銀色に輝く空を見上げれば懐かしく思えるかもしれない
第十八訓 銀色に輝く空を見上げれば懐かしく思えるかもしれない
『団子食べてェよォ!!なぁ団子ォ!!』
土「煩ェ!黙っとれ!!」
温泉旅行から1週間
特に何もなく
平凡な毎日だよ
ピピピ
ピピピピピピ
土「ん?」
パトカーの無線機が鳴った
近”トシか?”
近藤さんだ
土「あぁ」
近”よく聞け。余所の星から来た液体の肉食えいりあんが脱走した”
聞こえてくる声から焦りと必死さが伝わってくる事から
コレは笑ってられないと思った
『液体って言っても人間に寄生したりしませんよね?」
近”それが…”
土「マジかよ…どーやって見分ける?」
近”人を食らってるはずだ”
人を食べてる奴を探せと?
俺にそんなことをさせろと?
このか弱い様に!?
近”歌舞伎町の裏通りに数名の女性の死体があるらしいんだ
人数からして多数いると思う。俺達もすぐ向かうが、お前達の方が近いだろう。”
土「わかった。」
行きたくねぇ…
めんどくせ〜
俺は鼻の穴に指を突っ込む(オイ)
土「いくら面倒くせーからってそんなことすんじゃねーよ」
あくまでも俺は女ですしね
キャハ
うえっ…自分でもキモイと思ったし
そして急いで俺達は現場へ向かった
なんだよコレ…
視野いっぱいに広がる歪な死体や血痕
どれも食いちぎられた様だ
近くにゲームセンターがあった
其処からまだ数名の男性が逃げてくる
アレですか?
あの…ゲーム?
土「こりゃひでェ…」
人が、人を食べて…
予想より遥かにグロイ…
『うえっ!』
土「ぎゃぁあああああああ!!!」
吐きました
ヒロインとしてどうかと思ったが…
キモイんだから仕方ないだろ〜
ねぇ?
そーだよね?
仕方ないよね?
誰か言って!!
「ぐぁあああああ!!」
…えいりあんが俺達に気付いた
対して物音も立てていなかったんだけどな〜(暢気)
あ。ゲロッたからか?
俺のゲロは臭いですか?
オイ答えろよテメェ!!
「がぁあああああ!!」
あ…やっぱり結構です
土「違ェ…」
『?』
土「俺達なんか見てねーんだよ…見てんのはアイツだ」
「ぅ…誰…かぁ…」
10歳ぐらいの少女だ
誰だよ
こんな可愛らしい乙女を置き去りにした母親はっ!!
「ぅわ〜ん…お…お母さん…」
近くにいた女の死体にすがりつく
あの人がお母さん…
そうか
逃げ送れたんじゃなくて
逃げれなかったんだ
「きゃぁ…助けてェ!!」
考えてるうちに少女が危険な目に…
土方さんは!?
土「くっ…うせろテメェら!!」
別のお方と対戦中ですか…
ダンッ!!
鉄の棒に飛び乗った(スゲェバランス感覚!?)
『オイ…その子から離れな!』
手を組み
瞳孔を開き気味な目で見下ろした
あ…決まった( ̄ー+ ̄)
えいりあんは俺に気付き、
ゆっくりと見る
『お子様よりは(無駄な)脂肪が多いですよ〜』
さてこっからどーする?
まず譲ちゃん逃がさないとな〜
あのえいりあんは?
斬るか?
えいりあんとはいえ人間だから斬り辛い
『譲ちゃん!俺が食い止めるから早く逃げろ!!』
俺に食らいつくときに逃がせばッ!
ガラッ
沖「真選組だァ!神妙にしろえいりあん」
総悟!!
やっと着いたかサディストめ…
「グォオオオオ」
別のえいりあんが総悟に襲い掛かった
ザッ
斬った
だが
沖「何!?」
斬っても斬っても体が戻る
液体だからか!?
「助けてェ!!誰かァ!!」
えいりあんは俺がいないとでも言うように
少女に襲い掛かる
俺は不味いんか?
まぁ不味いかもしれんがよ〜
無視ってのはかなり胸糞悪ィんだけど〜
応援隊はすでに別のえいりあんと戦っていた
「お兄ちゃん助けてェ!!」
えいりあんはまだ少女に向かっている
周りを見渡した
若い女?
アイツらが食べていたのは若い女か…
男より女…
老婆より若い女…
「いやぁ!!」
少女が近くに落ちていた
誰かが対抗する為に使ったであろうナイフで対抗した
ザシュッ
『すぐ治るから無駄だ!!早く逃げろ!!』
しかし
『戻らない?』
少女が斬ったところは戻らなかった
そうか!!
えいりあんにとって女は食であり弱点なんだ!!
ザシュッ
沖「ぐっ…」
『総悟!!』
総悟が噛まれた
まだ食べられていないが、利き腕をやられた
よく見ると、皆やられている
どうする!?
あいつは女でしか斬る事ができない
だが此処には女は少女しかいない
否
いるんだ
俺が…やるんだ
ビリリッ
服を破り
サラシを見せる
沖「なッ!?」
土「何!?」
『俺は女だァ!!食うなら掛かって来い!』
近「やめろ!無茶だ!」
『コレしか方法がないんでね…プライドなんか捨ててやるさ』
「がぁああああああ!!」
えいりあんの目つきが変わった
そりゃ
10歳の少女より
この年頃の女の方がおいしいよな
『掛かって来い』
別に俺は女ってバレても良かった
女ってバレる事より
コレ以上皆の傷つくのが見たくなかった
「がぁああああ!!」
えいりあんのスピードが変わった
近「斬っても元に戻るぞ!止めろ!!」
『大丈夫!俺に考えあんだよ』
普通に斬ってもダメだ
俺は皆が戦っているのを見ていて核心した
アイツの心臓は今喉元ある
人間の心臓じゃない
本体の心臓がだ
ダッ
ダンレボから飛び降り
えいりあんの喉元めがけて腕を伸ばす
『おらぁぁああああ!!!!!』
ザクッ
グシュッ
『ぐっ…』
ポタッ
ポタッ
噛まれた
骨も折れただろう
だけど
刀はえいりあんの喉を貫いている
「ぐぉおぐぁあああ」
バタッ
えいりあんは雄たけびを上げて倒れた
じゅぅううううう
他のえいりあん諸共一緒に蒸発した
『アレが親玉…か…』
くらっ
目の前が真っ白になった
出血しすぎか?
バタンッ
「「「!?」」」
倒れ様にみんなの顔が見えた
『ん…?アレ?』
目が覚めたところは病院
もう真っ暗な夜だ
土「気が付いたか…」
『土方さん!!』
ガバッ
ズキッ
『グッ…』
勢い良く起き上がったら腕に激痛が走った
土「無理すんな…腕が噛まれて食われる寸前だったんだ…
噛んだ奴が親玉だぞ!親玉の牙には猛毒があんだよ…」
マジでか…
土「無茶しやがって…」
『スンマセン…アレ?他の人達は?』
土「近藤さんは屯所で書類を書いてる、総悟は治療中だ」
『総悟…腕大丈夫っスか?』
土「オメーよりは大丈夫だ。意識も保ってたしな」
『うっ…』
土「…オメーが女だったとはな」
『あ…覚えてたんスか…忘れてくれたらよかったのに〜 いっそこの花瓶で頭殴って記憶ポーンってやろ…』
土方さんが真剣な顔だったから
言葉が続けられなかった
土「……何で黙ってた?」
土「考えれりゃ前に性別なんて態々聞いちゃいねーが…黙ってたのはオメーだ…何でだ?」
『特に理由はないっすよ?だいたい総悟は知ってるし』
土「はぁ…アイツが黙ってたことも信じらんねーな」
『クビ…ですか…』
土「誰が んな事言ったよ」
『へ?』
土「近藤さんも俺も、総悟も、隊の奴等も誰もお前を辞めさせないさ」
『いいんですか?』
土「あぁ」
やった…
『やったよォォオオ!!!』
土「煩ェ!!此処は病院だァ!!」
自分だって煩いじゃんかよ
ガララ
沖「しつれいしや〜す」
『総悟!!』
沖「何だ…起きてたんですかィ…チッ」
今舌打ち聞こえたよ?
ねぇ空耳?
ねぇ教えて!!空耳?
沖「大丈夫ですかィ?」
『そっちこそな』
お前だって腕食われそうだったじゃん
沖「それにしても…バレちまいやしたねィ」
『おかげさまで』
土「じゃぁ俺は帰るな。気が付いたって近藤さんに伝えねーと」
『じゃ〜な〜』
ピシャッ
沖「……が無事で何よりでさァ」
総悟…
『あんがとよ』
そして窓から空を見上げた
『綺麗な夜空だな…』
銀色に輝く空
一見銀時を思い出すけど
それよりも此処に入った頃を思い出す
俺は今真選組なんだ
これからも
ずっと…
それから一週間程通院し、
ギブス生活が続いた
否な思い出になっちまったな〜
忘れられねーよ
忘れちゃならねェ
これから起こる事の為に
〜後書き〜
今回はシリアスです
スンマセンね…誤ってばかりの管理人です
タイトルは…あんま関係ないっスね
ただシリアスって感じにしたかったんでつい…