夢に向かって〜とか臭いセリフ吐く奴見てみたい
懐かしい感じがする。
半年前感じたこのぬくもりが
再び俺のところへ戻ってきた
ふわりと俺の体を包む、この感じ
ああ
皆と会える
俺の中で何かが蠢いていた。
第三訓 夢に向かって〜とか臭いセリフ吐く奴見てみたい
光が無くなる。
まぶしかった光が薄れて、太陽の光が顔を照らす。
兄「懐かしいだろ?」
右に居た兄貴が俺に問う。
『ああ。』
スゲェ・・・戻ってきた・・・
俺、戻ってきたよ、銀魂の世界にっ!!
否これが俺の本当の世界なんだ
久しぶりに見る場所をじっと眺めながらキョロキョロ歩いている時だった。
後ろから誰かが近づいてくる気配。
誰だ?
「オイ」
肩を掴まれる。
この手の感触・・・何処かで・・・。
「お前怪しいな、ちょっと来い」
え・・・この声・・・
一瞬泣きそうになった。
涙もろいわけでもないのに。
俺は咄嗟に今沸き起こる興奮を抑え、振り向く。
『きゃっ新種のナンパ?そんなんじゃ女の子ついてこないゾ☆』
「うっざ!?何コイツうっざ!!」
『でもごめんなさい。私煙草吸う人嫌いなの』
「なぁ、何処か消えてくんない!?」
『アンタが呼び止めたんじゃん』
「悪かったな!!」
やっぱり・・・この声この顔このツッコミ・・・
土方さんっ!!
兄「お〜土方さん。」
土「なんだ、かよ。」
スゲェ・・・久しぶりに会った。
懐かしい・・・
やっぱ今更だけど、カッケぇぇえええ!!!
なんか、腐女子の気分が戻ってきたよ。
初めて土方さんと会った時みたいに凄く心躍ってんですけどっ!!
ヤベェ・・・抱きしめてぇ・・・
兄「・・・お前顔ゆがんでんぞ。」
耳打ちしてくる兄貴。
『うへ!?』
兄「・・・なんだよ"うへっ"って・・・」
う・・・だめ・・・マジダメ。
『・・・・・・触りたい』
兄「怖っ!?この子変態!?変態発言!?」
土方さんが俺を遠い目で見てくる・・・
土「なあ、はどうした?」
兄「『は!?』」
まだ気づいてないのか、俺だって?
化粧とか・・・全然してないんだけど?
兄「え、ちょっ・・・あ〜・・・うん。」
何言ってんのかさっぱりですが、お兄さん?
すると何かを決心した様な顔になる
兄「実はが来たくねーとか言いやがってよぉ・・・
あ、ちなみにコイツは俺の従妹ね。」
買nァっ!?
え、ちょっ、何言ってんの!?
無理があるだろ〜ソレ・・・
土「・・・そ・・・うか・・・。確かによく見ると似てる・・・」
少し残念そうな顔をする。
の顔を見て少し胸に違和感を覚えて。
だが、本人は気づかない。
土「・・・名前は?」
『ぅえっ!?・・・あ、その・・・』
待て待て待て。
俺の名前!?
思いつかねーよ、んなもんっ!!
どーすんだ、コレ!
兄ちゃんがあんな事言うからっ
土「あ?言えねーのかよ。」
う〜あ〜・・・
焦る。
・・・仕方ないっもう適当でいい!!
『ですっ!!』
土「・・・・・・か・・・・・・。」
な・・・。ともう一度俺の作った名前を繰り返す土方さん。
土「とりあえず、行くか」
『行くって何処へ!?』
俺達を背に歩き出そうとしていた土方さんを呼び止める。
土方さんはゆっくりと振り返って、呆れた様な顔で言った。
土「何処って・・・屯所に決まってんだろ」
いやいやいや
決まってはいないからね。
何勝手に決まってんのかな。
何でこうすんなりと話進んじゃってんのかな。
まるで小説だよ、コレ。
小説の話みたいだよ。
あ、みたいじゃなくてそうか
って禁句だって何度言ったら分かるんだ!
って俺は何度一人ボケツッコミしてんだよ。
大丈夫か、コレ。
俺の頭大丈夫なのか?
いや、自問自答してる時点で痛い奴だよな。
そういや言ってたな〜最初にこの世界に来た時に
「俺は痛い子じゃなぁあい!!」って。
実際俺って痛い子なのかもな。
ホント、自分で考えてそう思うよ。
なんでこんな場所で一人こんな事考えてんのかも意味不明だよ。
ホント、痛いわ。
自分で言ってて痛いわ。
土「――・・・ぃっ・・・オイっ!!」
『っふわいっ!?』
ヤベェ、なんか暫く一人考え込んでたせいで俺全然聞いてなかった。
土方さんの顔から少量のイライラが感じ取られます。
アレ?何この文?なんか、レポーターみたいになってね?
俺凄くね?俺カッコよくね?
土「オメェ、、、何考えてんだ?」
『あ、スンマセン』
・・・・・・。
また自分一人の世界に入っちまってたよ。
ヤベェヤベェ
屯所か・・・
じゃ、総悟とか、近藤さんとか・・・ジミーという名のザキとか居るんだよな。
兄「な、その訂正した様なしてない様な山崎の名前は突っ込んだ方がいいのかな?」
『えυ何言ってんだい?何で俺の心の中の言葉が分かるんだぃ?』
兄「・・・・・・お前忘れたのか?・・・お前心の中の発言よく口に出すだろうが」
・・・・・・恥ずかしいっ!!
ワスレテタ!!
俺、第一弾の方での一話目からやっちゃってたんだ!
あーあ、何やってんだよ・・・俺。
『あ〜・・・でも土方さん、遠慮しておきます』
兄「なあ、何で其処スルーした?思いっきり俺の発言シカトしたよね?」
『おれっ・・・じゃなくて・・・わ、私、まだ江戸で見ていたいので。』
兄「オーイちゃーんっ!!」
危ない危ない。
今女装してんのに、"俺"なんて言ったらアウトだよな。
兄「うっわ。心の中まで俺の発言アウトドアじゃん。眼中に無いじゃん」
土「アウトドアって何だよ、オイ」
兄「土方さん・・・ありがとう・・・・・・ぅぅっ・・・(泣」
土「何で泣くんだよっ!!」
にとって無視され続けた時に土方さんのツッコミは優しくされたも同然だ。
久々に優しさに触れられた様な感じがして、自分の感情が思うようにコントロールできない兄貴が居た。
俺はそれを最後までシカトし通すと、二人から離れて言う。
『夢に向かって突き進めレッツゴー!というワケで、さよならお二方様』
俺はそのまま歩き出した。
懐かしい江戸の土を一歩一歩踏みしめつつ、光景を目に入れて、頭の中で全てを感じる様に。
その後ろ姿を呆然と見る二人の男。
の行動に疑問を抱いていた。
何だアイツ?と思ったのは土方。
それに大しては、何でだ?と思っていた。
すぐにでも総悟に会いたいだろうに。
だが、すぐさま切り替えた二人。
「・・・・・・今の痛いセリフ、突っ込んだ方がよかったか?」
それをどちかが最初に言ったかはまた別の謎。
***
『さあて・・・何処を見て回ろうか?』
今の俺は観光の気分だった。
久しぶりにきた江戸の町は、居なかった日々が浅いのに長く感じて
「銀魂の世界に遊びに来た」という面持ちだった。
何で俺が屯所に行かなかったか?
まだ、会いたくなかった。
俺の心境は今矛盾してる。
会いたいけど、会いたくない。
声が聞きたいけど、聞きたくない。
会ってしまったら
顔を見てしまったら
声を聞いてしまったら
俺は、この世界に慣れてしまうから。
ずっと居たいと思ってしまうから。
俺はまた再び帰るつもりだった。平成に。
旅行気分だったから。此処に来たのは。
だから、ちょっと、もうちょっとだけ。
楽しみにさせてくれ。
怖いのかもしれない。
離したくないのかもしれない、この世界での幸せを。
だからこそ、俺はまだ会いたくない。
なぜ俺はそう思ってるんだろう。
別にずっと居たっていいじゃないか。
俺、最近気づいた事があんだ。
平成に戻った時からなんとなく胸に違和感があって
チラチラと視界に映る奴がいるんだ。
なぜだか分からないけど。
ソイツに会いたくて仕方なくて・・・
『どうしようもねーんだよぉっ!!!』
いつの間にか叫んでいた。
何処から何処までが口に出ていたのか分からないが、
周りに居た人たちが驚いて此方を見てる。
「だ・・・大丈夫ですか?」
あーあ。心配されちゃったぃ。
そういや初めて此処に来た時もそうだったなぁ・・・。
『だ、大丈夫です・・・υ』
あーあ。そうそう。
確か、この人エスパー!?って一人盛り上がってた気するわぁ・・・
そういえば、初めてあったのって・・・・・・総悟だったよなぁ
ふと右を向くと見たことのある狭い道。
そうだ。こんな・・・・・・こんな場所で会ったんだよ。
おっと、また声出してないよね?
「ないでさァ」
お〜そっか、よかった。
って・・・
何で返事返ってんだよっ!!
バッと後ろを振り向く。
でも、誰も居ない。シーンと静まり返っていた。
何だ・・・聞き間違えか。
前もこんな風だったからもしかしたらと思ったんだけどな・・・
と思って前に向きなおした時だ。
「こんな所で何してんでさァ、お嬢さん」
『ぎゃぉすっ!!!』
目の前に見たことのある整った顔。
聞いたことのある低いが澄んだ声。
あまり変わってない全てが・・・俺の胸を躍らせた。
そ・・・そう・・・ご・・・・・・総悟っ!!
涙が出そうだった。またかよっ!
どんだけ俺は涙腺が緩いんだよっ!
でも、会えた。
やっと。
沖「・・・なんか、見たことある様な顔してまさァ。」
あれ・・・?
またもやバレてないっ!?
嘘だろぉぉおおお!!!
名乗りたい。
そして・・・抱きつきたい
でも此処は我慢だ!
くぅっ辛いぜ!
コレも兄貴のせいだ!!
否、俺のせいでもあるか?
いやいや。兄貴が悪いんだよ。
ああっ!
なんて俺は悲劇のヒロインなのかしら・・・。
沖「思考回路お取り込み中悪いんですがねィ。俺はもう帰ってもいいですかィ?」
『うわっ、わる・・・じゃなくてごめんなさいっ!!』
うっわ〜ヤベェ。
俺口に出してなかった?
なかったよね?
なかったと言ってっ!
『あの、私って言います。の従妹です。』
今にも歩き出しそうな総悟を呼び止める。
俺が偽名を告げると総悟は此方をゆっくりと向いた。
沖「・・・の・・・・・・従妹・・・?」
振り向いたその顔には驚きが混じっていて
久しぶりにそんな顔を見た俺は少し嬉しかった。
笑った顔はいつでも思い出せた。
頭にも深く刻み込んであって
携帯の待ちうけにも、データフォルダの中にも入ってる。
だけど、驚いた顔なんて、そう見れるもんじゃないし。
あーあ。なんだろう。
嬉しい反面、胸がチクリと痛む。
俺が嘘をついてるから?
それとも
総悟が本当の俺を見ていないから?
『はい・・・・・・今日から暫く江戸に滞在する事になりまして・・・』
なんだかな〜
今この着物剥ぎ取って男の格好したい。
そんで実はでした〜!って叫びたい。
そんで総悟を抱きしめたいっ
でもできない。
今更できないし・・・
いきなり抱きしめたってなんか・・・変態にしか見えないじゃないかυ
沖「・・・そうですかィ・・・。何処に泊まる予定で?」
『え〜っと・・・・・・まだ・・・』
そういや屯所でいいのか?
なんかそんな様な雰囲気だったよな、さっき。
でも此処で「屯所です〜」とか言って
総悟が「は?不法侵入で訴えやすぜ」とか言いやがったらどうすつよ?
俺絶対ぇ立ち直れねぇ・・・
沖「じゃ、屯所に来やせんかィ?」
『え!?』
驚いた!あの総悟が勧誘するなんて・・・(なんか違う
人とはあんま接しませんよ〜的な総悟君が・・・
感心感心。
貴方もようやく成長したのね・・・
俺の近所に住んでたオバサンが飼ってるポチも喜んでるよ。
ああポチ。お前も成長したんだな〜
あ、違う。総悟。
総悟も成長したんだな〜
沖「で、そうするんでィ?」
『ポチが喜んでるのでそうさせていただきます』
沖「は?」
『否失敬・・・俺の中のポチが喜びのあまり走り回ってたのでつい・・・』
沖「どのようなつい!?」
『ポチはいい奴だったんだよ・・・とっても・・・いい奴だったんだよ
そう・・・まるで死んだポチのように・・・』
沖「まるでになってねーから!!そのまんまポチだから!」
『そんな「そのま○ま南」みたいな言い方しないでください。そのまんまポチなんですから』
沖「・・・なんかスッゲェ疲れてきた・・・」
大きなため息をつく総悟の表情を見てみると確かに疲れてる事が分かる。
でもその表情の中に
何とも言えないような・・・・・・笑ってるとでも言える柔らかい笑顔があった。
沖「とにかく、来るんですよねィ?」
ポケットに手を突っ込んで俺の顔を見る。
俺はそんな総悟の目を見て答えた。
『はい・・・お願いします』
俺に背を向け歩きだす半年前見た大きな背中を
半年前の様にじっと見つめ歩き出した。
再び始まる俺の江戸の生活。
未来に待ち受ける俺の歩みをさえぎる壁。
全てを見通す事はできないけど
頭にどんどん浮かんでくる俺の未来が全て楽しい物である様に
俺は願って一歩足を踏み出した。
NEXT
〜後書き〜
遅くなりましたυ第三訓やっとですよ・・・。
本当はもっと長くするつもりでしたが切る事にしました。
あまり期待のできない作品ですが気にせずお読み下さると本望です。
最近ギャグが思いつかなくてブランク状態でした。すみませんでした。
これからもギャグがどんどんなくなっていくかもしれません。思いつけ俺っ!!
こんな痛い人間ですが、いろいろとよろしくお願いします。

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感想も下さると嬉しいな〜なんて・・・
2007.09.17 風雅 漣