泣きたい時は笑え
第十一訓 泣きたい時は笑え
いやーみなさんこんにちは♪
俺ね、今海に来てるんだヨ♪
俺の前に広がるのは‥‥
広くて青い海
透き通った大空
輝く砂浜に太陽‥‥
そして‥‥
むさい男達のすね毛と色鮮やかな海パン
いいだろー
羨ましいだろー
海だぜ?
海っ!!
さいっこーに気持ちがいい‥‥
わけねーだろうがぁぁッ!!!
ぶっころすぞテメェらっっ
はい、今にも周りの男共をぶん殴りそうな勢いのです。
が
俺の表情はいつも笑顔です^^
沖「おい、きもい」
『うっせ、黙れ^^』
沖「何笑いながら怒ってんでィ
みなさーん、コイツキモいですよー。近付かないでくださいねーアホがうつるんで」
『マジで殴るぞ、オラ』
総悟の襟を掴み、自分の方に引き寄せる。
思いっきり睨み付けた‥‥
その時――
『‥ぶほッッ!!』
俺の口と鼻から赤いものが吹き出した‥‥。
沖「んなっ!?汚ぇ!!」
っつぁーっっ
久々にキタこれっ!!
あ、ktkr
ってどーでもいいわ、んな事っっ!!
襟を引っ張った事で緩んだシャツの首元から
総悟の肌‥‥そして胸元が視界に入ってしまった。
相変わらずセクスィーだぜ、ムカつくくらい。
『ブッ‥‥(血』
沖「なんでィさっきから気持ち悪い‥‥」
オラ手ぇ離せ、と無理矢理払われた。
そしてそのままの勢いで綺麗に腕を鼻の位置に持ってくる。
フッ‥‥これぞ流れ技ッ★
沖「んなかっこつけてる状況じゃねぇだろ、早く止めろソレ。気持ち悪い」
『さっきから俺、キモいとしか言われてねーんだけどυ』
ま、言われても仕方ねぇのは分かってるよ!!
でも止まんねーんだもんよぉっっ
ドクドクと未だ溢れ出てくる鼻血。
抑えようと試みるが、全て無駄足だった。
大体、総悟がイケメンなのが悪いんだよ。
つーか何?
前はバカ(管理人)。
今日はお前ら。
俺に喧嘩売ってんの?
何でこうも、
俺の周りってイケメンばっかいるんだよっ
「おーい、たいちょー!ふくたいちょーぉ!!こっちで一緒にナンパしましょーよー」
あ、ごめん。
コイツらは例外。
隊士は基本ごついおっさん。
そら運動神経バツグンだし、まだ若いっちゃ若いが‥‥
20代〜30代のワリに顔がごっつごつだから、モテねーんだよな。
だから、総悟を使って女の子を捕まえたいんだろう。
俺が言いたいのは、こういう奴ら。
土「総悟、、ここで何してんだ」
沖「いやぁね、土方さん。このバカ、俺のやらしいボデー見て興奮した挙げ句この様でさァ」
土「自分で言うか、それ?」
そう真選組のイケメンと言えばこの2人。
まあ、榛原もイケメンの類ではあると思う。
山「あ、いたいた!!探したんだよ、」
『あーワリ。ザキにジュース頼んだままだったな』
はいコレ、と渡された一応は冷たいジュースを一口飲む。
飲みながら、ザキの顔を見てみた。
まぁーザキも悪くないっちゃ悪くないな。
つーか、中の中って感じ。流石密偵‥‥
『地味だわ』
山「ねぇそれジュースの味?それとも俺に言ってんの?」
『やだなぁ、そんなわけないじゃん』
山「だ、だよねぇ?いくらだからってそんな酷い事‥‥」
『うん、ザキの事に決まってるじゃん。
いくらなんでもジュースだったら可哀相』
山「俺のが可哀相ッ!!」
『まぁそれは置いといて』
山「置いとくなァッ!!」
あ、そうそう。
説明がものっそい遅れたんだけどさ。
俺ら、真選組は全員で海水浴に来てます。
今回はどうやら万事屋はいなさそうで一安心。
いたら絶対何かが起こる。
去年の海水浴は散々だったけど
今年はみんな俺が女だって知ってるからムリしなくたっていいし
それ以外に問題なんて無さそうだから楽しみたい。
そう思うんだけど‥‥。
俺の右腕に巻かれた痛々しい包帯。
あ、自分で言うなとか言うなよな!
とにかく、
コレがあるから自由が利かない。
海に入れるのは足まで。
でも俺はそれで構わねぇんだよ。
それなのに近藤さんときたら過保護って言うか‥‥。
危険だからあまり遠くには行くなって言うし
風呂は俺が洗い流してやるとか言うし
つかソレセクハラだろってんで
言われた瞬間、俺と
何故か急に現われた総悟と土方さんが抹殺した。
近藤さんはホント、過保護過ぎる。
さっきもパラソルの下で座っていたら
どこからかビーチボールが飛んできて
それくらい避けれるし、
足が使えなくても左手で払えるってのに
血相変えて走ってきて・・・
近藤さん、顔面でボール受けてた。
マジ、娘が大事過ぎるバカな親父か。
ま、とにかく。
みんなが海で好き勝手騒いでる間、
俺は涼しげな恰好でパラソルの下でずっと座っていた。
見てるだけなのはクソつまんねぇけど
体が動かねぇのは事実だし
たまに土方さんが来たりしたから退屈ではなかった。
土方さん、騒ぐの嫌いだもんな。
ま、たまに暑くて死にそうになったら海に足だけ浸かったりもした。
普段のみんななら、
服着てようが俺を海に突き落とすんだろうけど
怪我人だからか逆に心配されるばかりだ。
なんか‥‥変なの。
変と言えば総悟だ。
最初の方はみんなと騒ぎまくってたが、
暫くしたら濡れた髪でやって来て
そこにあった自分のシャツを着たと思ったら
疲れた、と俺の隣に腰を降ろした。
もしかして、何だかんだ言って気ぃ使ってくれてんのかな?
沖「おい、血ぃ止まったか?水飲め、水。熱中症になるぞ」
『‥‥誰?』
誰コレ誰コレッ!?
隣にいる人誰ぇぇええ!!?
総悟じゃない!!
こんなん沖田総悟じゃない!!
『気持ち悪ッ!?』
沖「てめぇ斬るぞ」
『すいません』
チラッと横目で総悟を見る。
すると、目の前にペットボトルが差し出された。
『え‥‥』
沖「だから‥‥飲めって言ってんだろィ」
『ぅぐっ!?』
キョトンとしていると、構わず口に突っ込まれた。
いらいいらいいらいッ!!(痛い痛い痛い!!)
口が避けるーー!!
『もがもがッ‥』
沖「そうかそうかウマいかー。遠慮しねーでもっと飲め」
『んぐっ‥』
沖「え?ありがとうございます総悟サマ?いやいやどって事ねーよ」
前言撤回。
やっぱいつもの総悟だ。
と思い直したんだけど‥‥。
沖「‥‥」
『え?』
口が自由になった瞬間、総悟の顔が近付いてきた。
え。何?
はぃぃいい!?
沖「‥‥」
え。ちょ、総悟。
顔近いーーっっ
『総悟、どうしたん‥‥』
ドクン。
迫ってくる真剣な顔に、自分の顔が熱くなっていく気がした。
嘘だよな?
冗談だよな?
やーい、騙されてやんの
とか言うんだろ?
大体今までそういうラブシーンとか無縁だったじゃん!!
それに俺ら付き合ってねーしっ
俺らほっぺにちゅーしかしてねーだろ‥‥って
あ、意外にあんじゃん。
ってちっがーーっう!!!
『ちょ、待て総悟、ステイ!!』
沖「‥‥‥‥頭痛い」
『え?』
ドサッ――
総悟の顔は俺の横を通り過ぎ、肩に重みがかかった。
『総悟っ!?』
シャツ越しに伝わる総悟の体が、とても熱く感じた。
『バカ、お前が熱中症になってどーすんだよっ』
額に手を当て、熱を測ってみる。
その時俺の腕にギュッと力が入れられた。
総悟の右腕が額に当てていた俺の左腕を掴んで
倒れた時に右肩にかかっていた総悟の左腕が、俺のシャツを握り締めた。
沖「水ぅ‥‥」
『バカ、痛ぇって。つか脱げる!!離せコラ』
いつもなら頭を軽く殴ってやるのに
今は利き腕故障中。
左は総悟によって動かせない。
てかこれじゃ水も取れねーよ
『土方さーん、助けてくださ‥‥』
沖「奴の名を言うんじゃねぇ」
両腕の力が強まった。
痛ぇよ‥‥υ
それに服引っ張り過ぎだっつーの、肩が出るっ!!
変な日焼けの跡ができるっ!!
あと‥‥
密着し過ぎ‥‥。
俺まで熱くなってきちまった‥‥υ
『そう‥んぐっ‥』
沖「ちと黙ってろい」
『むぐぐっ‥‥』
総悟と言いかけた時、名の主に口を塞がれてしまった。
両腕は動かない為に抵抗ができない。
あ、安心して。
口で塞がれたわけじゃないから。
熱中症のクセして起用なこって。
シャツの右肩部分を伸び伸びにしてくれた方を使いやがった。
おかげで襟がだるんだるん。
沖「お前よぉ‥‥よくも人騙してくれやがったよなぁ」
真っ赤な顔が真上にきた。
いつの間にか俺は、総悟に押し倒されている。
『いや‥‥あのアレは兄貴のせいっつーか』
沖「何?聞こえねーんだけど」
息が顔にかかる。
その息でさえも熱い。
これ本気でいろんな意味でまずいんじゃねぇの?
『や、あの。すみませんした。だから総悟、退いて』
沖「退くわけねーだろぃ。俺がこのまま止め刺してやるぜィ」
『ちょ、ちょちょちょ!!!どこから出したんだよその木刀!!』
総悟の右手には、「根性入魂」と書かれた木刀が握られていた。
ちょ、おま。
それって・・・。
って言ってる場合じゃねぇー!!!!!
沖「死ねェ!!」
『うわわわわ!!!タンマァ!!!!!』
ビュッ――振りかざされる木刀。
だが、何も当たらなかった。
ドサッ――
『・・・そ、総悟・・・?』
覆いかぶさったのは、総悟自身・・・。
表情が見えないが、体がだらんとしている。
『ちょ、おい。もしかして・・・気絶した!!?』
ちょ、待て待て総悟!!
この状態で気絶ってねーだろうがよ!!!
苦しい上に動けねぇ!!
このままじゃ二人して熱中症で死ぬぅ!!
あづい!!
あづいよ土方すぁぁーーーんっっ
土「何してんだお前らァッッ!!!!!」
『土方さん!』
俺の思いが伝わったのか、丁度俺たちの様子を見に土方さんが来てくれた。
『土方さん、総悟が熱中症で・・・』
土「お前ら・・・いくら誰も見てないからって・・・」
『・・・・・・えυ』
ちょ、待て待て土方さん!!
アンタも待てぇぇええ!!!!!
落ち着けぇ!!落ち着け土方さん。
早まるなァ!!!
土方さん、落ち着けよぉ!!
そして俺も落ち着けぇ!!
土「・・・こんな公衆の面前で・・・」
『や、あの・・・これ除けてくれません?』
土「・・・・・・邪魔したな・・・」
『まずは人の話を聞けぇぇーー!!!』
ビュンッ――
土「うおっ・・・!?何すんだテメェ!!」
『土方さんが俺の話を聞いてないからでしょう!!
コイツこの状態で気絶してんです!除けてくださいってば!』
土「気絶・・・?」
『どうやら熱中症みたいで・・・・・・』
まったく人の話を聞かない土方さんに向かって
俺は総悟の持っていた木刀をぶん投げてやった。
ま、案の定それを交わしやがった土方さん。
くっそ。
じゃねぇよ!!
『総悟が重くて動けないんですよ。俺ももう死にそうです(いろんな意味で』
土「ハァ・・・ったく。この馬鹿何やってんだ」
『土方さんもな』
土「ぁあ?」
『いえすみません』
土方さんが総悟を持ち上げた。
すっと軽くなる体。あー自由だー。
『おお・・・ものすんげぇ開放感』
土「言ってねーで手伝え、運ぶぞ」
『つっても俺、左手しか使えないんですけど』
土「左は使えるだろうが。」
『何言ってんですか。旅館に行くにしろ救護施設に行くにしろ、ドア開けにゃならんでしょ』
俺たちの泊まる予定の旅館も、海水浴場の救護施設も
どちらも自分で開ける、手動の引き戸になっていた。
土「・・・お前はそこのタオルと水持ってこい」
『へい・・・』
土「・・・の前にお前も飲め、ふらふらしてんじゃねーか」
『ちょっと立ちくらみが・・・υ』
炎天下の中、パラソルの下にいたとはいえ
流石に長時間座っていたのはまずかったかな。
俺の頭もぼーっとするし
立った瞬間、目の前が一瞬真っ暗になった。
俺はペットボトルのキャップを開け、残りの水を飲み干した。
新品のペットボトルをクーラーボックスから取り出して
タオルと一緒に持ち、土方さんの後に続いた。
『何しに来てんだ、コイツ・・・』
ぶっ倒れて、土方さんに引きずられてる総悟を見ながら呟いた。
『あ、俺もか』
真っ青で清清しい程綺麗な空に自己主張の激しい大きな太陽が輝いている。
いつもいつも、俺の気持ちが重いときに限ってこれだ。
あーあ。
どうなっちゃうんかね、これから。
土「、早く来い」
『へーい』
海での波乱はまだまだ続きそうだ・・・。
NEXT
〜後書き〜
まず最初にすみません。リク消化は延長ですυ
いやー思ったよりも長引いちゃって・・・。
まだ小説慣れしていないといいますか・・・。
途中から俺の頭が暴走しちゃってレール外れちゃったんですよ。
本当は、総悟がさんを押し倒して、無理やり○○を○○ちゃうつもりだったんですが
あ、えろい意味ではないです。誤解しないでください笑
あ、しまった。出すの忘れてました←
「根性入魂棒」は、わかる人にはわかる声優ネタです。
あ、ヒントは俺が今好きなもの。そう、知佳です^^
次もまだ、ちょっとずれてる話になりそうですので
リクはもうちょっとお待ちください。
第十二訓も、よろしくお願いします。

良ければポチッポチッと。二回お願いします(*´∇`*)
感想下さると嬉しいな〜なんて・・・思っちゃったりしてます。
2009.08.13 風雅 漣