突然な出来事は人間必ず驚くんだから気にしないで下さいって長ェんだよ!



何だってんだよ








男が笠をとり









俺は自分を保つのに精一杯になった










「成長したな…

















自分と同じ茶色の髪に

同じ様な顔つき



低いが整った声は…









一年前いなくなった兄貴のもの









『兄ちゃん!?』














第二十三訓 突然な出来事は人間必ず驚くんだから気にしないで下さいって長ェんだよ!









辺りはざわめき始め




いつの間にか皆の視線は一点に集中していた









土「兄ちゃん…?」

沖「の兄貴って事ですかィ!?」









「どうも……






の兄貴の







です」




やっぱり






『兄ちゃん……なんで…?』











兄「何で此処にいるかって?」



そんなの当たり前

一番気になるのは其処










敵の所にいて裏切ったって事はまだどうでもいい

その後でいいんだ









今大切なのは…








沖「の兄貴っていやぁ…





一年前行方不明じゃなかったか?」









そう


其処だよ


其処…









『急にいなくなったと思ったら…


何で此処にいんの?』




兄「そりゃあっちで行方不明になってた兄貴がこっちにいたらおかしい話だよなァ…

でもまぁその話は後にしようや」


『は?』



何言ってんのコイツ?







兄「それよりも一年ぶりの再開なんだだぞ〜喜べ




目の前に大きく両手を広げる馬鹿が立っている

爽やかな笑顔で蹴り倒していいですか?









「(コイツ……正真正銘の兄貴だ……このバカさ加減が半端ねェ)」




誰もがそう思った

違ったのは

と本人のだけだった









『殺すか殴るか蹴るかしてもいいですか?』


隣にいた総悟に問い掛ける




ノイズが掛かって恐ろしい言葉だけはかき消されたが

の顔はもっと恐ろしかった




兄「?」




コイツバカか?

妹の俺が言うのもなんだけど

物凄く腹が立つ





だがも限界に至った


『兄ちゃぁぁあああああん!!』






周りは花畑に包まれて

両手を広げる兄の下へは走った










土「やっぱりバカ兄妹だったか…」



はぁ…と土方さんがため息をついたのに気付きながらも

走るのは止めない









『兄ちゃぁぁあん!!』

兄「!!」






後1メートル

手が届く距離になり、兄貴が手を伸ばす












ゲシッ






の右足がの顔面を蹴り付けていた


そのままは吹っ飛び

は綺麗に着地する








「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」




まわりは何も言えなかった

想像を遥かに上回っていた






まさか実の兄貴の顔面に助走をつけて蹴りを入れる妹がいるとは…





兄「ってェ……」


口を拭いながらゆっくりと立ち上がる



兄「久しぶりに会って何だよその歓迎は…」




その不貞腐れた顔はやはりそのものだった



『フンッ……兄貴が悪いんだっつーの!

いきなり現れといて感動の再開?
は?
意味わかんねーよ』


ケッ…と唾を吐き散らした






沖「オメェ本当に女か?」





ちょっと総悟から卑劣な言葉を貰ったけど

そんな事はどうでもいい






『話を聞かせてよ、兄ちゃん

まずどうしてそっちを裏切ったのか?』





普通は何故姿を現したのかを優先させるだろう


でも俺はそっちを優先にした


そりゃとっても気になったけど




やっぱり兄貴が敵なのか味方なのかはっきり白黒つけとかないとむしゃくしゃするんだ










兄「ん?」



頭をかきながら……そう

まるで銀時の様に返答した





兄「裏切るだァ?




裏切るも何も


元々仲間じゃねーし」




『は?』

沖「どーゆー事でィ」

土「オメェにとってそいつらは仲間じゃねーのかよ…」






だんだん兄ちゃんの評判が悪くなっていく


まぁ敵陣にいたのだから元々良くは無かったけど…




兄「待て待て、俺は別に仲間をなんとも思わず見捨てる様な奴じゃねェ」



懐に手を入れ

何かを探り出した



『?』







兄「なんたって俺ァ















警察なんだから」




懐から黒い警察手帳を出した





……



今なんと?





「……」




辺りは一瞬静まり返る


その一瞬はやはり一瞬に過ぎなく





『「ぇぇええええええええええええええええ!!?」』







を含む全ての者が叫んだ






兄「あぁ煩ェ!!」


片手で耳を塞ぎ


懐から出した警察手帳を開き

顔写真と名前等の身分証明の欄を見せる





其処には…


沖「どれどれ?








18歳…」



総悟が身を乗り出し手帳を奪い

中を読み始めた




沖「へ〜…俺と同い年ですかィ


もっと年上だと思ってやした」



兄「俺も〜まさか真選組の沖田君と同い年だったとはね〜」



吃驚だよ〜と後に付け加える




沖「得意な事は走る事・剣術・武術…


なるほどね……今度手合わせしてもらいたいねィ」



兄「おっ?いいね〜いつにする?」」

沖「え〜っと……」



何か男同士の話で盛り上がり始めた二人



『あぁもう!早く進めろ!!』





沖「チッ…分ってらァ…



え〜っと…肝心なところ忘れてた…

身分…っと




!!」




総悟が身分の欄を見た瞬間止まった





何?
どうした?




沖「……」



土「?総悟どうした?」



そして土方さんも覗き込む




土「!!」


同じ様に土方さんも止まった



土「…マジかよ…」







『一体本当にどうしたんです?』


耐え切れなくて土方さんに聞き込む



土「これ見てみろ…」



そう言って手帳を渡された





『ん〜っと……



身分…は…




特別潜入組織隊長兼参謀…?


あ〜そうなんだ〜へ〜







って…



特別潜入組織隊長兼参謀ォォオオオオオ!!?




ちょっと待てよ!
オイ!

何だよそれ!


兄貴が特別潜入組織のた…隊長!?

しかも参謀でもあんの!?マジで!?


え…ちょっ…

だめだ動揺が隠し切れない…









土「特別潜入組織って言やァ極秘任務で誰が隊員なのかも明かされていなく
どんな任務もどんなに時間がかかっても必ずやり遂げるっつーエリートじゃねェか…」


兄「おう、俺達は略して”特潜”つってる」


『俺達って……』





兄「松平のとっつぁん中心に動いてる組織だ」


近「とっつぁん!?」


土「特別潜入組織はあの怪しい親父が作り出したチームだ、普通だろ。


…ってか何でアンタ何も知らないんだよ」








バカな近藤さんはほかっておき

俺は話をすすめる




『じゃあ…兄貴はとにかく凄い奴……と?』


顔を兄貴に向けると

奴は二カッと笑っていた





沖「ってェ事は…今のは潜入操作…って事かィ?」

兄「そうなるな」



だが

信じろといきなり言われても何も信用もできない




今まで何処にいたのかも分らない奴が

まるで恰も元々普通に暮らしていたみたいに現れて

ソイツが特別潜入組織隊長だか参謀だか…









―ガラッ―



すると頑丈な扉がゆっくりと開いた




「!」




逆行を浴びて現れた者

数人の男を連れて大股で向かってくる





「ようよう、此処で俺の子供達が暴れてるって聞いたがよう」





その男は…






沖「とっつぁん!!」








黒いサングラスに高級な制服を身にまとった松平のとっつぁんが

俺達真選組を心配して来てくれたのだろう

まぁ俺はそうなんて思ってねぇけど






近「とっつぁん……俺達を心配して…」


うるうる―と目を輝かせて危ないオヤジに近づいていった





松「ぁあ?俺ァ別にお前等なんか虫けらの様にしか思ってねェから」


思ったとおり、とっつぁんは俺達の事などどうでも良かったらしい




松「俺ァなァ……アイツを…アレ?アイツは?」


そう言って辺りを見渡すグラサン野郎

グラサン野郎と言えば長谷川だなぁ




長谷川って今何やってんだろ〜
リストラされてっから今日も公園で一服かな〜

一人身は悲しいね〜
熱燗片手に独り言を呟いてんだろうな〜
寂しい男だ



アレ?長谷川に会った事ってあったっけ?

う〜ん…

てか松平のとっつぁんに会ったのもコレが初めての様な気も…


近「アイツ?アイツって?」









兄「松っつぁん!!」

兄ちゃんがとっつぁんに気付いて走り寄った


『松っつぁん?』




松「おぉ!じゃねぇか、オジサン心配して来ちゃったよ〜」


とっつぁんが心配していたのは兄貴だった






兄「松っつぁんが心配する事は何もねーだろ、俺がヘマすると思ってんの?」

松「いやいや…俺はにも会いに来たけど



俺ァちょっと会ってみたい奴がおってな……


…ん?」



周りをまた見渡して俺に目があった



『ど…どーも』



松「か!!」


ご名答

兄ちゃんは俺の事を話していたみたいだ








松「やっぱりの妹だ……顔もそっくりだなァ



しかも話によればボスを倒したってェじゃねーか



強く大きくなったなァ……」


『!?』



強くなった!?

大きくなった!!?





まるで俺の事を昔から知っているみたいに…




沖「オイ…



総悟もその異変に気がついたみたいだ



土「どーゆー事だ?」



土方さんも気がついた様で…




俺は兄貴の顔を見た


すると、小さく口を動かしていた




”あ……と…で”、か?


”詳しい事を…”


”話して……やるから…



話にあわせろ”


!?



どーゆー事なんだよ!?





松「オジサンが最後にを見たのは……ぇ〜っと……がこれくらいの時か?」


手を自分の胸辺りで揺らす






松「一体今は何歳になったんだ?」

『じゅ……17』

松「17かァ本当に大きくなったなァ……」



兄「オイオイ松っつぁん、は俺と1つ違いだぜ?覚えとけよ」

松「そういやぁそうだな、もうボケが始まっちったか?」

兄「多分な…


ホラみろ


この変ちょっと少なくなってきてねーか?」




松「騙されねーぞ。ボケにハゲは関係ねーもん!!大体なんでこの連載、ハゲネタばっかなの!?」

『その質問には俺が答えよう



管理人がハゲの特徴を色々と知り尽くしているのだよ』




土「何言ってんだよ!!管理人って何だよ!連載って何だよ!!」



ポンッ


が裏発言をし、動揺する土方の肩に手を置く総悟



沖「土方さん……に突っ込まない方が身の為でさァ」







松「じゃぁ俺帰るから、二人の安否が分ればそれでいい」


そう言うと出て行った



兄「まず屯所に行くぞ。話はその後だ、


『…うん』



帰り道

真選組軍団は自身の車で帰り、

は徒歩で帰る






すると目の前には少し透けた外国人が!!


『あ……』


多分俺の顔はみるみるニヤけていってるだろう

兄ちゃんの顔を見れば分る









兄「オイ………?」

『あい しんく じす いず あ ぼーるどへっどォォ大オオ!!(I think this is a bald head!!)』コレは禿げ頭だと思います


顔がたまらなく壊れていた



兄「何で態々英語を平仮名!?お前のバカさ丸出しィ!!

どんな言い方したってバカな俺だって通じるからな、それぐらい!」






スッ


は構わず外人に近寄る


兄「おっオイ!!!!」


俺よりは健全な兄ちゃんが俺を止めようとするが

その言葉をすり抜けて話し掛ける






『えくすきゅぅずみぃ?(Excuse me?)』すみません


「Yes?What up?」



アイツ話し掛けちゃったよォォオオオ!!

しかも発音悪っ!?

例え兄貴の俺でも奴は止められねェェエエ!!





『くーじゅー るっく ばっく?(Could you look back?)』振り返ってくれませんか?




あの外人の男性素直に振向いてくれてるしぃぃい


しかもダンディとは言えない顔じゃねェかァ!!



アレは何だ?

髪型はサ○エさんの波平で

顔は………もう何も例が浮かび上がらねェよォォオ!!




『いず ゆぁ〜 へっど ぼーるどにす?(Is your head baldness?)』貴方の頭は禿ていますか?



うっわ……真正面から

正面突破だ!!(違※バカ



何も隠さず素直に言っちまったよ…ちゃぁぁあああん!!?




「Ah,No!!」


ヤベッ

キレたよアレ…




それでもの顔は笑ってるしィイイ!!

てか行く前より素晴らしい顔してるしィ!!

なんか困難な仕事を成し遂げたって感じ!?





「This is not!」これは違う!!

「Look at this!コレを見よ!!
It's not a bald head!コレは禿げ頭じゃない
It's rude!」失礼だ!




『いや、どうみたってハゲだよ』

二ヤリと笑いながらが帰ってきた

あの英語は何処で覚えてきたのか…

いつもの奴ならもっといじってくるんだが

何故かアイツはそのまま戻ってきた






そう……コイツァ悪魔だ




兄「You are stranger.」



俺は悪魔化した奴にコレしか言えなかった




”お前頭おかしいよ”




と…







『ただいま〜』


兄貴に言われた意味を理解するのは簡単で



言われた瞬間に拳を振り上げ奴を気絶させると

ズルズルと引きずって屯所に戻った







沖「お帰りなせェ。アレ?兄貴どうしたんでィ?」


ずられて白めを向いているに目を向けて、犯人であるに問う


『へ?殴った』


俺は素直にそう答えた







土「オイアンタ…と言ったか?早く起きろ」


今度は側にいた土方さんが声をかける


だがなかなか起きない





土沖「(兄貴にも手加減を知らねェのかコイツは…)」






『ホラ、早く起きろよ

足で顔を突付く

女の子がする事ではないが

もう誰も気にしない





『早く起きねェと……』




と取り出したのは愛用バズーカ




『10,9,8…』


ガバッ


兄「!!」



カウントダウンをすると飛び起きた




はニタァと笑って自分の上司の方を向く


まるで

”いつもコレで起きるんだ”

とでも言っているかのように…




***





兄「じゃぁまず……御三方は席を退かして貰えぬか?」


口調に違和感を持つが

此処は一応上司、
近藤、土方、沖田は素直に部屋を後にした






二人だけの部屋になり

重くのしかかる空気







『兄ちゃん…コレって……』


俺が口を開くと

兄ちゃんもゆっくりと口を開いた





兄「まず何から話そうか……帰り道お前に引きずられながら考えていたのだが…」





『お前気絶してたんじゃねぇのかよ』






兄「……それは置いといて。

順を追って話そう













俺は一年前、バイクに乗って町を走ってた

ついでに両親にでも挨拶に行こうと思って、向かったんだ








、お前や俺が成長したことや
日々今までの事を語っていた




すると突然、墓石が光出したんだよ」

『えっ!?』


そんな夢みたいな〜

って夢とかまるでないよ的に言ったら俺はなんだって感じか(言うな




兄「あまりの眩しさに、俺は目を瞑った。

そんで目ェ開けたら……」

『この世界だった…って?』

兄「そうだ。」



俺と同じだ

俺は突然猛烈な光りに包まれて
目を瞑った瞬間

この世界にいた





兄「俺がいたのはこの世界での両親の墓の前なんだよ」

『って事は何だ?こっちにも俺達の母さんや父さんがいるってェの?』

兄「そーゆー事になる




コレ見てみろ」



そう言って懐から取り出したのは

着物を着た男の人と女の人の写った一枚の写真





俺はその写真を見て唖然とした


『母さん……父さん…』



其処に写ってたのは紛れも無い両親だった

俺は顔はあまり覚えてないけど

写真で両親の顔ぐらい覚えてる








兄「もちろん二人の苗字はで、幕府が仲間にしたいと言っていた重鎮だった」

『……あ…』



俺は思い出した

初めて土方さんに会った時に言われた事を





兄「それで俺達は家の最後の望み、つまり、末裔だ」

『末裔ィィィイイ!!?

なんでそんな肩苦しいの!?

最後の望み!?





なんだよそれ…』



兄「俺も最初は信じられなかった……

俺は異世界移動をして呆然としていた時に

丁度両親に墓参りしていた松っつぁんに会ってよォ


最初は松っつぁんも吃驚してた
の生き残りがいたなんて…って
でも顔もしぐさも戦い方も全てが一致したんだ」


『って事は戦ったって事か?』


兄「最初は一応幕府の者として働かされていたんだが、

仕事の中では戦いが入るだろ?

それでその時に確信したってワケよ






お前も剣の腕は凄いはずだぞ」

『それは俺も分ってる。初めて此処に来た時に総悟と戦って勝ったんだ』

兄「スゲェじゃん其!!



てかよくよく考えたら

俺達トリップだぜ?あの銀魂世界によォ」



『あ〜…そうだけど、もう慣れたわ』



兄「お前はそうかもしれねーけど、

俺は未だに銀さんとか神楽とか新八とか、
幕府の人間でも土方さんとか沖田とか近藤さんとか


会った事なかったんだぞ!!」



どーでもいいじゃんそんな事…






兄「…話戻すか…






俺は松っつぁんだけに全てを話した

で、さっき松っつぁんがお前の事をどうこう言ったのは、ありゃフェイクだ」


『ふぅん…』



兄「コレで分ったか?大体は…」

『うん、大体はね。


どうして家が此処にあるのか、
どうして俺達がこうなっているのかは分からねェけど



微妙にサッパリできたよ』





兄「で、お前の事はアイツらに話したのか?」

『おう、話した。漫画の事以外は』

兄「それは当たり前だろ?」

『まぁね。




あ、コレ言っておいた方がいいかもしんない』

兄「なんだ?」







『俺さ、前、坂本に会って元の世界に戻った事があんだよ』

兄「なに!?」



俺は全てを話し

兄貴に理解をさせた



兄「…そうか……戻りたくなった時に坂本に会えばいいってワケか。



でも、」

『この問題が解決するまでは戻れないよな』




兄「分ってるじゃねぇか」




二人で軽く笑った

兄妹の絆が戻ったと悟った







再開できた兄妹は

今までよりも強い信頼関係で結ばれるんじゃないか?
























































俺はそれからこの時代の家の事を聞いた



両親は子供を産み、静かに暮らしていたが

いろいろな奴に狙われどうしようもなくなった二人は

俺達、子を隠し

子供だけを護りきったそうだ





何処に隠したのかは誰も知らなくて

松平のとっつぁんは必死で探したけど見つからなかった




すると突然兄貴が未来から現れたそうだ

兄貴が来たとあれば

妹も来るのではないかと考え




俺をずっと探し続けていた








良くわからない

でも

いつか解決してみせる





何故両親を狙ったって事も


誰が狙ったって事も




全てを






〜後書き〜

ひとまずは解決ですかね?まぁ兄妹だけでも微妙な解決ですけど
シリアスですみません!何でかシリアスになっちゃうんです。シリアスって言ってもグダグダですけど…
長い話でしたね〜此処まで読んでくれてありがとうございました!!