嫌な予感は本当に嫌なモノにはしないもんだ



第二十五訓 嫌な予感は本当に嫌なモノにはしないもんだ






「じゃぁな、

『おう、じゃあな』

「また来るからよォ」

『来んでいいわァ!!』




熱を出した翌日

兄貴がやっと帰ると言った




そして今

真選組屯所前で

大きな背中を見届けた









沖「やっと静かになりやしたねィ」

土「だな」

近「なんともに似て騒がしい奴だった!あっはっは!!」



近藤さん・・・

なんか毛玉さかもとと被る・・・




沖「本当は寂しいんじゃねぇの?」


ニタァっと笑って俺を見下ろす総悟


『うっせ』



寂しくないつったら嘘になるけど




大丈夫




仲間がいるから





昔は兄ちゃんがいなくなって悲しかった

沙希や海斗がいたから俺は自分を取り戻せたけど

それにも時間がかかった




でも今はめっちゃ楽しい

真選組の仲間と一緒なら

どんな事でも乗り切れる気がする




そんな感じだった










近「じゃ、戻るか」

沖「最近は冷えますからねィ」

『じゃぁコタツにみかんで暖まろう〜♪』

土「みかんは別に要らねェだろうが」



『アレぇ?知らないんですかァ?
こたつにみかんは憑き物ですよ?

良くミニチュア模型でもみかん乗ってるじゃないですかァ!!』

土「何でそこでミニチュア模型が出てくるんだよ」


『・・・・・・』


沖「あ、分かりやした!!

はオタクなんで、そういう事には詳しいんでさぁ!!」

土「そうか・・・」


納得すんなァ!!

否定はできないけど
俺オタクじゃないから!!
唯の腐女子だから!!』






沖土「・・・・・・・・・」





すると急に黙り込む二人





沖土「あ、そうか!!って一応女だったか!!

『ぶっ殺すぞ』





沖「んな事言われたってねェ土方さん」

土「男口調だろ?顔も美男子系だろ?」

沖「何処からどう見ても男にしか見えねーや」



『俺、美男子じゃありません!!』

山「否定すんのは其処だけかァ!!」



「「『あ、山崎いたの』」」



実はずっといた山崎でした




沖「大体、が女として見てもらいたかったら

もっと女らしくしやがれってんでィ」

土「其れも一理あるな」



『え゛υ・・・・・・』



お・・・女の格好!?
俺が!?


って・・・
別に変な話でもないのに何動揺してんだろ〜

俺、もしかして自分が女だった事
分かってるようで分かってなかった?




沖「着物は山崎に借りて、化粧も少ししてみたらどーだィ?」

『ぅーん・・・・・・また今度な』



沖「チッ」

『総悟くん?ちゃんと聞こえてるからね?舌打ち聞こえたからね?』

沖「態とでィ」

『んだとゴラァ!!』






俺が総悟の胸倉を掴み

今にも殴りかかろうとした時

一人の隊士が現れた




隊「局長っ!!」

近「何だ?どうしたんだそんなに慌てて」

隊「たっ・・・大変ですっ!!高杉が近辺に現れたと情報が入りました!!」

土「何!?」

沖「高杉だとっ!?」

『TAKASUGI!?』

土「欧米かっ!!」

『タカアンドトシかっ!』


高杉=タカ

土方=トシ


沖「どーでもいい」







近「で?どの辺だ?」

隊「詳細は分かりません」

近「・・・手分けして探すのが利口だな

よし、トシ総悟、それぞれ手分けして探すんだ!!
だが、一人で立ち向かおうとするな?
相手は凶悪犯だ。くれぐれも気をつけろ!!」



「『「おうっ!!」』」










***






『手分けして探せっつったってなァ〜』




一人町から離れた場所を探す俺

アレから数時間

今は川原の近くの土手を歩く






『こんな所にいるのかぁ?』



もうすぐ日が沈みかける

あ゛〜俺ァどんだけ探してんだろ〜






ふと川を見る

そのふもとで寝転がる男が目に入った


『あ・・・』



左目に包帯を巻いた男



『・・・高杉・・・・・・』






生高杉だァァァァアアアアッ!!


生杉ぃ!!(は?
生高ァ
ハゲタカァ!!
あ・・・違った



銀魂世界に紛れ込んで数ヶ月

会いそうで一度も会った事がなかった高杉に





今日やっと会えましたァァァアア!!




力強くガッツポーズをする





おっとこうしちゃ入られない

寝てんなら高杉の珍しい寝顔ショットを・・・

いや待て

今は相手は敵だ(今ではなく一生敵だと思うが)



捕まえよう(ニヤ





今のには真選組として捕まえるという目的と

また別に、裏目的がありそうだ








『た〜か〜す〜ぎぃぃいいい覚悟ォォオオオッ!!



大声を張って刀を振り上げるが・・・



ゴソゴソッ

懐からいそいそと携帯を取り出した




カシャッ

『げっちょぉぉおおおお!!(ゲット)』


またもやガッツポーズ





あはははは〜♪

もし元の世界に戻るような事があったら

コレ売ろ〜☆

あはははは〜


「誰だオメェ」




ゲ・・・




高「何してたんだぁ?この携帯で


まさか盗撮なんて真似ァしてねーよな?



エロ杉・・・じゃねぇや
高杉は間髪入れず携帯を持った方の俺の腕を掴んだ


土方さんぐらい・・・
否それ以上?瞳孔開いてるよ・・・
こっわ



高「・・・・・・お前・・・」

『なっ・・・なんスか』



今度は何?


『わぁーったよ、データ消せァいいんだろ?』


―バッ―と腕を振り払い

データを一つ消した




勿論
俺が高杉のデータを消すワケない


別のデータを消したのだ





高「お前よォ・・・」

『んだよ』



文句あっか?(アリアリだよ)



高「ホントに男か?」

『はぁ?』



何?

もろバレ?
俺ってそんなに男に見えない?

おっかしーなぁ
元の世界じゃバレなかったのに
此方の世界じゃすぐバレてんじゃん




高「・・・・・・」


高杉は俺の顔をじぃーっと見ると


高「成る程な(ニヤ」

『なっ・・・何!?』

高「お前幕府の人間・・・

ま、俺の予想じゃ真選組だな」

『うっわぉぉお!!』



どんな動揺の仕方だよ

これじゃもろバレだよ



高「何で男装なんか・・・


ま、俺には知ったこっちゃないがな」



そうだよ

お前早く消えろよ




あ、逃がしちゃダメなんじゃん




高「お前・・・名前は?」

『・・・・・・そっちこそ』


一応聞かなきゃおかしいっしょ




高「ジャイアン」

『名乗る気ゼロかよォっ!!』

高「じゃ、田中太郎」

『お前ふざけてんのかっ』

高「からかってんだよ」

『殺していいですか?』

高「できるもんならな」

『っー・・・・・・』

高「フンッ・・・」




こうしてても無駄だ

早く捕まえちゃおう


レッツ 逮捕☆(壊







『ではジャイアン、今からお前を逮捕す「お前は?」・・・は?』


高「だからお前の名前だよ

名乗ったろ?
だからお前も名乗れ

相手に名乗らせておいて自分は名乗らないって事・・・ねぇよな?


怖いです兄ちゃん

近藤さん・・・土方さん・・・総悟・・・


此処で死ぬかも



高「オイ聞いてんのか?」

『うぎゃっ!!』





今何があったかと言うと


高杉がいつのまにか俺の後ろに回りこんでいて

後ろからすっごい近くに顔がきてて



高杉が喋った時に耳元に息がかかったのだ




『てんめぇ・・・・・・俺がこーゆーの嫌いなの知っててやってんのか?』

高「はんっ、知るわけねーだろ

知ってたら名前聞いてねぇっつーの」




それもそーでした



高「で?名前は」

『のび太』




高「ぶっ殺されてェのかお前はっ」


『別に死にたくないですが』

高「てめっ・・・・・・っ!」

『ん?』




高杉の顔が引きつった


良く見ると


袖の中から腕を伝って血が流れ出ていた

この様子だと
肩の辺から怪我を負っている




高「チッ・・・」

寝てたのは
怪我で動けなかったから・・・?




ドカッと座る高杉

俺も隣に腰をおろす



『オイ・・・』

高「んだよ


お前が俺を斬りたいのなら斬ればいい
ま、お前なんぞにやられるほど俺は弱くないがな」

『・・・・・・強がってんじゃねーよ』

高「は?」

『腕出せ腕っ!!』

グッと腕を引っ張る



高「っ・・・てめっ何す・・・」


俺は高杉を無視し

派手な袖を捲くる


『スッゲェ傷・・・高杉・・・お前どーしたらそんな怪我になんだよ』



自分のハンカチを豪快に破り

それで止血をすると

何故か持っていた消毒液をハンカチの切れ端に染み込ませる


高「お前なんで俺の名前・・・



あ、真選組の使いだったっか?」


『使いじゃねーよ、こー見えても一番隊の副隊長だ』


高「お前がねェ・・・どー見えても下っ端・・・痛ェっ!!

お前手当てすんならもっと優しくしろ!!」

『消毒なんだから染みるの当たり前だろ』





消毒をし終わると

包帯でぐるぐると巻いていった


何でか包帯も持っていた俺・・・
あ、そういえば近藤さんが

”高杉に会ったら怪我するかも知れないから持ってけ”

って言ってたよーな・・・

でも普通なら怪我じゃ済まないだろ・・・



『うしっ終わり!!早く病院行けよ〜』

ベシッと背中を叩いた



高「・・・・・・お前俺が誰だか分かってんのか?」

『誰って・・・ジャイアン。又の名を高杉晋助』

高「俺を捕まえなくていいのかよ」

『いいよ別に』

高「は?」





『バレなきゃいいっしょ』

俺は立ち上がって高杉に笑いかけた




『じゃ〜な〜』


そのまま歩き出す



高「オイっ!!」

『お大事に♪』




俺は振り向かずに屯所へと向かった






「なんだアイツ・・・


敵に背中を見せて・・・バカか?」





そういや本名聞いてねぇな


今度俺から会いに行くか






そういう高杉の顔は笑っていた










***






屯所



沖「まだ帰ってねぇんですかィ?」



近藤さんが心配そうに辺りを歩き回っていた



ったく・・・いつまでやってんだ

高杉なんてすぐに見つかるわけねぇだろ




沖「・・・」

帰ってきたら一発バズーカかまそう

『呼ばれて呼び出てあばちゃび〜♪』




後半滅茶苦茶言っていたが

玄関を開けて目の前にいる総悟に挨拶(?)をした




沖「・・・”ただいま”は?”心配させてすみません”は?」

『総悟に教えてもらう事は何もないと思いますが』


どんな時と場合でもバズーカぶっ飛ばす人にマナーなどありますかね



沖「何で遅かったんでィ」

『シカトですか?』

沖「オイ、聞いてんのか」

『お前もな〜』

沖「オイ、何で今ハロの真似した?言ってみろ」

『否、なんかそのフレーズと一緒にギャンダムSEED(ガンダム)思いだしたもんで』

沖「このオタクが」

『・・・もういいや、それでいいっスわ』



俺はそそくさと逃げるようにその場を立ち去った





高杉に会ったなんて口が裂けても言えない・・・


でも、口が裂けたら言えないんじゃん?(阿呆





言ったらどーなるか・・・

俺だって分かるよ








〜後書き〜

はい、久しぶりみ短いの来ましたね〜
しかもやっと高杉君登場だよ

此方では初めましてェエロ杉君
高「斬って欲しいんだな?」
いえ、すんません


※過去にあったもう一つの連載に登場してました

これからできたら少しずつ出して行こうと思うんで

高「オイ、何で其処太字にした?」


ではさよ〜なら〜

高「シカトかよっ!!」