戻るとか進むとか来るとか行くとかどうでもいい



アホだアホだアホだ。
ありえないありえないありえない。

なんでだよ。
なんで、兄貴が居るんだ!!

だって、今は銀魂の世界・・・というか居るべき世界に居たはず。
なんで俺の目の前に居るんだ。
なんで俺の目の前でバカの笑いを浮べているんだ。




第二訓 戻るとか進むとか来るとか行くとかどうでもいい




沙希に呼ばれてると聞いて門まで来た。
門を見たが誰も居なくて、外に出て周りを確認。
いきなり視界が暗くなり、
次に見えたのはアホの顔。

そして聞こえたのはバカな発言。
何が「折角だ〜れだ?」だ。何が「再会を祝そう」だ。
目隠しで再会を祝すだぁ?
世の中の子供は皆何かを祝ってんのかっつーの。


兄「いきなりなんだよ〜折角わざわざお前を迎えに来てやったってぇのに。」

『は?』


今何つった?
一瞬耳を疑った。迎えに来た?俺を?


『どっ・・・何処へ?』


決まってる。聞いても無駄な事も分かってる。
答えは一つだ。
だけど、何で今更俺を呼ぶ?
俺はこの世界で生きようと決めたのに。
なんでわざわざ俺を元の世界へ引き戻そうとする?このクソ兄貴は。

なんでわざわざ・・・




会いたい。会いたいのは確かだ。
自分の気持ちに正直になれば皆の元へ戻りたい。
最初は逃げてた。皆から恐れられるんじゃないかって。
だけど、皆の気持ちを知って、俺は皆に頼りすぎてた事をあらためて思い知らされた。
だから俺は自分一人で生きていく事を決めたんだ。

なのになんで・・・


兄「何で?って聞き足そうな顔してるな。」

『・・・当ったりめぇだろ。』

兄「そりゃな。」


にっと俺に笑いかける兄貴。
久しぶりに見たこの笑顔、何故か温かく感じた。



兄「ま〜簡単に言えば」

一息置く。時間をもて遊ぶかの様に。
兄貴は俺の目を見つめた。
言いそうな事は頭に浮かんでいる。もったいぶりやがって。一発殴ってやろうか。

兄「お前に帰ってきて欲しいわけだ。」 



ほらな。だと思ったって・・・・・・は?

いや、おかしいだろ。答えになってでーだろ。バカか、バカなのか?コイツ。あ、バカか。
ってそーじゃない。
俺は「に会いたかった〜。折角来たんだし、どっか遊びに行こう」とかそんな感じだと思ってた。


兄「あ〜・・・その顔は"は?"って感じだな。」

『ええまあ。そう思ってました。はい。』


ありえないありえないありえない。
確かに皆に会いたいと思っているのは事実だ。
でも、そんな急に?自分で納得できてない今?

兄「とにかく、戻って来『なんで?』

兄「・・・そんな即答すんなよなぁ・・・」

『だってよぉ・・・』

兄「ま、お前の気持ちも分かるがな。一回しか言わねぇからよく聞けよ。」


兄貴は軽く喉を鳴らす。
そして、真剣な顔になった。



兄「大変なんだ。」

『・・・なんか事件あったのか!?』

兄「ああ・・・。ソレがな・・・
俺一人じゃアイツらの世話できねぇんだっ!!」

『殴られてぇか?』


兄「ちょっちゃんと話聞けって!!」

『んだよ、ただお前が俺に助けてもらいたいだけじゃねぇか。』

兄「そーなんだけどねっ。そーなんだけどねっ。聞いて。ちゃんと話聞いてっ!!」


仕方なくアホ面した兄貴の話を聞いてみる。
コレでアホな事言いやがったらアイアンクローな。



兄「が居なくなってから、やっぱり屯所や万事屋の空気が重くなってな。
ソレで皆イライラし始めてんだ。特に総悟が暴れだしてよぉ、誰も抑える事が出来ねぇ。
仕方ねーから土方さんが半日でもいいからを連れ戻して来いって言ってきてよ。
坂本の所へ行ってに渡したものと同じ奴を貰って来たってワケだ。」


再び笑う兄貴。だけど、今度は苦笑いだった。


『目の前で笑う兄貴を一発殴って自分を納得させてもいいですか?』


言った瞬間兄貴にプロレス技をかける

兄「っつぅう!!痛ぇええ!!お前聞いといて俺の返事待ってねぇじゃん!!
しかもそれジャャーマン・スー・プレックスじゃんっ!!殴ってねぇじゃんっ!!」




『ギャーギャー煩ぇな。うし。じゃ次は、"いっちゃうぞエルボー"』

兄「ぎゃぁっ胸痛っ!!何ソレっ!!聞いた事無いんですけどっ!」

『実際あるから。今度調べてみ。』

兄「どーでもいい豆知識は要らねぇ!!
痛い痛い痛い!!ゴメンなさい。エビ固めしないでくださーい!!」


『止めだぁ!!スイちん!!』

兄「いやぁああ!!ソレ本当に息止まっちゃうから!!やめてぇええ!!いやぁぁあああ!!!」


は足を横に伸ばすようにして、の股間を蹴り付けた。

『チーン。の前で倒れこんだ。HP−100』

兄「・・・なにそのゲームみたいな解説・・・」

『まだ生きてやがったのか、死ねっ!!』


ダブルスイちん。は今度こそ気絶した。


『スイちんというのは、股間へのトラースキックの事なんだ。良い子の皆は真似しないでね。』

ちなみにトラースキックは足を横に伸ばすようにして、顔面を蹴り付ける技の事を言うんだよ。



そんなカメラ目線は要らねぇえええ!!とは心の中で叫んだ。
何故なら、声を出す事も想像以上の股間の痛みでままならなかったのだった。


『じゃーな。あの世じゃ幸せに暮らせよ』


死んでねぇっ!!という言葉も心の中で必死に叫んだ。
痛くて痛くて死にそう。。。
は涙目でそう思ったとさ。


・・・何昔話になってんの?



***





俺の必殺技「すいチン」のせいでぶっ倒れた兄貴をずるずると引きずり向かったのは武道場の倉庫。
其処で話を聞こうじゃないかというワケだ。

『オラ、起きろ』

兄「・・・お前・・・お、俺を・・・殺す気・・・か?」

『あ〜・・・そんなに痛かった?』

兄「あったりめぇだろっ!!」

『なんだ、元気じゃん。』

兄「そーゆーワケじゃねぇっ!!」


あーあ。怒っちゃった。ま、いーや。

頭を掻きながら怒る兄貴を見る。
それが反省する態度かとか言われたが、反省の色は全く見えない。


兄「・・・ま、もういいや。俺、疲れた。」


ついにも折れたようで・・・否折れたというかただ疲れたんだ。
はその場で座り込んだ。


兄「とにかく、戻ってきてくれねーか?」


の意思は固い。そう簡単には折れてくれないだろうとは思った。


『・・・・・・いーよ』

兄「・・・へ?」


開いた口が塞がらないというのは大袈裟だが、思ってもみない言葉だった。


『へ?じゃねぇよ。行くつってんだろ、元の世界へ』

兄「いやだって、お前さっきは・・・」

『だって、そーでもしないとこの小説やってけねーじゃん』

兄「お前ソレ禁句ぅぅうう!!」





『・・・はぁ・・・。思ったんだよ、確かにアイツら止めれるの俺だけだって。』

兄「いや、お前の場合逆に状況悪くするだけだろ。お前乗るじゃん」

『な、此処はカッコよく決めさせてくんない?なぁ、折角いい事言おうと思ったんだから、言わせてくんない?』

兄「あ、どーぞ」

『もうこの空気の中言えるかっ!!』


ったく。やってらんねぇ・・・
くそ兄貴。


ま、思ってみればあいつ等に会いたいし。
俺が此処に来たのだって自分の意思。
向こうで暴れた件については俺の意思が弱かったことが原因。
事実悪いのは悪の組織・・・とかいう言い方は幼稚だな。ま、この際どーだっていいか。
でもそんな甘くない世界。だからこの世界で一からやり直そうと思った。


でもま・・・


『・・・そろそろ戻ってもいいんじゃないかなって・・・思ったんだ。








皆に会いたい。』


空を見上げる。空を見上げたって無意味だけれど、
俺は皆の事を考える時、こうして空を見上げていた。

皆と心が通じ合っている気がして。
同じ空を見ている様な気がして。





兄「だと思ったよ。」

俺の頭をくしゃくしゃっとかき乱す兄ちゃん。
あ、兄ちゃんなんて久しぶりに言ったな。

『戻ろっか、兄ちゃん』

兄「・・・フッ。そうだな、バカ妹よ」

『バカとは失礼だな』

兄「本当の事だろ。」


ま、確かにそうだけど・・・



でも、皆に会える。


そう思っただけで、心が晴れ模様だった。






兄「あ、一つ言い忘れてたけど、土方さん以外お前来ること知らねーからお前女装しろ。」

『はあ!?』


え?何言ってんの?コイツ

意味分かんねぇ。なんで女装!?
は?はい?ちょっ、マジ!?何でぇ!?


『なっ、何の意味があんだよ』


兄「だって、アイツらお前はまだ此処に居ると思ってんだ。
普通に久しぶりって言うより、驚かせた方がいいだろ。
だから、お前はとは別人だと思わせておいてそんでドッカーンよ」


はっはっは。
此処にバカが居た。俺よりも酷いバカが居た・・・。


兄「まーまー。じゃ、とにかく行くぞ」

『ちょっ、今からかよっ!!俺こんな恰好だぞ!?着物はあっちで着替えるとして、この恰好誰かに見られたらヤバイだろ!!』

兄「あ、そっか。じゃ、もういっその事着物に着替えてそのまま行こうか。」

『・・・ホント、適当だな、オイ』



ま、いっか。もう。

皆に会えるのならそれで。







数十分後。
俺は久しぶりに女モンの着物を着た。
着付けに思ったよりも時間をかけてしまった。

懐かしいな。。。
でも、はっきり言って歩きにくい。
やっぱ、着流しが良かった。

でも、兄ちゃんが言ったみたいにするのも悪くない。
面白そうだ。


兄「・・・いいんだな?


はっ。今更何言ってんだよ。


『迷いは無いぜ。』

兄「そうか。行くぞ。」



待ってろよ、お前ら!
今から俺が・・・会いに行くから!

でも少しの間は騙されててくれよな




俺を楽しませてくれよ。



一気に小瓶に入った液体を飲み干す。
同時に、俺達の体は光に包まれた。



うし。俺の騒がしい日常の始まりだ。




NEXT

〜後書き〜


どーもこんにちは!!第二訓できました〜。またまたぐだぐだ感あふれた文章で・・・
ま〜このままのぐだぐだ感で続いて行きますのでよろしくお願いします(オイ
あ、今回こそは、ちゃんとヅラ出そうυ(そーしてください
ギャグもまだまだ少ないからどんどんアイディアを絞って行こうと思うので、ま〜気楽にね、読んでくださると嬉しいです。
では次回は〜君大暴走っ!!とか言うのは冗談です。はい。すみません。
次回は誰かさんと再会します。そりゃ〜なんとなくは分かりますよね?
あ、期待は外すかもですよ?とにかく、お楽しみに〜・・・はしないほうがいいです(オイ



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感想も下さると嬉しいな〜なんて・・・


2007.07.27 風雅 漣