿勢を教えてあげよう


重心は後ろに傾いてあり

俺の体はザキの右手が掴んでいる俺の左手のおかげで
なんとかもっている

だが・・・角度的に・・・



もうブリッジ?

『や、大丈夫じゃなぁぁいい!!』


もう体がピクピクしてるよ

もうもたないって。


俺の腕はザキの手から滑り、


体勢を崩して
俺は後ろに倒れこみ

正真正銘のブリッジを完成させた






山「あ、凄い。」

『”あ、凄い”・・・じゃねぇぇええ!!たっけてぇ!!

山「あ、ゴメンゴメンっ!!」


ザキは未だブリッジしてる俺を両足で跨ぎ

上半身を引っ張った


『ちょっ、痛い痛い!!
体がありえない方向に向いてるぅ!!』

山「あ、間違えた。」

『ザキぃ・・・。』

山「ゴメンッて怒らないでェ。」


ザキは俺の上半身を支えてる
俺の両腕を掴み、引っ張った


『ちょっ、馬鹿!!』


そんな事したら、
ザキのか細い腕じゃ俺の全体重は支えられないって

俺の腕を外したら
俺の体はずでーんって落ちるよ!!



山「ぎゃっ!!」

『おひょっ!?』


俺の予想は的中

ザキは支えきれなくて、二人とも体勢を崩した


がんっ

『痛っ・・・。』


俺は頭から落ち、
そのままザキが上に落ちてきた


山「うっわ、ゴメン!!」


腕に力を入れて、頭を上げるザキ

『あ〜、いいよいいよ。

俺が悪いんだし。』






「何やってんでィ・・・?」



『・・・へ?』


丁度その時
部屋の外から声が聞こえた


『・・・そう・・・ご。』


少し怒った様な顔で立っている総悟が
開いた襖の間から見える


沖「お前のために早めに入ってやったんだぜィ

んで山崎にを呼んで来るよう命令したのに・・・なかなかこねぇ。
おかしいなと来てみりゃ・・・。


お前ら・・・。」


『・・・あ・・・・・・。』


今気付いた
この体勢


傍から見たら、押し倒されてる様に見える



『あ、ちょっと!!
誤解すんなよな。

コレはちとワケがあって。』


沖「何も言うな。分かってるから。」


・・・いやいや

分かってないでしょう?


『ちなみにどんなご想像を?』


沖「の髪の毛が雨で濡れてて
お色気ホルモンが出されたところを山崎がうずうずし始めて
あぁ、止めてェ。」

『お前に対して止めて欲しいわ!!


ホラ、ザキ。
早く退いて。いつまで乗ってんの?』


山「ソレがさ、退きたいんだけど・・・。」

沖「ホラ、やっぱり山崎は・・・。」

『お前は黙ってろ。』



山「の髪の毛が俺の隊服のファスナーに引っかかって取れないんだよ。」

『・・・え?』

沖「そんなもん切ればいいだろィ?」


そう言って取り出したのは


ぶるぶると震えているバリカン


『お前ソレ、切るつもりねーだろ!!
全部刈り取る気満々だろォォオオオ!!』


沖「チッ。」

『沖田さーん!!』


なんか・・・もうヤだ


『土方さーん、たっけてぇ!!』


ま、来るわけでもないのだけど


「呼んだか?」

『早っ!?
つか、マジで来た!!』


土「・・・お前ら何して・・・って・・・。

なんだ、そうか
お前らってそーゆー関係だったのか。
残念だな、総悟。」


沖「何がでィ。」


『ちょっと、違いますからねぇ!!
俺の髪の毛がザキの隊服のファスナーに引っかかっちゃったんです。

取ってくださいよぉ。』


沖「OK。任せろィ。」


今度は携帯を取り出す総悟


『ソレは撮るだろォがァ!!』


土「ちょっ、お前動くな。取ってやるから。」

沖「そうそう、動くな。撮ってやるから。」

『お前のソレは意味違ェ!!』

沖「今はシャッターチャンスでさァ。


押し倒される
押したおす山崎
その間に入っての服を脱がす土方


ん〜
最高だ。」


「『「何が最高だ!!」』」



はぁ

疲れたよ、俺。









数分後

絡まっていた髪が解け

俺は解放された


土「早く風呂入って来い。」

『へーい。』



俺はよたよたと風呂場へ足を進めた



沖「それにしても、、何でアイツ女モンの浴衣なんて着てんでィ?」

山「の服、全部洗っちゃったらしいですよ。」

沖「なんで?」

山「ホラ、って万事屋で寝たりするから
どれが洗うもので、どれが洗ったものなのか分からないんですって。
だから同時に洗っちゃおうって事らしいです。」


沖「あ〜、なるほど。」







『は〜、気持ちよかった。』


風呂から上がり、自室に戻る



すると、何故か綺麗になっている俺の部屋

『泥棒かっ!?』


あ、逆か

泥棒はめちゃくちゃにしてくんだもんなぁ

例えば、引き出しの中から何かを盗んで行くとか・・・



引き出しの中を試しに覗いてみたら

『あ、服がある・・・。』


んだよぉ
一体なんだってんだよ〜


もうちょっと早く戻しておいて欲しかった




コンコンッ

『ん?』


襖をノックする音が聞こえた

『はーい。』

山「あ、?俺だけど。」

『あ、ザキ。どうしたの?』


今度はしっかりノックすんだなぁ


山「副長と隊長が呼んでたよ。
なんでも、松平長官が来てるらしいんだ。」


『えっ?ホントに?

直ぐ行く。』



まず、着替えなくちゃ・・・。



山「着替えなくてもいいんだよ。」

『・・・え?』

山「隊長は、そのままで来いって言ってた。」


『・・・分かった。』




俺は部屋を出て

近藤さんを含む四人がいるであろう局長室に向かった





***


『しつれいしま〜す。』




入ってみると

予想通り、四人が胡坐をかいて座っていた


だが

全てが予想通りでもなかった



『・・・兄ちゃん。』

兄「よぉ、。」


アレ?何でいんの?
アレ?



松「じゃ、トシと近藤は席を外してくれ。」

土「なっ!?」
近「とっつぁん!!何でだよ」


松「お前らには後から話す。
今言うと、なんかごちゃごちゃしそうだから。」


土「チッ。」


土方さんは舌打をし
近藤さんと一緒に部屋を出て行った



松「、まぁ此処に座れよ。」

『とっつぁん、セクハラで訴えますよ?』



松平のとっつぁんが促したのは
自分の胡坐の上


松「まぁ、待て。
なんか、セクハラで訴えるとか言いながら刀抜かないの。
冗談だから
オジサンの可愛い冗談だから。」


『アンタ何処まで馬鹿なんですか?』


松「じゃ〜話を進めるぞ。」



俺の嫌味はとっつぁんにはきかなかった



松「で・・・から聞いたが・・・。
総悟とには小さい時の記憶があると?」


沖「あ、に電話したんでィ。」

『・・・そっか。』




松「で、あるんだな?

『・・・ああ。』



松「そうか・・・。
確かに、が小さい頃
同じぐらいの年だった総悟と遊ばせた事がある。」


「『「っ!?」』」



松「・・・つまり、お前らの両親は
俺の親友でな。あの二人に子守を任されたんだよ

そんで、お前ら二人はやんちゃだろ?
オジサンだけじゃ手がつけられなかったってワケ。」



でも総悟を呼んだのは逆効果だったなぁ。と言うとっつぁん


松「しばらくすると、三人で走り回り始めたんだ。
その時にお前らの両親が来て、
大人三人で無邪気に笑う子供達を見守ってたってワケよ。


総悟、お前覚えてないのか?」


沖「いや〜、今日思い出したんですけどねィ。
を見ても何とも思わなかったでさァ。」


『俺だって・・・。』

兄「・・・俺は松平のとっつぁんに出会ってから思い出したんだよ。」

『そーなんだ〜・・・。
って・・・つまりさ

やっぱり俺達は元々此処の住民だったってワケ?』


兄「ああ・・・。
俺な、よくよく考えたんだよ。
俺さ、親との思い出が無ぇんだよな。」


あ・・・

そう言えば・・・





松「そうか・・・分かった!!
はお前らを異世界に送ったんだ!」

『え・・・?』


でも、そうすれば辻褄が合う



俺が両親の顔を写真でしか覚えて無かった理由

此処の世界に戻った今、
両親の顔を思い出すことができた理由

思い出が無かった理由




『そっか・・・。
俺の生まれは此処なんだ・・・。』


今まで考え込んでいた事がすっきりして
体が軽くなった


兄「・・・。」


兄ちゃんは俺の頭の上に手を置いて
一回くしゃっとした



松「みたいだな・・・。
てか、オジサン前から思ってたんだけどさ
なんでは男口調なの?」



昔は可愛かったのに。と言うオヤジ


『なんでかなぁ〜。
記憶がある中では、ずっとこんなんだったし。』


兄「ま、いいだろ。
ゆっくり変えていけば。」

『うん。』



すると総悟が口を挟んだ


沖「じゃ、”私”って言ってみ。」

『・・・・・・・わた・・・わたわた・・・私。』

兄「噛み過ぎだろ。
何でそれだけで噛むんだよ!


ま、いいや。」




殆どがすっきりした今


まだ聞きたい事があった



『ねぇ、とっつぁん。


家を襲ったのは誰なの?』



松「っ!?

そうか、はもう言ったのか。」

兄「ああ。」



松「そうだな・・・。

ソイツぁ・・・。


”鬼鮫豹胡”というチームだ。」

『きざめ・・・ひょう・・・ご?』

沖「意味不明な名前ですねィ。」

兄「其処はツッコんだらおしまいだ。」

『そーゆー兄貴もおしまいだ。』

兄「それはどーゆー意味だ、コラ。」



松「鬼鮫豹胡・・・それは、単純な名前だ
鬼の様に恐ろしく、鮫の様に噛み付き、人を食らい
豹の様に鋭い爪を持つ・・・とてつもない奴だ。」

『・・・最後の胡は?
胡蝶蘭とか、胡麻とか使うよな。』

松「でたらめな事。
つまり、そいつらの言っている事はでたらめなんだよ。」


「『「は?」』」


松「ま、つまりだな。
何だかんだえばっているが、、
真正面から向かってこれば其処まで恐れる者達ではない。」





それはつまり・・・。


沖「それはつまり、不意打ちでは負けるって事ですかィ?」


俺が考えた事を
総悟が口に出した





松「そうだ。
あいつらは素早く、俺ら警察も幕府の人間も
誰もそいつらを見たことないらしい。」

『そんな奴らが両親と何の関係が?』

松「家はな、かなり強いんだ。
幕府も攘夷も、仲間にしたいといつも弱みを探っていた。」


『なっ!?』

兄「じゃ、なんでそんな強い両親は今此処にいねーんだ・・・?」

松「それはな・・・
弱みを握られてしまったからだ。」


『それは・・・何?』

松「・・・・・・。」


とっつぁんは一度口を閉じた

そして、一息すると

再び口を開く



松「お前らだよ、。」

兄「俺ら?」

『それって、、。』




松「一度お前らは攫われそうになったんだ。」


『えっ!?』
兄「それ、マジでかっ!?」


松「そんでな、お前らの父親が助けた。
だが、その時かなりの重症を負ってな。
・・・流石に大人数相手に無傷とは言い切れないだろう。」


『じゃ、その時の深手で・・・。』


松「敵が乗り組んできた時、抵抗できなかった。
敵が乗り組んでくる前にお前らを安全な場所・・・
つまり異世界だな。
に隠して、父親は必死で戦い息を引き取った。」


兄「じゃ、母さんは!?」


松「・・・それはな・・・。
最初はお前の父親と共に戦っていた。
二人共強かった。

だが、お前の父親がこのままでは二人共死ぬ。と言い
逃がしたんだ。

家から逃げたはいいものの

敵に囲まれ、抵抗する事も無く、自害した。」


兄「『自害した!?』」


松「そうだ。」



な・・・んで?


松「奴なら全員を倒せただろう。
だが、傷を負った状態で、お前らのところに向かってみろ。
お前らの居場所がバレてしまう。
だから、足跡を消すかの様に、自分の刀を抜いたんだ。」



そんな・・・。


父さん・・・
母さん・・・。




松「だが、お前らも安心するなよ。」

『え?』

兄「・・・松っつぁん・・・。それってこの前の潜入操作の・・・?」

松「そうだ。」



この前の潜入操作って・・・



兄「・・・俺とお前が再会した時の事覚えてるか?」



やっぱり・・・


『でもそれは兄ちゃんが俺を探してたんじゃ・・・。』

兄「・・・・・・ああ・・・。そうなんだが。
アイツらは何故か元々お前の事知ってたんだよ
家の末裔って。」


『何!?

え・・・だって・・・。
は?
意味わかんないんですけどっ』



松「つまり、家の存在を知っている者を中心に極秘捜査しようと考えたんだ。」

兄「苗字変えて入ったら俺の事は家だとは思わなかったらしいが

ある日。
そうだな・・・
お前が来て数日たって、真選組で目立つ行動する様になってからだ。
あいつらは
”コイツ、男っぽいけど家の妹じゃねーか?”
と言い出した。」


沖「・・・バカ。」

『酷っ!!だって俺そん時そんな事知らなかったんだよ!?』



兄「ま、それは仕方ないとして、、
俺ァお前を見つけても、すぐには会いにいけなかった
俺までバレるから。
だから、あえてお前に沙吟をつけさした。」


松「そうする事で、は自然と勝手にの元に来る。
その時はきっと真選組も来るだろう。
そしたら、俺と、真選組で奴らを倒せると思ってな。
ま、俺は必要なかったみたいだけど。


あ、榛原とか言う隊士・・・悪かったな。
俺が命じたわけじゃねーから俺が謝っても無駄なんだが・・・
ま、引き金は俺だから。
そう伝えといてくれよ。」


沖「分かりやした。」


松「コレで謎は全て解けたか?」


謎は全て解けた・・・?
●田一少年の事件簿!?


兄「先生ぇ、此処にバカがいま〜っす。
絶対ぇコイツ、今●田一少年の事件簿とか考えてまーす。」

『はんっ、考えてねーよ。
お前の思考回路がそうなってるだけだろ?』


兄「じゃ、その汗は何だ?」

『・・・・・・。』

兄「目を泳がすな。」

『とっつぁん、俺ァもう分からない事は無いよ。』



兄「話を逸らすなよ。

・・・ま、いいや。
とにかく。」




兄「『その鬼鮫豹胡とやらをぶっ潰すだけだっ!!』」





松「じゃ〜な〜。
オジサン応援してるから、頑張れよ〜。」



とっつぁんはそれだけ言うと帰っていった




そんな軽くていいのだろうか・・・?

ま、いいや。



『兄ちゃん、頑張ろうな。』

兄「おう。」

沖「俺も協力するぜィ。」

兄「サンキュ、総悟。」




とっつぁんの車がどんどん離れていく

黒い車が点になり

そして見えなくなるとが口を開いた



兄「じゃ、俺も帰るわ。」

『ばいば〜い・・・
・・・じゃ何この手は?』


離せよ

帰るんじゃねーのかよ




俺の右手は
兄貴の手の中に納まっていた


兄「いや、に来てもらおうと思って。」

『何処に?』

兄「俺のいる特別潜入組織に。」

『・・・・・・は?』


今何と?


兄「お前がいた方が仕事楽になるし
一緒に仕事できるし、護れるし。

さ、行こう。」

グイッと腕を引っ張る兄ちゃん


『ちょっと、
勝手に決めてんじゃねぇよぉ!!』


拳をつくって思いっきり兄貴に向かって振りかぶった

ガッ


沖「あ・・・。」



痛みで力が緩み、腕は離され
兄貴は吹っ飛んで行った


『ってぇっ!!』


痛い痛い痛い。
兄貴痛いよ、アレ、何でこんな痛いの?


『あ、空飛んでるぅ
兄ちゃ〜ん、楽しい?』


兄「ゴメン、戻ってきたら一発殴っていいか?」


アレぇ?空から声がしたぁ


兄「無視すんなぁゴルァ。」

『乙女を殴っちゃいけませ〜ん。』

兄「そっか〜って女だったんだ〜、へ〜。」

『それで俺に勝ったと思ったら大間違いだぞぉ

あ・・・。
土管だ。』


兄「え?」



兄貴は土管の積んである場所に落ちていった


兄「ぎゃぁぁあああああ!!!」


その時凄い良い音が聞こえたのは言うまでも無い

『あばよっ。』


フッ・・・
またつまらぬモノを殴ってしまった


兄「だったら殴るなぁ!!
実の兄貴に向かって何!?つまらぬモノ!?」

『んだよ、生きてたのかよ・・・チッ。』

兄「反抗期ぃぃいいい!!?」


絵的にボロボロになった兄貴が土管の中から走ってきた


沖「まあまあ、
は元々こんな奴だって知ってるだろィ?」


我慢しなせぇ。と総悟が兄貴をあやす


『あやされるなぁ!!
ソレでお前は18歳かァ!!』


いや、怒りが収まる事はいいんだよ?
でもさ、
あやされるのはどうかと思いました


アレ?作文んんんっ!?


沖「ソレ、古い。」


『うっせ!』


ふと兄貴を見ると
腕を組んで何かを考え込んでいた


兄「決めたっ!!」


『は?』


いきなり顔を上げ
笑顔になる


兄「俺、真選組にも掛け持ちするっ!!


「『はぁ!?』」




は?
は?

真選組も掛け持ちって・・・


つまり真選組でも働くって事?
特別潜入組織隊長をやりながら、参謀もやりながら・・・
真選組で働くぅ!?


兄「そんなあからさまに引くなよ。
いーじゃん。よかったな

お兄ちゃんと一緒に働けるぞォ」


『キモいから失せろや。』


兄「が冷たいィィいいい!!」

沖「まぁまぁ・・・。」

兄「何その笑いッ!?絶対ェソレ楽しんでるだろっ!?」

沖「・・・聞きたいですかィ?」

兄「やっぱいいです。」



はしょぼーんと下を向き、トボトボと歩き始めた。
同時に、と総悟はにやりを笑ったそうな




兄「ま、俺ァ一度決めた事は遣り通す派だ!
これから真選組に通うから。近藤さんに言っとくわ

じゃーな。」


『えっ、ちょっ!!』


勝手に好きなだけ言葉を言うと
去って行ってしまった


チッ
逃げ足だけは速いんだよな

最悪だ



あ、そうだ
この前買っておいた
うまい棒チキンカレー味食べよ


話の転換が異様に早いと思うが
には突っ込まない方が身の為だ


沖「オイ、何考えてんでィ?」


の表情を見て
意味が分からず問うが、は自分の世界に浸っていた



あ、めんたい味もあったんだった
アレうまいんだよねぇ
総悟には渡さねぇ



俺には意味不明な闘争心が沸いていた
捕られる前に食う!
それが武士道だァァアアア!!!




アレ?

ふと気付いた



臭い・・・。

沖「なぁ、・・・。」

『うん・・・臭いね。』






この臭いは・・・

『誰かオナラしたッ!?』

沖「違ぇだろィ!!」


スパンッと何処から出したのか
トイレのスリッパで殴られた


『お〜・・・良い音鳴ったねぇ。』


頭を摩りながら、臭いを嗅ぐ


沖「ばっか、コレァ物が燃えた臭いでィ。」


分かってるよ、んな事


『火事か?この臭いからすると、スゲェ近いんだけど。』


辺りを見渡す

だが、思いも寄らぬところから火が出ていた


『此処かよッ!!』

沖「チッ・・・近藤さんっ!!」



急いで屯所に戻る

火が出ていたのは・・・



我らの家である、真選組の屯所だった




『なんで屯所がっ!?』

沖「分からねぇ・・・だが、過去に一度もこんな事・・・。
ま、一先ずは分かれて消火活動だ。」

『おっけぃ』


総悟と分かれて、火元から少し離れた場所に行く
其処にも火が回っていた



『そんなに大きな火事じゃない・・・。
二箇所同時に火災だなんて・・・。』


おかしい

二箇所同時に火が出るなんて事
女中は絶対しない
それに、隊士達だって
んな運が悪い事ってあるか?


まさかっ!!

テロかっ!?


『エロリス・・・じゃねぇや・・・
アレ?テトリス・・・?

あ、テロリストか!?』


「相変わらず・・・否、想像以上のバカだな、お前。」


『何っ!?』


後ろから声がした

咄嗟に振り向くと、自身に振りかざされる刀


『っ!!』

急いで抜刀し、刀を受ける



「ほぉ・・・やるじゃねぇか・・・ククッ。」

『お前は・・・。』


この整った顔
この低く思い声
この派手な服装


『・・・高杉晋助っ!?』





〜後書き〜
な〜んかギャグが出ない
そして何故か長いっ!!
も〜いーや。これからもよろしくです