出会いは嬉しい事なのに突然だと混乱する



第二十一訓 出会いは嬉しい事なのに突然だと混乱する






”出会いには始まりにもあり終わりもある”




俺は…どーすればいいの


俺には分からない…






『兄ちゃん……?』


「よう」





『なんで……』








何で…?























ガバッ


『!?』


…其処は見慣れた光景


紛れもなく俺の部屋…つーか万事屋…




久しぶりに帰宅して、寝たはいいんだけど



『夢…か……』




兄貴に出合った夢を見た


一年前いなくなった兄貴に…








『ふゎ〜…』


大きな欠伸をして俯く


シャラン


首から首飾りが垂れた






そういえば…この鍵って何の意味があるんだろうな

ただの趣味かな



あんなアホな兄ちゃんが深いところまで考えてるとは思えんし




コンコン


『?』



ガララ…


銀「久しぶりの温もり布団では良く眠れたか?」

『あ〜…懐かしかったわ〜ダニがね〜こう体中回りに回って痒いわ蚊痒いはわ…眠れなかったよ』



銀「がいつでも懐かしい布団で寝れる様に何もしなかったからなァ喜べはっはっは」

『それは嬉しくもない心遣いをありがとうございますご主人様』

銀「よろしい」





ゴスッ




瞬時に銀時の懐から木刀を抜き取り

胸糞悪ィ天パに叩きつけてやった


銀「ってェ……」






銀「其処までやるか?普通」


『ケッ…』



銀「反抗期?ワタクシそんな風に育てた覚えはなくてよ」


『ゴメンなさいお姉様…元々こーゆー性格なの。もう直しようがないの』


銀「あらまぁ………これからどーしたらいいのかしら?」


『もうどーもできませんわ』



ゴンッ



銀「ぎゃぉぉお!!」




『アッレェ〜?間違えちゃったぜ』

銀「間違えちゃったぜじゃねェよォ!!(泣)」



スンマセン

殴っちゃいました…股間




銀「女の子がそんな事言っちゃダメェ!!隠しなさいッィイ!!」



『アレ?心読んだ?』


銀「いつも言ってるけど声出てるからァ!!」


『あらら〜やっちゃったなオイ』


銀「何処かで聞いた事ある台詞だな」









新「ちょっと…もう朝ごはん出来ましたよ
銀さん起こしに行ったきり戻ってこないかた来てみれば……

なんちゅー下ネタな話をしてんだァァアア!!」



新「ったく…しっかりしてよね」

『すんません天津飯』

新「は?」



『変態長の命令です』

銀「ちょっ…オイ勘弁しろよ。何回言わせんだ。
あれほど"変隊長"と言ったのに…俺は変な隊長であって決して変態ではない」

『スンマセン変態長』

銀「だからァ…もういいや下がりなさい変態001」


『違うわァ!!俺は変な隊員001であって決して変態ではぬぅぁぁああい!!お前は変態長だけどな』


銀「おまっ!?違うだろ!!俺はァ」

新「どっちも一緒だろ。だいたいなんで僕が天津飯?」



銀「『あくまでメインは卵という地味さから』」





新「僕ご飯前提ィィイイイイイ!!?」







『おっと…俺仕事行かなきゃ……』

銀「飯は?」

『ん〜…いらない』

銀「そうか」





『さて…出てけよ』

は銀時達を睨みつけた

銀「…はいはい…」



ガラ



二人が部屋からいなくなって


は着替え始めた




『夢…』


あの夢は現実のように生々しい…


兄ちゃんは…

一年前から何処にもいないんだから



現実なワケがないのに…


夢の中でもいいから




兄ちゃんに会いたいよ







ピンポーン


『?』



インターホンが鳴った




銀「あらま〜多串君じゃないの〜」

玄関の方から声が聞こえた



ひ……土方さん?

土「いるか?」

銀「なら奥の部屋だ」

土「そうか」




トントン



足音が近づいてくる





ダンッ



勢い良く襖が開き

いつもの怒っているのかそれが普通なのかよく分からない顔が現れた(失礼



土「行くぞ」

『ぇ…?何でそんな早く…』

土「話がある。真選組全体に関係する事だ
全隊士には急遽来てもらった。後は…お前だけだ」


『……行ってきま〜す』



銀「行ってら〜」




パタンッ



銀時は一人考える





今日のお前…


なんか暗くねーか?









『ふわ〜…眠ィ』


土「欠伸でけーよ…それにしてもよ
今日のお前…暗くねーか?いつもの馬鹿さがねーよーな気がするんだが」




ビクッ


『ぇえ〜?そんな事〜ないですよ〜』


は挙動不審になった



土「どうみても焦ってるよな」



『あ…横断歩道だ!横断歩道を渡る時は〜ハゲ抱えて横断歩道を渡りましょう〜』

土「普通”手をあげて”だろが…なんだよ”ハゲ抱えて”って…」

『ハゲは蛍光灯のように輝くからさ』



土「………お前に聞いた俺が馬鹿だった」


『ハゲ持つ事はできないから木材を運ぶようにハゲのオッサン抱えて渡るのよ』


土「知らねーよ……はぁ…」




土方は腕時計を見た

土「チッ…話が多かったか…急ぐぞ」


『へ!?』




ダッ



土方はもう走り出していた



『ちょっ!!待ってくださぃいいいい!!』



ダダッ





数分後
真選組屯所


『っ……はぁ…はぁ…』


土「はぁ…はぁ…」




『さ…流石にあの距離走るのはキツイっスよ土方さん…』


土「…車で来れば良かった…」


『まったくだ』


土「何でオメーが目上体勢なんだァァア!!」






榛「やっと付きましたか副長、副隊長」


土「…っ…榛原か…」


榛「行きますよ」

『おうよ』



スタスタ

スタスタスタ



向かったのは局長室


ガラッ

榛「失礼します」
近「おう」

榛「副長と副隊長を連れてきました」


近「いいぞ。下がれ」

榛「はい」






近「まぁ座れ」


土方さんは近藤さんの隣に腰をおろし

俺は後ろの方に座ろうとしたら…


近「…お前は総悟の隣に座れ」

『…?……はい』



総悟は隊士達の中でも一番前に座っていた



沖「」


総悟が何も言わず、手招きした


いつもと違い真剣な顔だ



近「皆揃ったな・・・。」

一度確認をしてから再び口を開く。


近「最近殺人が多発している。影で密売が行われているとも噂がある。」




殺人…


マジでか…



近「いいか?」

『え?俺!?』


近「今回お前にも関係があるとみた」

『!?』


お…俺に!?



近「まぁ直接ではないのだが、殺人鬼の仲間が”という奴を知らないか”と聞いて回っているらしい」

『な…なんで…!?』


近「まだわからんが…そいつは決して殺人はしていないが…
殺人鬼の仲間となりゃ話は別…には用心してもらわないと困る」



マジでか…


俺に危機!?

乙女の危機!?(違




俺に何と関係してんだよ







まさか…この世界の住民ではないとバレたか!?



否…

バレて困る事はない



ちょ〜っと好奇心で見られるぐらいだ


それぐらいならいつも
「きゃ〜あの人カッコいい〜」って騒がれてるし


それぐらいならまだ


偏見な目で見られるぐらいなら






でも


そうじゃない





殺人鬼の仲間に何かした覚えもないし

ましてや俺に何の用だ?




近「其処でだ。に護身をつける」

『…は?』

近「総悟…いいか?」


沖「!?…俺ですかィ?・・・ま、いいでさァ」

『なッ!?』

近「それならいい…もしかしたら囮捜査をするやもしれん。
相手はを探してるんだ。いつかあっちから接触してくるかもしれんからな」


『…そ……そうですか…』

沖「……」




俺…殺されるんか?


総悟が護衛についても


結局俺の為に誰かが傷付くんだろ


それだけは嫌だ



沖「…オイ」


『はへ!?』



俺は咄嗟だった為

妙な言葉を発した


沖「”はへ”?…まぁいいでさァ……怖ェのか?」

『なっ!?なん…「安心しろ」ぇ…?』



総悟が俺の言葉をかき消した



沖「俺が絶対に護りまさァ」


総悟…


でも俺は、心の奥底で安心感を抱いた事を隠したくて


『そ…総悟なんかに俺は護れねェよ。第一俺の方が強かったし…』


沖「ふっ…そうかィ?」


自信に満ちた顔


『ぇ…』



沖「俺が何も変わっちゃいねーとお思いで?」

『そうg…』

沖「俺ァに負けてから必死で練習したんでィもうオメーには負けねェ」


『いつから…俺を抜かした…?』


沖「さァ…?でも…3ヶ月前ぐらいには追いついてたぜィ


抜かしたのは…2ヶ月くらい前じゃねーかィ?」



『総悟……』


近「総悟はなァ…皆の見ていないところでも必死になって”を抜かす”つって木刀振り続けてたんだ」



『…そーなんだ………じゃぁさ、お任せしても…いいのか?』


沖「!?」



総悟は思いもよらぬ答えに戸惑ったが


沖「ふっ…任せろィ」




こうして


俺は総悟に護られる事になった




後から聞いた話…


土方さんによれば…もう俺には適わないぐらい強くなったらしい


俺も負けてらんねぇな








***






数日後副長室…

土「     」
山「     」

土「……分かった…」
山「では…俺次の仕事があるので」



ザッ


土方と山崎が何かを話していた

山崎が部屋から消え去った後



土「…仕方ねェ…にやらせるか」








***


コンコン

ドアをノックしてから静かに開ける

『お呼びですか?』


土「か…頼みがある」


『なんでしょう』


土「…今お前にやらせるには不適切だが…山崎がいねーんだこの際仕方ねェ
今からある館に侵入捜査してもらう。ある情報を採ってきてほしい」


『情報ですか……はい』


土「頼んだぞ…だが…総悟が今仕事で出てていねぇ…俺も何かと仕事が忙しいし…榛原につかせるか」

『れーちゃんに!?』

土「れーちゃん!?何だそりゃぁ…」

『榛原麗一のあだ名ですよ、あだ名!俺最近親しくなったんです。
俺の親友・・・?って言うか下部?的な奴と苗字が一緒なんですよ!!』


もしかして子孫とか・・・?



土「…まぁいい…頼んだぞ」


『はい』









***






『疲れた〜…それにしても今日は温かいね〜』

榛「そうですね〜」

『れーちゃんって癒し系だよね』

榛「そーですか?」

『おう』



何事もなく仕事を終えた達は

暗い帰り道を歩いていた




今日も真選組に泊まりか…


『れーちゃん…今日のご飯なんだろ〜』

榛「何でしょうね〜…」

『何食べたい?』

榛「俺的には……!?」


榛原が何かに反応した

『?…どーした「危ないッ!!」



ダンッ

『くっ』


暗い路地裏からクナイが飛んできた

は地面に叩きつけられたものの、榛原によりクナイからは助けられた



榛「何処だ!?」

『っ…何だ!?』




「ククッ……流石真選組一番隊だ」


榛「『!?』」



路地裏から姿をあらわしたのは覆面を被った忍者…



榛「お前は何者だ!!」

榛原はゆっくり刀を抜いた。


『たんこぶできた〜…』

頭を抑えて涙を薄っすらと浮かばせる


榛「言ってる場合ですか!!命狙われたんですよ!!」


『ぅ〜…』

痛みに耐えながらも二刀の刀を抜いた



「俺か?俺は皆も恐れる殺人鬼の中の一人さ」



『お前が……殺人鬼は一人じゃなかったのか…俺に何のようだ』

「用があんのは別の奴さ。俺はアンタを毒を塗ったクナイで麻痺させて連れ帰ろうとしたまで」


『ほう…そうか…じゃぁ用があんのは俺だけだな』

「そーゆーこった。其処のお前は…邪魔だ!!」


瞬時に榛原に向かってくる男。


榛「!?」

『れーちゃん!!』


早い!?



榛「副隊長逃げてください!!」

「遅い」


男は榛原の後ろを取り、刀を振りかざした。

榛「くッ…」


榛原から流れ落ちる血。
ポタポタと一定のリズムを刻みながら地面を赤く染めて行く。


『れーちゃん!!』

急いでが近付こうとするが、それが男によって阻止された。


「おっと近づくなよ…コイツが傷付くぜ」

『くっ』

「それにしてもできた奴じゃねーか…ククッ…咄嗟に急所外しやがった。
予想外だなぁ流石真選組一番隊に所属する男だ。まぁ…利き腕を失ったがな」



榛原は右肩を斬られていた






「さぁ…この男を安全にお家に帰したかったら……大人しく憑いてくるんだな」


『っ……』


榛「副隊長ォ…俺に構わず逃げてください!」

『!?』



「テメー煩ェんだよ。黙れ」


榛「ぐはっ」

榛原は首下の関節をを外され…倒れた


『れーちゃん!!・・・・・・オメェ…許さねェ』

刀を抜く。そして一気に斬りかかった。


「何!?」


刀と刀がぶつかり合う音。
だがしかし、の方が上手だった。

の刀が男を斬る。

「ぐはっ」

苦しみに耐えながらも言葉を続ける男。

「な…なんでだ…話によれば…くっ…はもっと弱いはずじゃ…っ…」


『悪ィな…俺も総悟と一緒で頑張ってんだ』


の目は瞳孔が開いていた。


は刀を振り上げ、勢いをつけて振り降ろす。

だが刺さったのは地面。


『なっ!?』

「はぁっ…くっ…なんとか…避けれたか……」

『まだ体力があったとはな』

「もう限界だぜ…ぅっ……真選組に捕まって身元が分かっちゃつまらねェ…」


立ち上がる男。は驚いて目を見開く

『なっ!?』

「じゃぁな…”お嬢さん”」

何!?


立ち去り際に言う男。何故俺を”お嬢さん”と呼んだ?





男は走り出した。

『ま…待てッ!!』


「来たら危ねーぜ」

『!?』




から数十m離れた遠い処まで男が逃げると



ドォォオオオオン



ブォッ


『くっ』


爆風がッ!?




爆風が収まると

周りは散らかっていた




『なッ何だったんだ!?』


あの男…自爆しやがった
チッ…身元を分からなくするために自殺したかッ!!

しまった…手がかりを無くしちまった





…!!


れーちゃん!!





『れーちゃん!!』


急いで近寄った


榛「クッ…はぁ…はぁ…」


わずかだが息はしている!!




『まだ死ぬなよれーちゃん!』


は榛原を抱き寄せ走り出した。
向かったのは病院。



自動ドアを通り抜け、医者の下へと休まず走った



『先生!!』

医「なっ…さん…どうかし…!!」

『れーちゃんが!!』

医「わかりました。貴方は外で待ってなさい」

『っ!?…はい…』





病室から出て廊下のイスに座る。




俺の所為でれーちゃんが…許さねぇ
絶対俺が親玉見つけ出す



NEXT

〜後書き〜

今回シリアスです
そして次回もシリアス続くと思います
まぁ3話まで伸ばす気はないので、気長に見てやってください